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公募投稿作品の携帯小説に含まれる記事が496件見つかりました。
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水溜まりに手をふる男(第12章完)
水晶は、一瞬フッと光を弱めて、ズバンと弾けるように光を放ち出しました。体を光がつきぬけて、辺りが真っ白になり、何も見えなくなった次の瞬間、今度は目の前が真っ暗になりました。薄目を開けると、、暗い暗い路地の上…。空には月が…そして、足もとには、丁度人がスッポリ入るくらいの…水溜まりが一つ。。チロチロ月明かりを反射させています。(……あの婆ちゃんに、ありがとうを言い忘れてた。。)僕はまわりに婆ちゃん
ポロンチョ牡丹 さん作 [461] -
水溜まりに手をふる男(第11章)
「あたしゃ…忙しいんだ…。もう消えるよ……。」そう言ってどんどん小さくなっていきます。「待って下さいよ??!僕はどうすればいいんですか!!」「知らないよ…。自分でお帰りな…。七つ目の方角へ進めば帰れるよ。。そこで大地の涙を拾うんだ…。後は簡単さね…、あんたなら、もう大丈夫だ…。………。」そう言い残して、婆ちゃんはプツリと消えてしまったのです。僕は来た道を引き返そうとしましたが…、どこをどう歩いて
ポロンチョ牡丹 さん作 [425] -
水溜まりに手をふる男(第10章)
面白くて嬉しくて…。僕は過去の自分を見上げて、手をふりました。でも、過去の僕は、手をふりかえしてはくれなかったんです。。だとしても、これはすごい事です!過去の自分に手をふるなんて?!なんて素敵な事なのでしょうか。過去の自分からすれば、未来の自分から手をふられてるわけだから…、それもそれで素敵ですよね。未来への不安なんて背負っていても仕方ありません。今現在の自分が、過去の自分自身へ手をふってやれば
ポロンチョ牡丹 さん作 [422] -
水溜まりに手をふる男(第9章)
今僕自身が考えきれる過去…、それ以上の全ての記憶が、曲のように流され続けました。。まさに全てが、そこにはあったんです。生まれてくる前から今にいたるまで…、僕の全ての記憶が流されて。もっていたはずの悩みが溶けるようになくなりました。いや、今まで思い悩んでいた僕の世界、悩んで思い出しきれる過去なんて、とても小さくて…なんだそんなものかと言ってしまえば終わりなのですが。そんなのも全てひっくるめて、僕の
ポロンチョ牡丹 さん作 [419] -
水溜まりに手をふる男(第8章)
どの自分もテクテクテクテク歩いているのですが…。隣に婆ちゃんの姿は見当たりません。不可思議な事態に頭が混乱していると、下にいる僕が、ここにいる僕に気づいた様子で。僕に向かって、僕が僕に手をふってきました。でも…、僕は、ふりかえすことができなかったんです。。婆ちゃんはニヤニヤしながら、またゆっくりゆっくりと、歩き出しました。ユラユラする綺麗な景色の中を、ふわふわ歩いて、現実なのか夢なのか…時間さえ
ポロンチョ牡丹 さん作 [426] -
水溜まりに手をふる男(第7章)
僕は聞くのを諦め、何もわからないまま歩き続けます。すると、婆ちゃんはまたもや横から顔を覗き込み。僕の眉間にシワのよった困った表情を見て、してやったりとニヤリと笑みをこぼすのです。ハッとその薄ら笑みの理由に気づき、(してやられたぁ〜…。。)と思い出したんです。知りたきゃついといで、そして何も言わずにただ歩いていく婆ちゃんに、僕はただついてきてしまっただけ…???誰もどこへ、何をしに行くとも言っては
ポロンチョ牡丹 さん作 [425] -
水溜まりに手をふる男(第6章)
婆ちゃんは無言のままです…。(一体どこを歩いているんだろう?。)だんだん不安に思い始めると、ずっと無言だったはずの婆ちゃんが、重い腰でも上げたように口を開きました。「肩に、つかまんな…」婆ちゃんの肩に手を触れると、なんと面白いことに、今の今までただの白っぽい霧に見えていたものが、急に明るく、色とりどりに光を放ち始めたのです。体も不思議とかる〜くなります。階段を上り下りする時に、もう一段あると思っ
ポロンチョ牡丹 さん作 [411] -
水溜まりに手をふる男(第5章)
「ちょっ??ちょっと待って下さい。どうしてもわかりません。…何なんですか、涙の溜め池って…。。」「知りたいかい?…。知りたきゃ、……ついといで。。」そう言って婆ちゃんは、背中を向けてゆっくりゆっくり、歩き始めたんです。(ついて行ったはいいけど…、帰ってこれるのか?)婆ちゃんは振り返ることなく歩いてゆきます。ただ知りたい、という気持ちが体を動かしたのだと思います。僕は婆ちゃんの後を追いかけたんです
ポロンチョ牡丹 さん作 [433] -
水溜まりに手をふる男(第4章)
婆ちゃんの脚にしがみついたまま、我にかえり。そして、何とも言えない安堵の余韻に浸っていたんです…。「もう大丈夫…。」(へ?)と僕は月を背にした婆ちゃんの姿を見上げます。「もう…、大丈夫だ。ほら、…見てみな、。覗いてごらん…。。」一瞬困惑しましたが、言われたとおり、僕は水溜まりににじりよるなり、中を覗いたんです…。立っていた時には、水面の反射できづきませんでしたが…、、この水溜まり……(めちゃくち
ポロンチョ牡丹 さん作 [411] -
水溜まりに手をふる男(第3章)
僕は今の自分の状況を笑いたくなりました。(煙草を買いに外を歩いていただけなのに。。変わった婆ちゃんのオシッコを覗こうか迷っている。。?一体何やってんだ…。)月はそんな僕をしりめに、煌々と地上を照らしています。僕が迷っている間に、婆ちゃんは水溜まりを指差して、何かブツブツ唱え始めました…。(え??な、何語?!)何とかツッコミたい気持ちを抑えていると、ブツブツ言い終えた婆ちゃんは、また意味深げに薄ら
ポロンチョ牡丹 さん作 [449]