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ファンタジーの携帯小説に含まれる記事が7260件見つかりました。
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一角聖獣4
孤児院を出ると、そこには荷馬車が停まっていた。立派な馬ではなかったが、手入れのされた良い馬だった。後ろの荷台には、空っぽの木箱が積み上げられていた。 何の仕事をしているのか聞きたかったが、孤児院での噂を思い出し、聞きたくなくなった。 僕はこれから殺されてしまうんだ。何しているかなんて関係無い話だ。「名前は?」 不意にバフが尋ねてきたので、僕は震える声で答えた。「…ヨークだよ。ただのヨークだ」「
トリップ.Bank さん作 [410] -
青い瞳の転校生 第27話
初恋 12 隆は、“ぎこちなく”スージーの左の頬に、唇を軽く触れた。 するとスージーは、目を開けて“ここに”と、自分の唇を指差し、又目を閉じた。 「ええっ?」 もう隆の頭の中は、真っ白だった。 そして、言われるままに隆は、唇を重ねた。 初めての、口付けだった。 隆にとっては、このまま、時間が止まって欲しいと思うほどの、夢の様な出来事だった。 それは、スージーにとっても同じだった。 家族との口付け
内田俊章 さん作 [328] -
子供のセカイ。61
それからしばらく打ち合いを続けている内に、遥か背後に感じていた相当数の人間の気配は、ジーナを包み込むように広がった。しかし未だにあちらからは仕掛けてこない。自分が疲弊するのを待っているのだ、と気づいたジーナは、こちらから行動を起こすことにした。ためらいはなかった。バックステップで若い男の攻撃からひょいひょいと身をかわす。不意に足元の小石につまずいたように見せかけて体のバランスを崩してみせると、男
アンヌ さん作 [352] -
もしも明日が1-2
ドアの向こうが騒がしい。時期外れの転校生に興奮しているのだろう。名前が呼ばれ、中に入る。すぐにシンと静まり返り火葉に視線が注がれた。その中に少し奇妙な視線を感じてそれを探ってみる。周りとは明らかに違う、怒っているような、憎しみを帯びたような視線。しかしその主の特定には至らず自己紹介をするよう担任に促される。「…手塚火葉です。宜しくお願いします。」使い古した営業スマイルを顔に貼りつけ決まり文句を言
花神ミライ さん作 [278] -
青い瞳の転校生 第26話
初恋 11 「ワタシもだよ!タカシ!」 隆の心臓は、破裂しそうな位、高鳴っていた。 スージーは、隆の方を向き、隆の両肩に手を添えると、隆の頬にキスをした。 「……。スージー……!」 隆の心臓は、もう限界を越えていた。 そしてスージーは、隆の手を取ると、自分の胸にあてがった。 隆は思わず、手を引こうとしたが、柔らかい膨らみの感触が、手のひらに伝わって来た。 「ワタシの“ドキドキ”伝わった?」 隆は
内田俊章 さん作 [355] -
DRAGON LOVER 31
王の心は何者かに支配されている…。一体誰に…。「この話しは閻魔大王も知っている…。助けが必要であれば、大王にも話しをするといい…。とりあえず、魔界に戻るが、こっちで何かあればすぐ魔界に戻ってこい…。」「あぁ…わかった…。」「エリン、もうシヴァ様も長くない…。ペンドラゴンになるには、シヴァ様の魔力を受け継がなければならない。今だからこそ気を強く持つんだぞ。」死神の言葉に、涙を浮かべながら静かに頷く
木村蜜実 さん作 [414] -
DRAGON LOVER 30
「けど…他の人間でも良かったんでしょ?なんでそこまでして…。」エリンは泣きながら死神に訴える。そりゃそうだ。別に父親じゃなくてもいいはず…。「ただ…奈々の父は、『モイライの住む世界を平和にしたい…。僕は愛する人の為に命を捧げたい。モイライが悲しむのは見たくない…。』って言ったんだよ。」愛する人の為に…。魔界人よりも、人間の方が強い心を持っている。僕等は力や妖力はあるけど、心は弱いかもしれない…。
木村蜜実 さん作 [383] -
DRAGON LOVER 29
僕等は死神から、重要な事を聞かされる…。「運命の女神は、この魔界では、いなければならない存在なんだ。いなくなれば、前のように、龍族が滅びたり、混乱が絶えなくなる。今もそうだ。王の命令で、モイライを人間にしなければならない時、シヴァ様は悩んだ。悩まれている時に、モイライから、言われたんだ…。」缶コーヒーを口に流し込み、渇いた喉を潤す。僕もエリンも正座して、真剣に聞く。「モイライは、私がいてもいなく
木村蜜実 さん作 [391] -
DRAGON LOVER 28
奈々ちゃんの体から、オーラが漂う。それは不思議と優しい気分になる。それを感じたエリンは僕のそばへと戻って来る。「あれ…奈々ちゃんなの?」「あぁ。」喉元を締め上げていた手をゆっくりと下ろし、ライアンは奈々ちゃんを見つめる。瞳の色を変え、白い羽根を広げ、宙に浮かぶ。その姿は、女神とゆうより天使のようなかわいらしさだった…。「やはり、中途半端じゃったか…。」ばあさんは奈々ちゃんに近づき、頬をなでる。「
木村蜜実 さん作 [375] -
一角聖獣3
鋭く冷たい蛇の眼がじっと蛙達を見つめていた。 その時、僕と蛇は目が合った。 あぁ…なんで何だろう。イエス様、僕を助けて下さい。「あいつを貰おう」 時が止まった。 バフの声だけが孤児院に響いた。 みんなの息を飲む音する。視線が僕に集まる。 誰もが静まる空気を破ったのは、教区吏だった。「さぁ、ヨーク。引き取り先が決まった。よかったな」 教区吏の言葉が信じられなかった。悪魔に見入られた気分だった。
トリップ.Bank さん作 [395]