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アドベンチャーの携帯小説に含まれる記事が892件見つかりました。

 
  • ハイブリッドワールド 第13話 《フリッツ編》

    この街の夜はよく冷える。太陽も無いうえに山の中だ。だが今は違う。慌てて家を出た2人の背中にオレンジ色の光が映え、その部分だけが熱をおびる。家を焼く炎、人々の叫び声、そのどれもが異常だった。2人は街の外まで逃げるとはじめて後ろを振り返る。「街が…消える…」肩を震わせ、声を出さずにベルは燃える街を見ながら涙を流していた。どこまでもきれいで優しい少女の心、自分を罵り虐めた人間にも涙を流し、良い思い出も
    182 さん作 [485]
  • ハイブリッドワールド 第12話 《フリッツ編》

    ベルはフリッツを部屋に招くと急いで部屋を片付け始めた。と言っても部屋の中は殺風景で片付ける物などほとんど無い。1つのベッドに小さな流し、後はテーブルがあるくらいでその上には小さな白い花が挿された花瓶が添えられている。彼女によく似た白い花、殺風景な部屋に寂しくも美しく咲く白い翼。フリッツはベッドのシーツを取り替えるベルを優しい眼差しで見つめていた。なんとなく温かい気持ち…そんな気持ちになったのは久
    182 さん作 [503]
  • Mind Adventure 24

    実際、この程度の拘束など、妖需にとって、無きにしもあらずだった。靴の窪みに指を差し込み、軽い衝撃を加える。靴裏に仕込まれていた鑢が飛び出し、カラン、と音を立てて床に転がった。それを使い、まず腕を縛るロープを切る。同じ要領で、鉄柵を被っている金網も切断した。この場所が、古い建物でよかった。祖母に教わった開錠術は、元はもっとしっかりした物だったのかも知れないが、教えた人間が世紀末的な不器用だったせい
    籬 規那 さん作 [423]
  • Mind Adventure 23

    あのあと、止めに入った妖需は突き飛ばされ、ジンが男性に何事か囁くと、男性が逃げていく形となって、事態は収拾を得た。ディルはというと、フィレーネとジンに脇を固められながら歩いている。随分と苛立った様子だったけれど、一体どうしたんだろう。ディルは、怒りっぽい人ではあるけれど、意味もなく怒ったりすることなんて無い。からかわれて大きな声を出したり、人を小突く事はあるけれど、こんな様子は初めてだ。「ディル
    籬 規那 さん作 [404]
  • ハイブリッドワールド 第11話

    3人が街を出るとき何人か見送りに来てくれた。サンタクルスにその側近、じいさんの姿もあった。ニコの両親らしきユニコーン族がいたが母親はともかく父親のほうはやたら強そうだった。どうせなら父親のほうを護衛に回してくれよ…と言いたいところだがあのサンタのおっさんが聞く耳を持つはずがない。ウラは今だに特技逃げ足のニコのことを信用していなかった。敵に会った瞬間真っ先に逃げるのではないかという心配があった。格
    182 さん作 [533]
  • ハイブリッドワールド 第10話

    ローの話を聞いたがあまり詳しい話までは聞けなかった。とにかくローは『重要人物』らしい。サンタクルスに言いくるめられた感じもしたがこの街より大きな街と聞いて行ってみる価値はあると思ったウラはしぶしぶとOKした。「道案内も必要だから他にも護衛の者をつけます」そう言ってサンタクルスは側近となにやら相談をし始めた。(…やはり戦闘に長けたウルフ族が…)(…しかしこの街も危ないですよ…)そのとき初めて知った
    182 さん作 [546]
  • ハイブリッドワールド 第9話 《フリッツ編》

    「君の名前は?」フリッツは突拍子もない質問だと思いつつもこの嫌な雰囲気に耐えられなかった。「メアリー・ベルです。あなたは?」少女はフリッツの突然の問いにも笑顔で応えてくれた。「良い名前だ。俺はフリッツ・ハールマン。」自分から振っておいて次の言葉が見つからない。「良い名前ですね」と言ってまた少女は街案内を続けた。30分くらい歩いただろうか。一通り街を案内したベルは久しぶりに質問してきた。どうやらフ
    182 さん作 [524]
  • ハイブリッドワールド 第8話 《フリッツ編》

    フリッツの母親の家系は代々熱心なキリスト教信者、そういうこともあり子供のころからよく神や天使の話を聞かされていた。目の前にいるのはまさしく天使のイメージにぴったりの少女、一瞬フリッツは自分は死んだのではないかと思った。見たこともない世界に翼の生えた天使…、ここは天国なのか?そう思ったからだ。フリッツは躊躇することなく、というより無意識に銃を下ろしていた。「…この街の人じゃないですよね?」少女の優
    182 さん作 [544]
  • Mind Adventure 22

    「わ…ご、ごめんなさいっ…」先程一目置いたばかりにも関わらず、フラフラと3歩もけば通行人にぶつかっている。見兼ねたフィレーネに手を引かれ、相変わらずよたよたと歩く妖需と、戦いがどうも結び付かくて。もしも、もしも俺達が、もって平和な世界に生まれていたなら。ふと、そんな事を考えてしまった。ジンも妖需も、底抜けに明るい振る舞いをしつつも、常に気を張り、本当弱みを見せる事はない。絶対に。「………」だから
    籬 規那 さん作 [396]
  • あの時、その時

    「はぁ…はぁ…はぁ」走っている、隠れ場所を探して走っている。自分が子供のころ、学校でかくれんぼをする時、いつも使っていた階段下の物置に身を隠す「見つかりませんように…見つかりませんように…」ザッ!ザッ!重装備の兵士の足音兵士「ちっ!隠れやがって!今は隠れていても絶対に見つけだしてやるからな!」兵士があらんばかりの大声で言う。ザッ!ザッ…ザッ…兵士の足音が遠ざかりホッとした、タクミは泣きながら口を
    憂鬱 さん作 [433]
 
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