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ファンタジーの携帯小説に含まれる記事が7260件見つかりました。
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ELMER-序説1-
「あ〜あ」やっちまったなぁ。周りは喜んでいる奴、喜びか悲しみかわからないが泣いている奴、胴上げとか、奇声をあげている奴、様々な音が聞こえる。俺は今20歳。大学を受験したのはこれが初めてだった。高校を卒業して就職が決まっていたが、どういういきさつかは今はいまいち覚えてはいないが、そこの会社の奴に、「仕方無く雇ってやった」と言われた。俺の態度が気に入らなかったのかもしれない。だがこの言葉だけは忘れな
れお さん作 [340] -
竜に捧げる鎮魂歌[1-6]
ベッドからおりた金髪少年は、乱れた髪を手で梳かしながら立ち上がった。にっ、と笑っているその顔は、やはりものすごい美形である。と、彼は唐突に、パンッ!!と1回拍手を打った。乾いた音が狭い部屋に響く。さすがの中年教師のアンナも突然のことに、ぎょっとして金髪少年を見つめた。少年はかまわずに片方の腕をすいっ、と上げ、人差し指をアンナに向ける。その瞬間、彼のその指先から銃のような速さで細長い光の線が発射さ
かまきり さん作 [236] -
人形千喜と依代 第一章☆糸操家(つらあやけ)[1-1]
依代(よりよ)は額の汗を拭いながら手元の地図を見下ろした。「・・・道、合ってる、よね?」誰に言うわけでもなく、ぽつりと洩らす。 耳が痛くなるほど泣き喚く蝉たちに囲まれて、依代は一人立っている。まわりは樹齢何百年の大木ばかりで、その合間を縫うように細い森道は続いていた。太い杉の木の幹に打ち付けてある標識には、『繰り師村(くりしむら)』。どうやら道は間違えてはいないようだ。依代はふぅー、とため息をつ
RIE さん作 [212] -
竜に捧げる鎮魂歌[1-5]
自分はここを追い出されるわけにはいかない。『あの人』が来るまで。(僕が、どうにかしてあげようか?)「・・・・え?」思いもよらなかった少年の言葉に、オーリュはつい声を上げてしまう。だが目の前でいまだに怒鳴っているアンナには幸い、聞こえなかったようだ。(・・・君はここで人を待ってるんだろう?)・・・・!!!!なんで、そのことを・・・(あははっ!!僕はなんだって知ってるよ。だけどその代わり、僕のいうこ
かまきり さん作 [217] -
竜に捧げる鎮魂歌[1-4]
頭の中で再び声が響く。(なに?僕が『ばばぁ』なんて言っちゃ悪いの?)オーリュはさらに目を見開いた。(なに驚いてるのさ、・・・君はオーリュ・ターウォだろう?)自分がオーリュだからどうだというのか。(あぁそうか。『まだ』なんだね。)だから、何がだ。(『選ばれし者』のくせに、やけに覚醒が遅いなぁ)「だから・・・一体なんのっ・・・・・!!!!」「聞いているのですか!!!オーリュ・ターウォ!!!」思ってい
かまきり さん作 [289] -
ソードメーカー9―?
その時、玄関のドアを叩く音が、ライルの耳に入ってきた。「…誰だ、こんな時間に…」ライルはその音で我に返ると、剣を鞘に収めて、怪訝そうな表情で玄関に向かった。「どなたですか?」ライルがドアを開けると、そこには四人の人物が、沈みゆく太陽を背にして、立っていた。「兄さん…」「セイル!お前、生きていたのか!?」太陽を背にしている為、逆光になって顔が見えにくかったものの、ライルは声を聞いただけで、弟のセイ
いっと さん作 [495] -
竜に捧げる鎮魂歌[1-4]
反射的に後ろを振り返ると金髪少年と目が合った。ちなみに彼はまだベッドに座ったままである。まさかな、とオーリュは心の中で笑った。こんな儚げ&超美形な少年が『ばばぁ』なんて言葉を言うはずが・・・。(言っちゃ悪い?)「・・・・・・!!」オーリュは目を見開いた。(何に驚いてるの?・・・君はオーリュだろう?)自分がオーリュだからどうだというのか。(あぁ、そうか・・・『まだ』なんだね。)だから、何がだ。(『
かまきり さん作 [241] -
竜に捧げる鎮魂歌[1-3]
思った通り。毎朝自分を起こしに来る、学院の教師の1人・・・確か名前はアンナだったか・・・がそこにいた。「まったくあなたは毎朝毎朝!!今日は珍しく起きている気配がすると思ったら!!さぁさぁ、さっさとシーツを・・・」アンナのいつもなら止めても止まらない怒鳴り声がピタリとやみ、彼女が息をのんだのが分かった。その視線はベッドの上の美少年にそそがれている。 「オ・・・、オーリュ・ターウォ!!あなた、規則を
かまきり さん作 [236] -
ソードメーカー9―?
ライルは歯を強く噛み締めて、拳で地面を何度も叩いた。「ライルさん…ご自分を責めないで下され…。破壊されたとはいっても、犠牲者がどれだけいたかは聞いておりません。もしかしたら、その方達は生きておられるかもしれません。希望を捨てんで下さい…」町長はライルの肩に手を置いて、励ました。「…」ライルは無言でゆっくりと立ち上がると、うつ向いたまま町長に背を向けて、立ち去って行った。「…ライルさん…」町長はそ
いっと さん作 [526] -
ごめんな…
今日、今まで大事にしていた人が死んだ。それは今日の夜だった。11時ぐらいにその通告は来た 「〇さんのお宅でしょうか。」「はあ…。」 「今すぐT病院に来て下さい。」最初は意味が解らなかった。 病院に着くなり、俺は病室へ向かった。 そこには、泣きじゃくる姉貴と、手を必死に握る親父がいた。「一馬…。」 親父が弱々しい声で俺を呼んだ。そう、母さんが死んだ 急性の肺ガンでこの世を去ったのだ。 「母さん
FANG さん作 [451]