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優風さんの投稿された作品が95件見つかりました。
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思い出の足跡(27)
仕事を済ませた僕は会社を出て、急ぎ足でまずレンタカー屋に向かった。美香から連絡をもらってから事前にネットで予約を入れていたからだ。車を持ってない僕は会員登録をして"レンタカー・バックス"を時々利用していた。会員の場合はポイントがたまるとクーポン券がもらえるようになっている。百円で“1”ポイント、“300”ポイントたまると二千円分のクーポン券がもらえるシステムだ。 “レンタカー・バックス”は
優風 さん作 [689] -
好きと言えなくて…(7)
“ジリリリ、ジリリリ”八時にセットしていた目覚まし時計が動き始めた。僕は眠たい目をこすりながら重たく感じる身体を起こして目覚まし時計を止めた。大きなあくびをしてからもう一度、目をこすり、それから眠気眼のままトイレに入った。 今日は加奈の家でクリスマス会が行われる日だった。十時に加奈の家に集合する事になっていた。洗面所で顔を洗ってからキッチンへと足を向けた。キッチンでは、母親の“幸"が父親の
優風 さん作 [596] -
好きと言えなくて…(6)
二学期の終業式も終え明日から冬休みが始まる。小学校最後の冬休みだ。そう思うとなんだか切なさを覚えた。新品のランドセルを背負って当校したのが昨日の事のように思える。 体育館から戻ると谷川先生から出席番号順に成績通知表が渡された。恐る恐る成績通知表を見ると国語は一学期と変わらず“4”で一学期は“3”だった社会が“4”に上がっていた他は一学期と変わってはいなかった。音楽は相変わらず“2”のままだった
優風 さん作 [553] -
好きと言えなくて…(5)
最近、僕はびくびく過ごしていた。何故かと言うとあの日、結局加奈達の勢いに負けて気の弱い僕は“同じ保健委員会で五年生の“新谷美香”が好きだ”と加奈達にカミングアウトした。てっきり、智美を好きだと思い込んでいた加奈は一瞬あんぐり口を開けて言葉を失っていた。他の二人も同じように驚いた様子だった。なんて声をかけたらいいか分からず言葉を探してる様子だった。やはり、小学生で年下を好きになるのは普通じゃな
優風 さん作 [618] -
好きと言えなくて…(4)
紅葉の季節も終わり、寒さを増して季節は冬となり師走を迎えていた。今年も残り一ヶ月を切った。 その日は補習の為、残っていて学校を出たのは五時半を過ぎていた。夏なら六時を過ぎても明るいが冬は日が暮れるのが早く外はすっかり暗くなっていた。僕は見たいテレビ番組も終わっていた事から補習メンバーと話しながら周り道をして帰路を辿っていた。「今年も後、少しで終わるね」「今年もろくな事がなかったなぁ」大介が
優風 さん作 [610] -
好きと言えなくて…(3)
そもそも僕、“西条健治”は入りたくて保健委員会に入った訳じゃなく正確に言うと仕方なく入ったというのが一番適してる。 最初は生徒会に入りたくて五年生の三学期に生徒会長に立候補した。一年生の頃からずっと生徒会長というものに憧れていたからだ。僕も含めて四人が生徒会長に立候補した。残念ながら僕はこぼれて生徒会長には“高杉圭吾”が選ばれた。それから六年生になって掲示委員会以外に入ろうと考えたが第一希
優風 さん作 [544] -
好きと言えなくて…(2)
十一月の集会での発表時に僕ら保健委員会は劇をする事になった。これから冬にかけ寒くなるにつれて流行るインフルエンザの予防をテーマにした劇だ。主人公は五年生の“正士”がやる事になった。僕は正士の父親役に決定した。僕のセリフは“テレビばかり見ていないでちゃんと勉強をしろ”というセリフだけだった。 劇をする集会当日、いつもに増して緊張していた。いつもの発表時でもかなり緊張をしてステージに立つのだが今
優風 さん作 [541] -
好きと言えなくて…(1)
僕は小学校六年生で初めて年下の女の子に恋をした。自分の父親も母親と年齢が四歳離れてる事から僕が一つ年下の女の子を好きになるのはおかしい事ではないんだろうけどその時は皆から“ロリコン”とかからかわれそうな気がしたし、なにせ小学生で年下を好きになるのはおかしい事だと自分の中ではそういう固定観念があった。 きっかけは入った委員会だった。僕の小学校では五年生から委員会に入る事が規定されていた。五年生
優風 さん作 [626] -
ボクのあだ名はコアラ君(2-1)
「これから席替えを行います。くじを引いたら番号の席に移動して下さい!」学級委員長の“田島康明”が黒板の前に立ってクラスメイトに指示を出す。教卓の上にはくじが入った箱が置かれていた。康明の指示に従って皆が席を立ちぞろぞろと教卓の前に集まりくじを引いていく。皆がくじを引いた後で最後に学級委員長の康明と“岡本佐恵子"がくじを引いた。席替えはボクにとって一大イベントだ。いや、ボクだけじゃなくて皆そうだ
優風 さん作 [678] -
ボクのアダ名はコアラ君(1-5)
次の日、学校に行くと何事もなかったようにドッヂボールをしているきゅうりの姿があった。日頃、親や先生達が“車に気をつけなさい”と口うるさく言うのが分かった気がする。きゅうりはと言えば、「あんなのなんて事はないさ」と、涼しい顔をして言う。おまけに他のクラスメイトにまで「オレ、車にひかれそうになってさ。もうすぐで死ぬとこだったんだぜ」なんて自慢気に話してる。まるで反省の色が感じられない。ボクも大豆
優風 さん作 [639]