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RF-T さんの投稿された作品が37件見つかりました。
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どこにいても、11
「いつかは…」私の言葉を聞いて俯いてしまった涼の声は涙声だった。「もしかしたらこれは夢なんかじゃないかって時々思うことがあった、…花歩が決めたなら花歩のしたいようにするべきだと思う。…でもね」私は目を伏せた。泣いちゃいけない、涼が私を強く抱き締めた。「今じゃなくてもいいじゃない!」「……」「例えこれが夢でもあたし花歩のこと触れられるしこうやって抱きしめれる、ここにいるってことじゃない!」涼の涙が
RF-T さん作 [361] -
どこにいても、10
私は自室のベッドに飛び込んだ。そして早速プリントした今日撮った写真が入った写真立てを手にとった。そこには自分と大切な二人がうつっている。「私のこと好きって言ってくれた、毎日お見舞いにきてくれた、頭をなでてくれた、キスをしてくれた」私は写真立てをぎゅっと胸に抱いた「ありがとう涼、大好き大輝」「二人とも、私幸せよ」私は夜風にあたってくると親に言って外にでて、しばらく歩いた。その人気のない道に涼がいた
RF-T さん作 [345] -
どこにいても、9
僕達は電車にのって帰り道を歩いていく。「あ、あのさ吉岡」「なに?」「前入院してた時ずっと一緒にいてって言ってくれたじゃないか、その、僕も一緒にいたいから…」「…ありがとう。大輝、私嬉しい」吉岡の笑顔に魅惚れてしまった。「素直に言えるとこ羨ましいな。そ、そういうとこ好きだよ」「…なんで大輝はかっこいいセリフでどもるかな〜」「いや緊張するし..」ほんと頑張ったんだけど、「私も大輝の優しい所、好きだよ
RF-T さん作 [338] -
どこにいても、8
「ね、お祝いに写真とろーよ!」吉岡がデジカメを鞄から取り出した。「さっ、はやく並んで!」僕と松村は吉岡のされるがままに配置された。「はい十秒間だけ待ってくれるから笑ってー!」カシャッというシャッター音が聞こえた。「ん、よくとれてる!」「へぇ〜花歩そーゆーの得意なんだ」松村が感心したようにいった。「いや、初めてだよ」初めてにしては上手だな。「に、しても人が僕達以外いないね。」「そりゃ秋だもん!海っ
RF-T さん作 [331] -
どこにいても、7
「な、なんで」「へ?退院祝い」自分で言うか、と思ったけどそういうとこも吉岡らしいや「やっぱいた」声のする方を振り向くと松村がいた。「涼だあ!なんでここが分かったの?」吉岡が嬉しそうに聞くと「花歩の見舞いに行ったのにいなかったから聞いたらここにいるって!だからきたの」走ってきたのか語気が荒くなってる「…まあ退院おめでとう。」「ありがとー」微笑みあう二人はほんとに仲がいいと思う。「涼迎えに行くとこだ
RF-T さん作 [384] -
どこにいても、6
―それからは、色んな人がお見舞いにきた。改めて吉岡の人気を知らされた。すごいな、吉岡って…そして月日が流れて明日吉岡が退院する日となった「あれから二ヶ月がたつのか…」僕はしみじみと月日の流れの早さに驚いた。『本当に悪かったな…これからはしっかりしなくちゃ』そして病院へいく準備をしはじめたピンポーン誰かきたみたいだ。今は家に誰もいないから僕が出なくちゃ。ピンポンピンポンピンポンピピピ『わかってるよ
RF-T さん作 [358] -
どこにいても、5
暫しの沈黙の後、吉岡が呟いた。「大輝。ずっとそばにいてね、好きだ「花歩ー!!!」僕達は急に開かれたドアにびくっとした。「す、涼!?」「花歩!心配したんだよ!!」ものすごい勢いで吉岡に飛び付いた。この子は松村涼って言って吉岡の小学生の頃からの友達だ。すごく友達想いって吉岡が言ってる。「涼痛い痛いいた」「あ、ごめん!」松村は吉岡の首を誤って締めてたらしい。また死なれるのはもうごめんだよ…「…でもほん
RF-T さん作 [360] -
どこにいても、4
その笑顔に違和感を抱いたけどきっと怪我のせいでうまく笑えないのだろう、そう思った。「先生ってばひどいんだよ、一度死んだのに生き返るなんてありえないってうるさいの!」僕はいつもの調子に戻った吉岡に安心してその愚痴に苦笑してしまった。「…ね、私生きてるよね?」不安げに呟いた吉岡の姿は儚く見えた。「うん、生きてるよ。こうやって僕と話してくれる吉岡自身がここにいるだろ」少しでも安心させたかった。「そっか
RF-T さん作 [382] -
どこにいても、3
「…大輝」確かに聞こえる吉岡の声にまた涙がでてきた。先生は奇跡だと言った。―次の日ガラッ「あ、大輝!」僕が病室に入ると吉岡はそう言った。吉岡は左腕骨折、頭部軽傷の怪我をして全治2ヶ月の入院をしている。頭と左腕に包帯を巻いてる姿を見ると心が痛くなる。「吉岡、ごめん。僕がちゃんと歩いてればこんなことにはならなかったのに…」病室に来てからの第一声がこれだとどうかと思うけど謝りたかった。「いいってば。…
RF-T さん作 [351] -
どこにいても、2
「吉岡!?」僕は急いで救急車をよんだ。――手術室から先生がでてきた。「先生っ、花歩は!?」僕と一緒に待っていた吉岡の親がそう叫んだ。先生は首を横にふった「嘘だ…」僕は病室へ走った。吉岡は眠ってる。でも目を覚ますことはない死んでしまったから、「吉岡…ごめん僕のせいで……」涙がどんどん出てきた。親も後ろで泣いている。吉岡…死なないでよ、「…大輝」聞こえるはずのない声に目を見開いた。それは間違いなく吉
RF-T さん作 [377]