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アドベンチャーの携帯小説に含まれる記事が892件見つかりました。
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猫物語その2(改)
それにはやむにやまれぬ事情がありまして、と子猫は申します。 実はわたくしは親のない子猫にございます。 それで麓の町のモトドリに行商の仕事をもらって養われておりました。 夕べは いつものように商業地区へまたたび入りマッチを売りに出たのですが、これがなかなか売れません。 全て売り切らないことには帰れもせず、売れないマッチをただひたすらに売り続けていたのですが、あまりの寒さに耐え兼ねて売り物のマッチ
α さん作 [502] -
猫物語その1(改)
その昔、竹をとるならこの人ありと謳われたお爺さんがいました。仮に竹内さんと致しましょう。 竹内さんは今日も竹を取りに山へ入ります。 するとどうしたことでしょう。 竹だらけの中に一本光り輝く竹があるではありませんか。 あやしがりて竹内さんが、やぶをかき分けそばへ近づき良く見てみると、何と以前切り取った竹の節の中に 一匹の子猫がグッタリとしてはまり込んでいます。 この子猫の見開かれた瞳孔が 早朝の
α さん作 [559] -
CORRIDA 『少年の過ち』終
それから数分もしない内に警察は到着し、あっという間に5人は警官達によって取り押さえられ、逮捕された。 パトカーに乗せられていくジェリー達を見つめながら、エディは言う。 「ああ‥俺は何てことを…うぅ‥」涙を流しながら俯くエディの肩をジョニーはポンと叩いて言った。 「お前はまだ若いんだ。いくらでも罪の償いは出来る。さあ、母さんが待ってるぞ」ジョニーはそう言って、彼の背中に手を廻しながら愛車に向かって
ミッシェル さん作 [590] -
CORRIDA 『少年の過ち』6
午後7時頃‥ ジョニーとエディの2人は、ボロボロの大きな廃倉庫の前へと来ていた。倉庫の周りには数台のバイクと車が停めてあり、入り口のシャッターからは僅かに光りが漏れている。 「エディ、俺の後ろにいろ」「う、うん‥」2人はゆっくりとシャッターの前まで歩いていき、ついにジョニーがそのシャッターを開け放った。 ガララララッ! 中ではいつものように5人の凶悪な男達が待ち受けるが、突如と現れた見知らぬ男の
ミッシェル さん作 [530] -
CORRIDA 『少年の過ち』5
翌日、ジョニーは依頼人のケリーの自宅へ訪問していた。「お話って何ですか?」ケリーは入れ立てのコーヒーをテーブルの上に置きながら尋ねた。「エディ君の事だが、彼は仲間を怖がっている」「仲間?」彼女は思わず目を丸くした。 更にジョニーは続ける。 「昨日分かった事だが、この街には壊滅したギャンググループの残党が潜伏していてな。エディは奴らの使いっ走りだ‥奴らが怖くて抜けるに抜けられないでいる」「そんな‥
ミッシェル さん作 [503] -
CORRIDA 『少年の過ち』4
「ハァ、ハァ」夜中、1人の少年がパンパンに膨れ上がったバッグを片手に全力で駆けていた。やがて、目の前にボロボロの廃倉庫が見えた時、少年はラストスパートをかけ、倉庫のシャッターを思いっきり開いた。 中に入ると、いつものように5人の凶悪な男達が彼を待ち受ける。「遅かったなエディ‥」「ふふっ‥やるなァ‥ちゃんと盗ってきやがったぜ」エディはゆっくりと、食料品などが大量に詰まったバッグをその場に置く。 そ
ミッシェル さん作 [530] -
CORRIDA 『少年の過ち』3
その女性は、真っ直ぐカウンターまで歩いてきてジョニーの隣りに座った。すかさずジョニーは彼女に話し掛ける。 「あなたが依頼人のケリー・マディソンさんですか?」そのケリーというダークブロンドの女性は大体30代前半くらいであり、なかなかの美人だ。彼女は目を丸くしながらジョニーの方へと顔を向け、応えた。 「は、はい、そうです。もしかしてあなたがジョニーさん?」「えぇ、そうです」彼女は笑みを浮かべながら、
ミッシェル さん作 [636] -
神の丘〜歩み〜?
首都、バルク。近代的な建築物と、歴史的な建築物が入り混じる、政治・経済・文化の中心首都。人と車でにぎわう街の中央には、緑で囲まれた膨大な敷地があった。中央の大統領府、シラ宮から南へ向かって、人口的に作られた川と緑の大きなじゅうたんが敷かれた大きな公園。木々で囲まれた左右には、国の各省庁の建物が並んでいた。その、一つの建物の一室に、彼は居た。窓の無い暗い部屋。カチン!シュッ‥ボッ!部屋の中に響くジ
佐奈 さん作 [576] -
CORRIDA 『少年の過ち』2
明るい南国の保養都市である『ロザーナ』は今日も雲一つ無く晴れ渡っていた。 ロザーナの気候は、夏は非常に暑く、冬でも海で泳げる程温暖である。また、平均気温は摂氏18度を超え、日中の最高気温は摂氏25度を上回る。まさに熱帯気候であり、その美しい南国都市の情緒溢れるトロピカルな風景に惹かれ、観光に訪れる客も多い。その為、各地に観光地が栄え、多くのリゾートホテルなどが立ち並んでいた。また、夜はバーなどの
ミッシェル さん作 [740] -
CORRIDA 『少年の過ち』
蒼く輝く海が接するビーチの付近に、それは建っていた。 庭に高くそびえ立つ、数本の椰子の木がとても印象的であるその一軒家は、全体を白で統一されており、その入り口の扉の付近には『Welcome to corrida』と書かれた看板が掲げられていた。 一見、只の一軒家のようにも見えるが、それはちゃんとした街で人気の便利屋である。リビングのソファで昼寝をしていたジョニー・カーライルは、ビーチから聞こえて
ミッシェル さん作 [641]