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グレイブ さんの投稿された作品が19件見つかりました。
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夕暮れの日に〜争いの国・その12〜
まってろよ・・・ラト!「白い塔。あそこか!」変だ。足跡が二人分聞こえる。でも今はかまっている暇は無い。気力を振り絞り加速する。嗚呼、ラト。僕が目を離したせいで。僕がおばあさんの意図に気付かなかったせいで。ーーー今助けるから。ドガァッ腰に刺さっている長剣を引き抜きながら、扉を蹴破った。「全員おとなしくしろ!・・・ラトを出しな。」塔の中にいた全員ニヤニヤしている。銃を構えながら(そんな刀一つで何がで
グレイブ さん作 [181] -
夕暮れの日に〜争いの国・その11〜
「ありがとうございます。ラトを、助けてくれて。」 そう言い残し、玄関を飛び出した。◆ 「だめじゃないですか、秘密をばらしちゃあ。」部屋の隅からあらわれた、受け付けの所にいた男。男は銃を突き付ける。おばあさんは無言のままだった。男は一瞥もせず、おばあさんを撃った。(ラト・・・あなたは・・・許してくれるかし・・ら・・・)おばあさんが動かなくなったのを確
グレイブ さん作 [211] -
夕暮れの日に〜争いの国・その10〜
「さぁ、早く!」「でも!」パンッおばあさんは、力一杯、ラトを叩いた。しかしその手は震えて、まともに力も入らなかった。ラトは何も言わず、裏口から飛び出した。「ごめんね・・・ラト・・・」おばあさんは意を決して、玄関をあけた。視界いっぱいに広がる、黒光りする猟銃の群れ。一際大きな男が、おばあさんに銃をつきつけた。「ラト君とやらを、だして頂けますか。」言葉は穏やかだが、その目には強い殺意が宿っている。お
グレイブ さん作 [204] -
夕暮れの日に〜争いの国・その9〜
その男が帰ったあと、ラトは「散歩に行ってくる。」と言い残し、後を付けた。いや、付ける必要もなかった。家をでてすぐのところで、その男はもう一人の男と合流し、こんな会話をはじめたからだ。「どうだった。」「やっぱりあの家にいたよ。」「そうか。やっぱりな。」これだけで、ラトはすべてを理解する。「ここにいてはいけない」 ラトは家に帰ると、おばあさんに全てを話した。自分が化け物扱いされている事。さっきの男
グレイブ さん作 [201] -
夕暮れの日に〜争いの国・その8〜
ある、晴れ渡った暑い日。あるおばあさんの家に、傷ついた、一匹の動物が辿り着いた。年老いて、身内もいなかったおばあさんは、その動物をわが息子のように可愛がった。他の動物に比べ大きすぎるその体も、言葉を話すことも、大したことではなかったのだ。おばあさんの介抱のおかげで、その動物は順調に回復していった。 一週間もたったある日、一人の
グレイブ さん作 [201] -
おはよう
彼は生きる今日という名の永遠を。決して終わることのない繰り返される一日を。彼は見る今日の晴れた青空を。決して途切れる事のない繰り返される雲の成り行きを。今日もまた、人は生きそして死ぬ。決して終わらない夢を見ながら・・・・・そしてまた目覚める。「おはよう」という、君の一言で。
グレイブ さん作 [209] -
夕暮れの日に〜争いの国・その7〜
そんな・・・ じゃあ、「あなたのあの優しさは嘘だったんですかッ!」「あたりまえじゃない!あの子のせいで起きたこの戦争の苦しみを、あなたは知ってるの!?」 「そうなん・・・ですか」老婆は間を置き すべてを話しだした
グレイブ さん作 [177] -
夕暮れの日に〜争いの国・その6〜
誰もいない部屋。 後ろに気配を感じて振り返る。そこにいたのは斧をもった白髪のおばあさんだった。なんて事だ 「あらあら、勘が鋭いわねぇ」 なにくわぬ笑顔でさらっと言ってのけたおばあさん。
グレイブ さん作 [174] -
夕暮れの日に〜争いの国・その5〜
嗚呼いつもこんな生活だったらいいのになぁなんてねこんなありふれた用意されたような生活なんて、すぐに飽きるだろう 用意? そうだ なぜ僕らが来たのは偶然だったのに、お風呂が沸いていたのだろう? なぜ棚には、あんなに埃が積もっ
グレイブ さん作 [172]
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