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紫希 さんの投稿された作品が5件見つかりました。
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白黒ー其ノ伍
今日ハモウ止マナイカナ彼は彼女の部屋から外をながめていた。今日はあの屋上の一件からちょうど半年後の日曜日。彼と彼女はこれから出かけることになった。彼にはこうなることは最初からわかっていた。そしてこの後、どうなるのかも。がちゃん背後で扉のあく音がした。振り向くとそこには身支度をすませた彼女の姿があった。「そろそろ行きましょうか」「あぁ」頷くと彼は腰をあげた。二人で玄関まで歩いていく。自分デ言イ出シ
紫希 さん作 [155] -
白黒ー其ノ肆
女は語った。その後、ずっと彼の事を見ていたこと彼がいつも行く時間に合わせて学食に行っていたこと彼の家までこっそりついていったことがあること住所ハ、ワレテル…? 「それは告白?」「ええ。そのつもりだけど?」女は頬も赤らめずに、さらりといった。一応、初メテダッタンダケドナ…ふらりと風がふく。女が彼の方を向いた。「さて、それじゃあそろそろ行く?」「いいのかい?」彼も女の方を向いた。「よくないわ。もう少
紫希 さん作 [161] -
白黒ー其ノ參
彼は女が言ったことの意味がわからなかった。いや、意味はわかった。わかったが、その行動は理解出来なかった。イッタイナンダッテ…彼は先ほどと同じ調子で女に問い掛ける。「なんで?」「だってその世界に一人で行くのは寂しいでしょう?」「お気遣いありがとう。でも、君に付き合ってもらうのは悪いし、なにより理由がない」「いいえ、理由ならあるわ」彼が眉をひそめると、女はクスリと笑ってつづけた。「私、貴方に興味があ
紫希 さん作 [142] -
白黒ー其ノ貳
−半年前−彼と彼女がであったのは校舎の屋上だった。大学に入ってふた月。大学生活では高校の時に比べて空白の時間が格段に増える。一人暮しを始め、友達も少なかった彼は、出口のない思考の末、屋上のテスリをのりこえるにいたった。「何をしているの?」彼が生涯最後の一歩を踏み出そうとしたその時、首筋に白い声がふきかかる。振り返ると、鼻先が触れるほどの至近距離に女の顔があった。「ねぇ何をしているの?」誰ダ?コノ
紫希 さん作 [142] -
白黒ー其ノ壹
ピロリパラリロ…その日、彼は携帯が鳴る音で目がさめた。誰ダ?携帯の画面には、ここ半年目にする頻度が急速に増えた名前が表示されていた。[今日、暇?暇だったら遊びましょう?]メールの相手は彼の交際相手からだった。彼は了承のメールを送ると布団をでた。実のところ彼は休日に外出するのは好きではない。友人に誘われても、たいていは何かしら理由をつけて断っている。しかし………アイツノ誘イジャ仕方ナイピロリパラリ
紫希 さん作 [147]
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