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ファンタジーの携帯小説に含まれる記事が7260件見つかりました。
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子供のセカイ。98
「みんなも知ってるように、私は、舞子を連れ戻すために“子供のセカイ”にやって来たわ。そして舞子はラディスパークという場所にいる。耕太を助け出したからには、もう後はラディスパークに向かうだけ。王子が回復したら、すぐにでも出発するわ。」ジーナはパンの塊をごくんと飲み下すと、気がかりな様子で、美香にスプーンの先を向けた。「だが、ラディスパークはここからとてつもなく遠い場所にあるぞ。何百もの領域を越えな
アンヌ さん作 [330] -
ロストクロニクル8―23
「・・・どうして、私の、術が!」タクトは静かに剣を鞘に収めた。「・・・イエルさ」タクトは傀儡の方を向き、目からわずかな曲線を描いた薄いガラスを取り出した。「はぁはぁ、コンタクトレンズ、だと」「使い方があってて良かった」「こんな、ことが・・・私は認めない!認めないぞ!」傀儡は立ち上がった。「なに!」タクトは身構えた。「はぁはぁ、私は、負けない!」傀儡は自らの周りに無数の鎖を地面から出し、鎖が再び地
五十嵐時 さん作 [365] -
ロストクロニクル8―22
階段を駆け上がりながら、タクトはイエルからもらったケースを開けてみた。中には透明な液体が入っており、その液体の中にはわずかな曲線を描いている薄いガラスのような物が入っている。「なんだこれ?」タクトはイエルの最後の言葉を必死で思いだそうとした。「これで傀儡の能力が・・・」使い方の分からない物を手にしたまま、とうとう階段の最上階に到達した。その最上階の部屋には、今まで見たこともない巨大な何かの装置が
五十嵐時 さん作 [362] -
神のパシリ 34
いつぞや目にした、なまめかしい脚に、肉感的な曲線を描く体………白き者。光の一翼。レミエル。「下郎が…時間を歪めてまで…貴様、目的を言えっ!」レミエルの目の前に、フードを目深に被った、人かどうかも分からぬ者。おそらく、この者が『魂喰い』…で間違いないのだろう。フードの者は、フードの暗がりから見える口をにやりと笑わせた。「…聞かれて、言うと思うか?」「…だろうな。どちらにしろ、刻を歪めるのは禁忌だ。
ディナー さん作 [368] -
この空が絶望に染まる、その前に 18 〜襲われた海賊船〜
「何!?」レンは驚いて立ち上がったがルカもすぐそばの席で本を読んでいたダフも落ち着いて顔をあげた。「レン、大丈夫だよ。これは船内放送。世界で起こった異常な出来事やら事件を知らせてくれるんだ。」レンはほっとしたもののまだ警戒したまま椅子に座った。機械的な女の声が響いた。『カナロア海賊船がリル島に漂着。乗員全員が意識不明の状態。何者かに襲われたと見ているが怪我人、死亡者はなし。島の住人より怪しげな男
きゃしー さん作 [289] -
神のパシリ 33
雨があがる。今日はもう、汚れは洗い流し終わったとでもいうのだろうか。びしゃびしゃと叩かれていた地面が、水溜まりが揺らぎを止める。と。人が、いつの間にか広場から消えている。いるのは、レミーシュただ一人。「…なんだ?」「おかしい…こんなパターンなら今までの件は僕らも気付くはず。…何が始まるんだ…?」キアはそう言いながらも、嬉々として目を見開く。気配や予兆もなく、一人の存在が姿を見せた。レミーシュの近
ディナー さん作 [368] -
子供のセカイ。97
耕太は不機嫌だった。なおかつ、さりげなく美香の後ろに隠れながら、王子とジーナの方をチラチラと伺っている。「お前の仲間ってあんなのばっかなのかよ。マシなのホシゾラさんだけじゃねえか?」「うーん…。王子があんな風なのは珍しいんだけど、ジーナはいつもあんな感じよ。それに今のはあんたが悪いわ。」美香は砂漠でジーナに胸ぐらをつかまれ、宙吊りにされたことなどを思い返しながら、複雑な顔で囁き返した。ジーナはと
アンヌ さん作 [330] -
神のパシリ 31
その日も、汚れた街には雨が降っていた。街の汚れを、人の体温のように生温いシャワーで流そうとしている。血の匂いも。死体の香りも。狂気や謀略、敵意や悪業の数々の臭さを。代わりに、街に漂うのは、生臭い水の匂い。その雨のなか。「お、ウチのはっ水スプレー使ったみたいだね。どう?」「悪くないな。傘の華も情緒がある気がするがな」「でも、あれは面倒だよ。レインコートは動きにくいしダサいしさぁ」雨中に煌めく、鳩血
ディナー さん作 [382] -
ロストクロニクル8―21
「バカ野郎、パール。逃げろ!」パールはウェドの言葉にふと我に返り、体勢を整えた。「敵にすると厄介な奴だな」タクトはパールに向かって駆け出した。パールの前にウェドが立ちはだかった。「次は必ず止める」タクトはウェドに飛びつきながら斬りかかってきた。ウェドはその衝撃をハンマーで受け止めた。「パール!」「わかってる」パールはウェドの後ろから傀儡に向かって矢を放った。矢は一直線に油断していた傀儡の肩を射抜
五十嵐時 さん作 [430] -
子供のセカイ。96
「……ジーナと同じこと言うんだね。二人共気にしすぎだよ。それに、あれは僕の力不足が招いた結果だ。僕は、責めるんなら自分を責めなきゃいけない。」「そんなこと、」「いや、そうなんだ。特にこれからは、僕はみんなに迷惑をかけるわけにはいかないんだ。……美香ちゃんの想像の力は、犠牲となって消えてしまったんだろ?」美香はハッと口をつぐんだ。ホシゾラが、ばつが悪そうに目をそらす。きっと彼女からそのことを聞いた
アンヌ さん作 [339]