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公募投稿作品の携帯小説に含まれる記事が496件見つかりました。

 
  • 子どもは家を選べない〜その14〜

    ただ、結衣子は、幼い頃から表彰をよく受けた。 親に恵まれない数に反比例して、何気ない遊びの中で描いた絵や、奏でた音を認めてくれる大人に多く出会えて、テレビがまだ一般家庭に普及しない頃からテレビ出演の機会を得た。 それを自慢して歩くのは、千鶴子には嬉しいことであり、実際、逢う人毎に、結衣子のテレビ出演は、千鶴子に声掛けがあった。
    真理康子 さん作 [561]
  • 子どもは家を選べない〜その14〜

    はじめは、物珍しさで気分を高揚させて子育てに臨んだ千鶴子だが、実際の家事や大変な部分は、千鶴子の父親を筆頭に、二人の妹や、たまに立ち寄る母親が担った。 結衣子が通常の子どもより優れていると周囲が言えば、その功績は、すべて、母親である自分のものだと千鶴子は誇った。 自分の連れ合いが、親兄弟の面倒をみているのも、自分のお蔭なんだと思うと、何から何まで誇らしかった。 そのうち、結衣子が皆に可愛がられ
    真理康子 さん作 [605]
  • 子どもは家を選べない〜その14〜

    千鶴子は、田舎での生活の中、周囲が自分の都会育ちをめずらしがっているのを感じると、また、異性に浅ましい感情を抱き、既に婚約者のいた結衣子の父親と上手く結婚に漕ぎ着けた。この、好青年が、裕福ではないが、没落した一族の面倒を見てくれることに気をよくした千鶴子の母親は、千鶴子の素行がバレないように、将来的なスキルをつけさせるという口実で、借金までして、千鶴子を又々都会の女学校に通わせた。もちろん、下
    真理康子 さん作 [596]
  • サンタさん、ありがとう! (2)

    「まだ来ないわね」 ママはWiiFitでヨガをしている。「眠くない?」「まだ大丈夫!」「眠くなったら寝ていいんだぞ。サンタさんにはパパがお礼言っておくから」 パパはコーヒーを飲みながら、難しそうな本を読んでいる。 僕は台所、そしてトイレとお風呂場を覗いてから部屋に戻った。 これで三回目だ。まだ来る気配はないみたい。 今までいちばん夜更かししたのは、去年の大晦日だった。 それでも除夜の鐘は聞けなか
    阿部和義 さん作 [732]
  • サンタさん、ありがとう! (1)

     パパもママもおかしいよ。 おばあちゃんにおこずかいをもらったときも、孝太郎おじさんにゲームを買ってもらったときも、ちゃんとお礼を言いなさいって言ってたくせに、サンタさんには言わなくていいなんてさ。 今年は絶対にサンタさんにお礼を言うんだ。直接、どうもありがとうって言うことに決めたんだ。 パパは次の日会社だから、そんなに遅くまで起きていられないみたいだけれど、最初は夜更かしは駄目って言っていたマ
    阿部和義 さん作 [709]
  • 子どもは家を選べない〜その14〜

    千鶴子は、一度目の結婚までは、上の二人の姉のように、贅沢な暮らしをして、大変な資産家に嫁いで、その夢見がちな性格のまま、成人となった。 ところが、嫁ぎ先は、資産家であると同時に、ビジネスには、果敢に取り組む性質上、当時の風潮に習って、顔も見ないで、旧家から嫁をもらったが、三日も経たない内に、千鶴子では、大事な跡取りの嫁はつとまらないと見抜いた。千鶴子の父親に、その旨を伝え、着飾らせて山のような
    真理康子 さん作 [623]
  • 子どもは家を選べない〜その14〜

    いかに、精神の強い者でも、執拗な嫌がらせが日常茶飯事で、それも、家の中で繰り返されれば、たまったものではない。 結衣子の父親は、千鶴子と結婚して、若くして胃潰瘍になり、その後も、心労が度重なって、胃を何度も摘出した。 千鶴子は、性的な喜びと、経済的な安定しか求めない女だったので、年の離れた夫には飽きたらず浮気を繰り返し、経済力がないので、離婚などしようとはしなかった。 子どもは、そんな千鶴子を
    真理康子 さん作 [702]
  • 子どもは家を選べない〜その13〜

    結衣子は、自分の容姿のいたらなさを自覚して、教養を身につけることで自らを補おうと努力した、ロシアのエカテリーナ二世にちなんで、よく読書をした。中でも、哲学書やガンジーの思想などを読むようにしていた。ガンジーの無抵抗主義には、若い頃、ずいぶん共鳴した。いかなる被害にあおうとも、自らは凛として立ち向かえるようでありたいと思った。良いと思うことには、片っ端からチャレンジした。許されざる行為をしてくる
    真理康子 さん作 [805]
  • 子どもは家を選べない〜その12〜

    恐怖は、翔の脆さだった。 感情の起伏の少ない、誰かの強烈な味方をするでもない気性は、母親に対して猛り狂うような祖母や叔母を拒否するものではなかった。 自分に対して、身の世話を焼かれることは、さして構わず、都合良く家の者と接していた。 国立の大学を出してもらい、豊かな学生生活を終えたが、就職もせずに、家で出来る仕事をしようとしていた。 生活のリズムは崩れ、しまりのない生活ぶりは、内外に忙しい結衣
    真理康子 さん作 [801]
  • 汝、右の頬打たらば

    幼稚園に入るまで、自分は、普通の子どもだと思っていた。 ただ、祖父母や叔母も多くいて、にぎやかな家庭であるとは感じていた。 後からわかったことだが、戦時中に騙されて一切の財産をなくした母型の親族を、父が引き取り、同居していたまでで、裕福な多世帯住宅というわけではなかった。 叔母たちは、私の家から嫁に行き、さながら、年の離れた姉が数名いるような環境だった。 家事は、叔母や祖父が率先して担ってくれ
    真理康子 さん作 [702]
 
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