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内田俊章 さんの投稿された作品が142件見つかりました。
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ラブレター
ときめき ? 「俊、遅いぞ!」 同級生の工藤伸也が言うと、坂本勉も口を開いた。 「雪子に引っぱられて、何処へ行ってた?」 「あぁ、雪子に頼まれ事をしてさ」 「何だよ、頼まれ事って?」 坂本は、しつこく聞いた。 「大した事はないんだな。それより、早く始めるぞ!」 俊章たちは、それぞれが持ち寄った、アルミホイルを丸めて、ピンポン玉位の大きさにして、サッカーの真似こどをして遊ぶのが常だった。 俊章は、
内田俊章 さん作 [708] -
ラブレター
ときめき ? 「俊(しゅん)ちゃん、ちょっと付き合ってくれる?」 内田俊章に声をかけたのは、中学2年の同級生、佐々木雪子だった。 「何か用か?昼飯が終わったら、体育館へ行かなきゃ」 俊章は、給食のお膳を片付けながら、雪子に言った。 「直ぐに終わるから!ねっ、お願い!」 そう言うと雪子は、俊章の腕を掴んで、引っぱった。 「分かった、分かった!少しだぞ!」 2人は教室を出ると、階段を上がり屋上へ出た
内田俊章 さん作 [823] -
空と海 最終回
妙子が、桧風呂に湯を汲み始めると、早織が浴室にやって来た。 「お母さん、空ちゃんはどうしたの?」 「寂しかったのよ、きっと!ずっと、我慢していたのね!」 「あら、早織。臭くないの?」 「ず〜とかいでいると、そうでもないね」 「それじゃ一緒に入る?」 「うん、空ちゃんも呼ぶね」 「いや。もう少し、そ〜としておこう」 空は泣き止んでいたが、まだ海人の膝の上にいた。 「お父さん、ゴメンなさい」 「お
内田俊章 さん作 [536] -
空と海 ?
海人と妙子、純子と翔子は食卓に腰を下ろして、ビールを飲み始めた。 「こんな所で、同級生と再会出来るなんて、うらやましいですね」と、翔子が言った。 「いやあ、本当に。先生とは、4月から何度か、顔を合わせているけど、いざ、同級生だったと分かると、親しみを感じますね!」 「本当よね。1年生の時の、遠足の写真を、先生も持っていたなんて、感激ね!」 「私の方こそ、入学式のその日に、私の事を噂していたと聞
内田俊章 さん作 [600] -
空と海 ?
「いやぁ、申し訳ありません、先生。その『海人』って、私ですよ!」 海人は、なぜ富子が嘘を言ったか、大方の説明をした。 「矢口さん、お母さんを、責めないで下さい。どれもこれも、空ちゃんを思っての事ですよ」 「分かってます。母親が亡くなったばかりの頃は、妙子とも、余り親しくするなって、言った位ですから!」 「私が加わると『三角関係』ですもね」 「先生!彼女とは、そんな関係じゃないですから。今日は、
内田俊章 さん作 [409] -
空と海 ?
午後7時を回った頃、突然花火が上がった。 「わあっ、花火だ!」 空と早織は、歓声を上げた。 4人が中央広場の方を見ると、ファイアーストームに火が放たれ、大きな炎が上がった。 「あっ、何かが始まるんじゃない?」妙子が言うと、フォークダンスの音楽が、流れて来た。 「お母さん、行って来ようよ!」早織が言うと「そうだね、空ちゃんも行く?」 「うん、行く!行く!お父さんは?」 「お父さんは、疲れたから、
内田俊章 さん作 [383] -
空と海 ?
本田亜希子が純子に聞いた。 「ねえ純子。さっきの家族って、どう言う関係?」 「関係迄は知らないけど、あの空ちゃんって子の、お母さんはいないのよ。去年、交通事故で亡くなったんだって。石原さんとは、子供同士も、親同士も、親しい友達なんでしょう、きっと」 「そうなの?でもあの子、賢そうだね!突然大きな声で『こんにちは』なんて、ビックリしちゃった!」前野陽子が言った。 「そうなの!いつも元気一杯なの。
内田俊章 さん作 [382] -
空と海 ?
昼食を終えて、4人が外へ出ると、隣の6号棟を予約していたらしき、大きな荷物を持った、3人の女性とすれ違った。お互いに軽く会釈をすると、空が大きな声で「こんにちは」と言った。 海人も妙子も驚いたが、一番驚いたのは、その女性たちだった。 その3人は、振り向いて「こんにちは」と、にこやかに挨拶を返して来た。すると、もう一人の女性が、歩いて来た。その姿を見つけて、空が叫んだ! 「先生!」 「えっ、先生
内田俊章 さん作 [657] -
空と海 ?
「お父さん、おばちゃん。謎々をしようよ」 海人は、驚いて妙子の顔を見た。すると妙子も驚いた様子だった。自分たち大人が、子供たちを楽しませなければならないに、空が一番大人だった。 海人は、目頭が熱くなるのを感じた。 「うん、そうだな」 空と早織は、学校で覚えた謎々を、次から次と出して来た。頭の硬い大人には、中々の難問ばかりで、車の中は、笑い声が絶えなかった。 出発して、2時間程が経ち、雑木林に囲
内田俊章 さん作 [372] -
空と海 ?
海人は、富子を駅まで送って、自宅へ帰ると、妙子に電話をした。そして、富子が行けなくなった事と、明日の予定を確認して、電話を切った。 次の日の朝、海人と空は、富子が夕べ用意してくれた、朝食を済ませると、荷物を車に積み込み始めた。 「空、忘れ物はないか?」 「うん、大丈夫だよ。ねえお父さん。藤田さんのおじいちゃんって、誰?」 「そうか、空は会った事、無いもんな。おばあちゃんのお兄さんで、お父さんの
内田俊章 さん作 [354]