トップページ >> ファンタジーの一覧
ファンタジーの携帯小説に含まれる記事が7260件見つかりました。
-
ソードメーカー13―?
「なんでしょうか?」「実はそなたが帰って来る前に、エリグラム砦に向かっていたライル殿を攻撃した人物がいるらしい」「え!?」ラトは目を見開いて、驚いた。「どうやらロイ君が話していたベイスを直接破壊した『フードを被った人物』らしい。しかも、その人物は我が国独自の騎士の甲冑を身につけていたというのだ」「…そんな…」ラトは信じられないといった表情で、唇を噛んだ。「そのフードの人物がロザラムだという事は、
いっと さん作 [463] -
ソードメーカー13―?
「おお、ラト殿、忙しい中申し訳無い。実はロザラムの容疑が固まりつつあるのじゃ」「本当ですか?」ラトは怪訝そうな表情で、リグラを見た。「うむ。実はまだそなたに話していなかったが、今日の昼頃にロイ君の父親とベイスに住むその従姉妹家族が城まで来たのじゃよ」「何ですって!?…という事は、生存者ゼロという報告は…」「偽りだった…という事じゃな」「…おのれ…!」ラトは怒りの表情で、拳を震わせた。「結果として
いっと さん作 [549] -
桃‐MOMO‐ 2
ムシは、森を進み、一軒の小屋を発見した。 「なんだ?…」中には、小さな机と、椅子と大きな本棚に、ぎっしりと書物が並んでいた。 ゆっくりと小屋に足を踏み入れ、部屋を見回したが、これといって変わった所は無い。 「なにか用かね?…」「!?」こんな事は初めてだった。気配すら感じなかった。まるで、空気のようだ。長い、緑色の髪をした、赤い目の男が立っていた。 「貴様は!?」「鬼か。森の入口で死んでる奴らの仲
ルール さん作 [625] -
桃‐MOMO‐
昔、ある山間の村に、桃太郎という青年がいた。 桃太郎は、三人の屈強な家来と共に鬼の巣窟「鬼ケ島」に乗り込み、約三千の鬼をほぼ全滅させ、鬼ケ島を壊滅させた。以後、桃太郎は鬼ケ島を「桃ケ島」と改め、自らの拠点とした。 それから40年 人里離れたとある山奥の洞窟…「時は来たり。今こそ我等が鬼ケ島を奪還せん!」40年前に辛うじて生き残った鬼と、その子孫達が、桃太郎一味の抹殺と、鬼ケ島の奪還の為立ち上がっ
楢山 さん作 [752] -
時と空の唄7-1
ニコラに緊急避難してから一晩が経った。相変わらずラウフはぎゃあぎゃあ騒いでいるがそれに比べシーラの方はどんどん塞ぎ込んでいっている気がする。常に俯き何かを必死に考えているようだ。「なあ、シーラ。サントラーセットでカロウドと一体どんな話をしたんだ?昨日からお前、ヘンだ。」ランスォールが声をかけるとシーラは顔を上げた。と思ったらまた俯いてしまった。「…………あのね」俯いたまま小さく言った。「わ、私…
花神 ミライ さん作 [346] -
ロストクロニクル2―8
「あっ、あのおじいさんよ」「おーい、じいさん何してんだー」パールが老人に近づこうとした時だった。「行っちゃ駄目だ!」タクトが叫んだ。「村長、大変です。また、あのローブの人物が現れたようです」クォールマークの門番が慌てた様子で家の中に入ってきた。 「なんだと!何故だ」「大広間の前で男性が、そして、別の場所で女性が切りつけられました」「村でも多くの犠牲者が出たというのにまだ攻撃
五十嵐時 さん作 [507] -
Killing Night Freaks/Chap.2-8
倒れ伏して動かない男性に、もう一度手を合わせる。黙祷。……僕にだって、死者を悼む心は有る。人が死んで嬉しいなんて事は有り得ない。それがどんな非日常に置かれていたとしても……それだけは、履き違えちゃいけないんだ。「……お墓は、家族に建ててもらってください。では。お騒がせしました」告げて、踵を返す。浮かれていた頭に水を差された気分だ。あの人に感謝しよう。……冷静さを、取り戻せた。ここには、人の死があ
夢の字 さん作 [361] -
Killing Night Freaks/Chap.2-7
「だったら、この山に入られるのが嫌だったのかな」もしくは、見つけられたらマズイ何かが有る、と。なんだか、きな臭い話になって来た。海潮辺りだと溜息を吐くことだろうけど、僕は。「うん……楽しくなって来た」此処には何かが有って、誰かがそれに触れさせまいとして居る。それは他人の命なんてどうでもいい程のもの。なんとも、好奇心を刺激されるものである。頬が歪む。自然と、笑みの形に。鉈を握る手に力が篭り、把が軋
夢の字 さん作 [362] -
Killing Night Freaks/Chap.2-6
走る。道無き道を、草茂る山中の獣道を、僕は全力で走っていた。手には鉈が握られているが、振るって走る余裕は無い。ふ、と鋭く息を吐き、震脚。柔らかい土を踏む感触がまず返る。……足場が悪い。沈み込む。……けれど。続いた反動で跳ね上げるように宙に身を置き、宙返りをするような捻る動作で背後を見た。後方、草を掻き分けこちらに近付く影が三つ。海潮はいない。先程別れたばかりだ。……無事ならいいけど。心配する余裕
夢の字 さん作 [347] -
ソードメーカー13―?
ミリスはリリーの顔を覗き込みながら、尋ねた。「私…は、どこかで働きながら一人で暮らしていこうかなと思います」「…そう。…家にはもう帰らないのね?」「はい。元々、あの家に私の居場所なんてありませんから」リリーは少し寂しそうに、それでいてはっきりと、ミリスの質問に答えた。「それに、私が居なくても、あの家には妹がいますから。…私より出来のいい妹が…」「妹?」ロイはリリーがぽつりと呟いたその言葉に、一瞬
いっと さん作 [464]