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比呂さんの投稿された作品が69件見つかりました。
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梅林賀琉2〜亀は万年病〜
彦星はその老医の気配に気づき、後ろを振り向いた「象さん先生」「おぉ、待っておったぞちなみにわしの名は為杉じゃくれぐれもお間違えなきようぽっぽっぽっぽ三千歩」為杉先生は、織姫スタイルで彦星のくだらない冗談に対して負けず劣らず、お爺さんギャグで返した白く細長い顔を撫でながら鷹陽な感じで言うのでどういうわけか、僕は感心してしまったそして、為杉先生はさっそく亀吉のことを話し始めた亀吉は数千年前に亀がよくか
比呂さん作 [447] -
子の眠り
日の出前静けさのうち秋の山朝顔に心の深さ教はれり久遠より成就したれり稲の香や愚痴なれど口にいたせば新豆腐体内の電流仕掛け唐辛子萩といひ真つ先に向く北の原安売りの謳ふことなきちんちろりんかなかなや子の深かりし眠りかなこの庭のおはせし芭蕉いとゆかし海岸に背を向け鯊のレシピかな
比呂さん作 [413] -
梅林賀琉2〜為杉翁〜
どこから入ればいいか彦星は織姫に訊いていると、背後からひょろ長い翳が現れた やはり、この者も乙姫様のように海の中にいるもとは天人である衆生なのだろうそのような風貌がみられる白衣を着た初老の医者であったちなみに、これまで僕が見てきた天人は皆、人間サイズであるが、後で僕がネットで天人のことを調べると何でもそれは四千とか五千由旬とかいう途轍もない大きさで、まず普通に立っていたら人間と同じ目の高さで話すこ
比呂さん作 [421] -
どうも
いつも、自分の頭の中から考えを搾りだすようにして創作をやっています上手くいくか上手くいかないかそのほとんどが、前者になるのですがとにかく、自分の上手くまとまらない考えを無理にでもまとめて、行き当たりばったりでもなんとかやっていますしばらくは、そんな生活が続くと思います今は上手くいかないことのほうが多いが、自分の未来は境涯が開かれて素晴らしい人生を送っていると信じて生きていきたいのです未来の恐いもの
比呂さん作 [630] -
声
四方八方からいろいろな色をした声が聞こえてくるその声は僕の内側から来るものなのだろうかそれとも、外側から来るものなのだろうかある声は生きていることを楽しむ声ある声は生きていることが苦しいという声ある声はなんで私はなんで僕は死んでしまったのかと悔いる声しかし、どこにいてもどこを歩いていようともあぁ、死んでよかったと死に対して満足する声は聞こえなかったそれどころか、死を無念だと思っている声が多かった自
比呂さん作 [417] -
虫や
音至極頭めぐりて轡虫蟋蟀の庭や明るき音照らすきりぎりす蓄へさへも果てにけり束ねける草の花の思ひかな残暑さへ味方につける衆生かな
比呂さん作 [387] -
梅林賀琉2〜恋の方程式〜
「えぇ、勿論」織姫は確信に満ちた表情で言った二重瞼の大きな目に、端麗な佇まいはやはり美しい古代から言い伝えられている織姫という一人の天女―もっと、古風な顔立ちでもいいはずだが、今目の前にいる織姫は今にもテレビ出演のオファーが来そうなくらいテレビ映えのする現代風のはっきりした顔立ちであるどこか、女優の柴咲コウを思わせる容姿でもあったそんな見目形麗しい織姫、彦星とともに性格にちょっと問題があるというか
比呂さん作 [453] -
かがし
鳥ばかり途方にくれる案山子かな北になる北の大地の木の実かな一日の爽やかな風はじまりて朝水の気持ちよきこと秋海棠自然薯の思ひは縦に横たはる
比呂さん作 [411] -
梅林賀琉2〜織姫の嘘〜
「さっきは私の病気のことは話しても無駄なようなことを言ったけれど、一応参考までに話しても差し支えないと思うから話すわ」そう言うと、なぜか織姫は深呼吸をしたそして、再び話し始めた「私の場合は自分の神通力が使えるのにも関わらず、流れ星特急に乗って海に入る手段を選んでしまったの院長の為杉先生にはそれによって心の中のブルー度数がわからなくなって発症したと診断されたわその後、為杉先生に君の場合は一過性のもの
比呂さん作 [460] -
茶豆届きし
愛聴盤いつの間にやら鳥威し蟷螂の人生を観る黒き点鈴虫の美しき夜の彩られ金色の目に映りたる薄かな山形の茶豆届くや祖母の唄
比呂さん作 [403]