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公募投稿作品の携帯小説に含まれる記事が496件見つかりました。
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タイムマシン
おれはタイムマシンを造った。そして三年前のあの日、中学に入学した日に戻ってきた。 所々ひびの入った鉄筋の校舎をうれしそうに見つめる新入生がたくさんいる。入学式もクラス割りの発表も終わり下校となった今、綺麗でむだな皺のない制服を着た新入生たちの緊張した面もちは少し緩んだ。おれはその中から大きた制服に着られた中学生のおれを見つけ出した。ネクタイがうまく結べていなくて格好悪い。次々と昇降口から人が出
とも さん作 [1,048] -
そこに。
「ああ。この道兄貴と歩いたなぁ。」―兄貴。3つ年上。父のいない私にとって兄であると同時に、父でいてくれた大きな存在。でも死んだ。10日前。あっけない、交通事故だった。1週間何も出来なかった。腑抜けのような生活で、4キロ痩せた。でも。断ち切らなくては。兄貴もそんな私を喜ばないだろう。時折兄貴の夢を見る。何度か兄貴の姿を見た。断ち切らなくては。惑わされてはいけない。家の鍵を開ける。誰だろう、知らない
マチコ さん作 [927] -
トナカイは空を飛ぶ
「初恋の人をなぁ、探してきてはくれんかぃ?」夜の公園で遭遇した酔っ払いのじいさんはそう言った。独り身の私は寂しさもあって立ち止まってしまった。しかもこのじいさん、真っ赤なセーターを着ていて目立つのだ。「探してって…今からですか!?」「あったりめぇよォ。ここにホレ、写真もあるってのよ。」じいさんはゴソゴソとポケットを探り、くしゃくしゃの紙切れを取り出した。暗くてよく見えないが、かろうじて写真だとは
ユメ さん作 [840] -
魔人
魔人昔、ある男が古い壺を自分の叔父の家の倉庫から見つけて、インテリアとして飾っていた。ところがある日、男がその壺を拭いているとき、誤って壺を落として割ってしまったのだ。すると、その割れた壺の破片がみるみるうちに人の形を作り、あっという間に自分の背丈ぐらいある人間になってしまった。「おお、これはまさか噂に聞く魔人か? 隣の国ではランプを擦ると魔人が出てきたようだが、まさか壺を割ったら魔人が出てくる
モリタク さん作 [858] -
ストーカー
アパートの窓から顔を出すといつも目の合う隣のアパートの男が、ストーカーになった。何気なく外に目をやると、隣のアパートで目が光っているのだ。夜中のコンビニでも、出勤途中の道でも、所かまわず男は現れた。大した面識もないのに、合う度ほほえんで会釈を交わす。男が気持ち悪くて仕方ない。 今日も後ろを歩いている。私はたえきれなくなり、思い切って振り返った。やはり隣のアパートの男。至ってふつうっぽいけれど、
とも さん作 [7,895] -
恋愛ごっこ
僕はホームで電車が来るのを待っている。 いつもの電車だ。7時55分。5分前。彼女がやってきた。 ホームから駐輪場が見える。彼女は自転車をとめ、かごからバックを取り出し、構内に走る。 彼女は僕が中学生だったときの同級生だ。 僕は電車が来る方向を見る振りをして、彼女が来るのを待つ。 彼女は電車がホームに入ってくる1分前にいつもの場所に立つ。 電車が来た。 僕は早めに来ているので、彼女より必ず先に乗
管理人 さん作 [18,532]