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内田俊章 さんの投稿された作品が142件見つかりました。
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青い瞳の転校生 第22話
初恋 7 「分かってるさ!“守る”とか“案内する”と言う意味だろ!」 その言葉を聞いて、スージーは感動した。 そして、隆の両手を取り、本当の外人に戻って言った。 「オー、タカシ!アイ、アム、ベリー、ベリー、ハッピー!」 スージーの瞳からは、涙が溢れそうだった。 隆は、スージーの手を、強く握り返した。 「スージー!ゴメン、本当にゴメン!」 隆はそう言うと、いつもと同じ、穏やかな表情を見せた。 する
内田俊章 さん作 [322] -
青い瞳の転校生 第18話
初恋 3 ドッチボールは、何度も繰り返されたが、隆は一度も、ひとみとは話をしなかった。 夕食の時間になり、隆のクラスの男女全員が、男子の民宿へ集まった。 班毎に座るため、嫌応なく、隆の側に、ひとみとスージー、さとみが座った。 「頂きま〜す」 ひとみの号令で、食事が始まった。 他の班は、お喋りをしながら、楽しそうだが、隆の班は、ほとんど会話が無かった。 シビレを切らして、ひとみが、向かいに座ってい
内田俊章 さん作 [310] -
消えた30の瞳 ?
矢口の、今は亡き父親は、“恐神岳山岳警備隊”の、初代隊長である。 当時も毎年の様に、遭難事故が有り「もっと正確な地図を作れ」と、市役所に対して、何度も進言したが、市役所の観光課は「国が作った地図は正確だ!」と言って、聞き入れてくれなかった。 仕方なく矢口の父親は、実際に自分の足で歩き、万年雪の厚さや、その下の谷の深さ等を測量して、独自の地図を作ったのだ。 とは言っても、完成する直前に父親は、還
内田俊章 さん作 [384] -
青い瞳の転校生 第21話
初恋 6 「ええっ!一人で入るの?」 「心配しないで!男女ペアで、スージーのパートナーは、隆だから。ネっ、隆!」 「…ええっ?もう決まっているのか?」 「今決めたの!学級委員の特権で、私が決めた!文句有る?」 「……」 「今日は、隆のせいで、皆が迷惑を受けたんだから、少しは私の言うことを聞いて!」 「そうだぞ、隆!お前は、スージーと廻って来い!」 勇二も、命令口調で言った。 「……うん、分かった
内田俊章 さん作 [324] -
青い瞳の転校生 第20話
初恋 5 ひとみは続けた。 「生まれて初めての海で“隆に泳ぎを教えて貰う”って喜んでいたのに、隆がそんなんじゃ、全然楽しく無いし、スージーが可哀想じゃない?」 「……ゴメン、ひとみ。誰も悪くない。イヤ、俺が悪いんだ!」 やっと隆が口を開いた。 「俺だって、スージーと泳ぐのを楽しみにしてたよ!ただ……」 「ただ、何?」 「ゴメン、それ以上聞かないでくれ!」 その時、勇二が遊ぶの止めて話を始めた。
内田俊章 さん作 [296] -
消えた30の瞳 ?
矢口たちは、北側の谷を、一つずつ捜索することにした。 雪が積もったとは言え、昨日の今日である。 もし墜落したのなら、何らかの残骸が有っても良いのだが、それが何一つ発見出来ない。 一つの谷の万年雪は、学校のグランド程もある。 捜索隊は、積もった雪を足でかき分けながら、滑らかな雪渓の表面に、セスナ機が接触した傷が無いかを、探して歩いた。 「この辺は、3m位(万年雪の深さ)だな」 野崎は、地図を広げ
内田俊章 さん作 [375] -
青い瞳の転校生 第19話
初恋 4 「調子が悪いって、風邪でもひいたか?」 誰かが聞いた。 「まぁ、そんなもんだ!明日になれば、いつもの隆に戻るから!なっ、隆!」 隆は、小さく頷いた。 食事の後皆は、それぞれが持って来た、ゲームやトランプを始めた。 縁側で、一人で外を眺めている隆の隣に、ひとみが腰を下ろした。 ひとみは、何となく分かっていた。スージーに対する、“恋の病”だと。 「隆、あれを見て」 ひとみは、振り向いて、ス
内田俊章 さん作 [300] -
消えた30の瞳 ?
もし、本恐神に墜落したのなら、音も聞こえただろうし、炎も見えただろう。 しかし、そうした状況を目撃した者は、誰もいない。 まして、晴れ渡った今日、墜落の残骸らしき物は、麓からは何も見えなかった。 当然捜索は、裏恐神と奥恐神を中心に行われる事になった。 矢口と野崎、その他の捜索隊30人は、5号目の山小屋から東へ向かい、奥恐神へ廻る事にした。 細い尾根から谷底を見ると、目がくらむ程であった。 立ち
内田俊章 さん作 [405] -
消えた30の瞳 ?
道中、吹雪は収まらず、休憩所に到着したのは、8時を過ぎていた。 矢口たちも、2次災害を防ぐために“捜索は明朝から”と変更して、3号目の休憩所で夜を明かす事になった。 翌朝は、昨夜の吹雪が嘘の様に晴れ上がった。 午前7時、麓で待機していた捜索隊も合流して、本格的な捜索が開始された。 ところが、目撃情報が全く無い。 飛び立ったセスナ機を、何人かの家族が見送っていたが、約5分後には、恐神岳の頂上付近
内田俊章 さん作 [383] -
青い瞳の転校 第18話
初恋 3 ドッチボールは、何度も繰り返されたが、隆は一度も、ひとみとは話をしなかった。 夕食の時間になり、隆のクラスの男女全員が、男子の民宿へ集まった。 班毎に座るため、嫌応なく、隆の側に、ひとみとスージー、さとみが座った。 「頂きま〜す」 ひとみの号令で、食事が始まった。 他の班は、お喋りをしながら、楽しそうだが、隆の班は、ほとんど会話が無かった。 シビレを切らして、ひとみが、向かいに座ってい
内田俊章 さん作 [342]