トップページ >> ファンタジーの一覧
ファンタジーの携帯小説に含まれる記事が7260件見つかりました。
-
ROSANNA 『消えた少女』
午後2時。無数の薄汚れた男達で賑わう、一件の古びたバー。その薄暗い空間の中で只一人、周囲の者とはかけ離れた冷静さを持つ男がいた。やがてその男はカウンターの前へと立つと、目の前でグラス拭きに集中するマスターに顔を向ける。 「…尋ねたい事がある」突如と男が発した言葉に、マスターは思わず手を止めた。 「何だ?」すると男はジャケットの内側に手を伸ばし、一枚の写真を取り出す。「この少女…。見覚えは?」
ミシェル さん作 [822] -
子供のセカイ。87
どうやら石舞台から降りなかったのは正解だったらしい。舞台の下で待機していたホシゾラが、慌てて美香の後ろに回りながら叫んだのだ。「舞台を降りちゃダメよ、美香!契約違反で、番人が外に出てきてしまうわ!」番人が悔しそうに唸ったのが、ホシゾラの言葉が正しいという証拠だった。ライオンによく似た形をした番人は、背中の翼をばっさばっさと羽ばたかせながら、赤い円の中をうろうろしている。どうやら、そこから出られな
アンヌ さん作 [361] -
ロストクロニクル8―13
僅かに開いた袋の隙間から見えるのは、昼間だというのに濃霧のせいでまるで夜のように真っ暗な空だけだ。「そういえば、今はまだ昼だったな」そんな一人言を呟いていたら「おい、そろそろ門の前に行くぞ。二人の門番が両脇を固めている」引き締まった声色で「わかった」と返事してからまもなく、門の前に来たようだ。「待て、貴様何の用だ」キリッとした兵士の声を聞き、タクトも僅かな緊張を憶えた。「あ〜?ふざけんじゃねぇよ
五十嵐時 さん作 [400] -
バロン 2
「う〜〜〜ん」久しぶりに日を浴びながらのびをした。「はやくしろ」少し前を歩いていた男に注意される。「久しぶりなんだからいいだろ」「ふん」「そういや、あんたの名は?」「あぁ、忘れていた」「で?」「うむ、私はブレイク・ガロン」「ん?!」「どうした?」「いや…」ガロン、どっかで聞いたことあるような。忘れちまったな、まぁ、いいや。「ところで、ちょっと準備したいものがあるんだがいいか?」「あぁ構わないが何
KEITA さん作 [220] -
バロン 2
「う〜〜〜ん」久しぶりに日を浴びながらのびをした。「はやくしろ」少し前を歩いていた男に注意される。「久しぶりなんだからいいだろ」「ふん」「そういや、あんたの名は?」「あぁ、忘れていた」「で?」「うむ、私はブレイク・ガロン」「ん?!」「どうした?」「いや…」ガロン、どっかで聞いたことあるような。忘れちまったな、まぁ、いいや。「ところで、ちょっと準備したいものがあるんだがいいか?」「あぁ構わないが何
KEITA さん作 [226] -
この空が絶望に染まる、その前に 13〜ミリー〜
「…よかった。助かったのね」ミリーは泣きながら頷いた。「ミリーってのはこの子の名か?」ダフがレンに声をかけた。「そうよ。」「君とどういう関係なの?」後から来たルカが尋ねた。「友達みたいなものよ」「…友達」「ちっさい村だもんな。そこらへんに住んでやつなんてみんな知り合いなんだろうな」ダフが用具を片付けながら言った。用具を片付けたダフが立ち上がると細身で背の高い男が彼らに近づいてきた。「みなさん、一
きゃしー さん作 [285] -
神のパシリ 20
余計な物など何もない、死の主の部屋を思わせる空間に、玉座が一つ。そこに、よこしまな黒蟻どもの頭がいる。風貌は、とても柔和で穏やかに見える。ただでさえ細い目は、二人を捉えてますます細まる。綺麗に切り揃えられた銀髪は、まるで貴族か小公子のようだ。細い躯を玉座から起こし、その青年はにこやかに微笑を浮かべた。「待ってたよ、レミーシュ。部下が不躾な事をしたらしいね。ごめんよ。大丈夫、殺しとくから」まるで見
ディナー さん作 [404] -
バロン 1
「はぁ〜、腹へった〜…」言ってみたものの当然返事はない。というのも、この小さな牢に一人だからだ。「んっ?」扉の向こうから近付いてくる足音が聞こえる。「あと、36秒」どうやら、看守だけではなさそうだ。朝食にもまだ早い。「3、2、1」ドンドンドン!扉を叩く音。「ぴったり♪」ドンドンドン!まだ、叩いてる。「お〜い、近所迷惑だぞ」「アヴァロン・ミラーだな」と、扉の向こう側から男の声。「さぁね、ここじゃ3
KEITA さん作 [228] -
今宵ノ月-11-
すると、聖は手をパン!っと叩いた。「そうだ!こあさ君お腹空いてない?何かつくってくるよ♪」「おっ…俺は、トイレ〜…」聖と蓮は、こあさを残し、部屋をあとにした。「あ〜〜っ!緊張した〜!!」「はは♪そう?」聖は笑いながら言った。「聖さん妖怪とか…何でそんなに詳しいんですか?」聖は動きを止めた。すると、目が一瞬、赤い禍々しい色に変わった。「さぁ〜♪何でだろうねー…」
朝霧結愛 さん作 [329] -
セイバー プロローグ
「レファ。」風が無造作に吹き付ける荒れた地で、一人の男が呟いた。その眼前には、木を十字架にしただけの簡素な墓が一つぽつりとあった。「お前の死と引き換えに得たものは、新たなる争いの火だねだったようだ。」男はゆっくりと立ち上がると、強く拳を握りしめた。「仇は必ず。」
放浪者 さん作 [424]