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ファンタジーの携帯小説に含まれる記事が7260件見つかりました。
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子供のセカイ。156
子供は嘘をついているようには見えなかった。今やその唇には笑みの欠片も見えず、床へと落ちた視線は、大人びた憂いを帯びている。ミルバと名乗る子供の静かな瞳を見つめながら、美香はただ困惑するしかなかった。仮にこの子供が本当に前支配者だとしても、その発言は謎に満ちている。処刑された本物の支配者とは、一体どういうことなのか。処刑される、イコール死ぬということのはずなのに、なぜ子供は生きてここに立っているの
アンヌ さん作 [417] -
最下層の唄
もう何年待つだろう。あまりにも広く、何もなく、ただ白いこの場所は、寒さとはこんなものかと思わせる。いや、何もなくはない。美しい悪魔が一体、吊られている。だが、それはあまりにも美し過ぎて、寒さを強調するだけだった。来訪者も時にはある。英雄を殺した者や、騙した者たち。だが一番面白かったのは、神になった者だった。彼はその美声で人々に希望と愛と嫉妬と絶望を与えた。その知識で賢者たちを従えた。しかしその声
MM さん作 [273] -
海賊と鬼使い 15
「なんだよ!賞金っつったってこれっぽっちじゃねぇかよ」賞金袋を開けながらラウトが叫んだ。「何言ってんだ。それカイルがとった賞金だろ」フウリがすかさず言う。フウリを打ち負かした後結局カイルが十人抜きしたのだ。「ハハッ。ラウト、それ小遣い代わりにやるよ」カイルが手をヒラヒラとふって言った。「マジで!?サンキュー、船長!!」「おいラウト!!前、前!!」「へ?」ドンッ「キャッ!!」「うわっ!!」「ラウト
ホオズキ さん作 [283] -
クリスタルクラッシュ3―?
「お前、クリスタルって知ってるか?」「クリスタル…国が独立する前に使われて多くの人が死んで、それを見かねた魔術師が全て隠した…っていうあの?」「そうだ」ダリルは小さく頷いた。「それをうちの王様が見つけてしまったのよ」「え…ええっ!?」ザックは飛び上がらんばかりに驚いた。「まだ誰にも知られていない事ですけどね」エナンは小さく息を吐いて、頭を掻いた。「ど、どうして分かったんですか?」「…姉のいた村が
いっと さん作 [405] -
パンドラの書〜やがて僕は忘れるでしょうか〜
人は過去を悔いて、未来を危ぶみ、今を案じる。何故、人はそこまで不安や焦燥に駆られるのか?答えは何のことはない。「確証」がないからだ。つまり、人は保証されていないことや未知のことをするとき、本能的に警戒、臆するようにできている。未来はもちろんのこと過去にも証拠や確証が無いことがある。しかし、あの国の従者たちは違った。この物語は今となっては忘れられた一つの王国の話である…。
昴 さん作 [286] -
ユニゾンハーツ 19−1
僕と裕也は椅子から立ち上がった。それにつられるように柚姫とヒビキも弾かれるように立ち上がった。裕也「行くぞ!あれは、琴音の声だ」ヒビキはサブスタンスを解くと僕たちは、食堂を飛びだした。まず裕也と柚姫が外に出て異状がないかを確認した後、僕は表に出た。善孝「誰か近くにいないか!!いたら声を頼りにすぐに来てくれ!!」奈々「どうしたの、善孝くん!?」離れた場所から聞こえてきたのは、南條と奈々の声だった。
ラスティ さん作 [486] -
カードDASS?
二年前 貴様か、名家ザリ家の嫡子にして、聖剣ギュスターブの弟子サルバトーレという輩は。 俺の目の前には美男子が三人並んでいた。三人ともスマートで品がある。彼らが誰なのかもちろん知っていた、エレメンツにいて彼らを知らない奴なんて、おそらくはいないだろうか。 彼らは、三銃士。三人とも名家の生まれにて、学生で星持ちの実力者。リーダーにてカリスマの持ち主アトス。女性ような顔立ちだが、冷酷非道冷静沈着な
NEW さん作 [341] -
クリスタルクラッシュ3―?
ザックとリリアが小屋に入ると、既にそこにはエナンとダリル、ミーナが椅子に座って待っていた。「ようザック。第一関門クリアだな」ダリルは悪戯っぽく笑って、剣の鞘を撫でた。「第一関門って…」ザックは顔をひきつらせながら、エナンの隣の椅子に腰掛けた。「それでは早速会議に入りましょう」リリアは椅子に座ると真剣な表情に変わって、四人に呼びかけた。「エナン、トライス城内で何か動きはあったかしら?」「はい。エリ
いっと さん作 [396] -
子供のセカイ。155
耕太が美香を見上げて、「ほら、前に俺が言ってた奴だよ、覚えてるだろ!?」と興奮気味な口調で言ったのを聞き流しながら、美香は耕太と同じように片膝をついて、子供の顔をのぞきこんだ。「あなたは誰なの?」子供は笑みを引っ込め、神妙な顔つきになった。「今私たちがここにいるのは、あなたが何かしたせいなの?」美香はホシゾラの言葉をよく覚えていた。それにジーナの言葉も。『……ありえないわ。“闇の小道”と触れ合え
アンヌ さん作 [445] -
海賊と鬼使い 14
ドゴォォォン!!!!「ウギャァァァァ!!」すさまじい音と悲鳴が上がった。見ると、フウリが倒した男の手が台を破壊していた。(あれぇ…?まだ強かったのかな?)フウリは首をひねったが辺りの空気にハッと気づいた。ワッと歓声が上がり、ヒゲもじゃ男に肩をバンバンと叩かれた。「お、俺もういいですか。賞金いらねぇから」立ち上がろうとしたフウリをラウトがおさえた。「えー!!なんでだよ!!せっかくだから賞金もらって
ホオズキ さん作 [285]