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ファンタジーの携帯小説に含まれる記事が7260件見つかりました。
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想像の看守 ?―?
「違う!俺はダイダイじゃない!!」気づけば裕一は叫んでいた。嫌だ、と思った。初めてキンに対する――想像の看守に対する拒絶が、胸の中に広がった。違う……俺は!こんな異常な存在の仲間なんかじゃない!仲間だと考えることすら、身の毛がよだつほど恐ろしいことだった。しかしキンは、平然と裕一を見下ろしてくる。「……どうかな」「本当だ!だいたい、そんなのおかしいだろ!?俺は普通の人間で、最近まで普通に暮らして
ユウ さん作 [406] -
MissingMoon
燃える木々−−立ち上る炎−−焼かれる家−−そしてもはや人の形をなしていない骸−−僕はそんな情景の中、ただひたすら地面にあるものを描いていく。なぞる指先は自らの血で真っ赤に染まっている。でもそんな事に構ってはいられない。そして僕は大きく息をはきだし、その場に立ち上がった。その足元には幾重にも重なった円や星……地面に象られた魔法陣には所々に鮮血がついていた。そして僕はずっと前から暗唱してきた呪文を掠
咲夜 さん作 [158] -
ソードメーカー3―?
サリアは唇に手を当てて、悪戯っぽい笑みを浮かべた。「な…何てことだ…父親の目を盗んでそんなふしだらな…」「…」激しく勘違いしているセイルに、サリアは一つ大きくため息をつくと、手に持っていたカバンを振り上げて、「勘違いしない!」と言って、セイルの頭に叩きつけた。「ぎゃひっ!」セイルは悲鳴を上げて前につんのめると、すぐに立ち直って、照れながら叩かれた頭を掻いた。「すまん、また暴走してしまったようだな
いっと さん作 [575] -
漆黒の翼 50
その男は余りにも目立つ姿で、富良里の街外れの丘にある展望台にいた。身の丈は二メートル程のがっちりとした体格に、髪型は赤いモヒカン。鼻と耳にピアスをし、強面な顔立ちはパンク風の不良を想像させる。服装は黒いコートを羽織り背中にはコートとは対称的な白い天使の翼。これだけでも充分目立つが、更に目立つものを彼は腕に『寄生』していた。彼の右腕にレンコン状の巨大な鉛色のリボルバーの弾倉が付いており、弾倉の中心
龍角 さん作 [290] -
想像の看守 ?―?
「……俺にだってわかんねぇよ。何でこんなにルリが気になるのか」ぼそりと呟いた裕一に、キンは、ん?と反応した。裕一の顔には、何か思い詰めているかのように、暗く影が落ちている。キンはぽりぽりと頭をかきながら木にもたれかかった。――“あの事”を言うべきだろうか?しかし、まだ早すぎる気もした。言っても、裕一に理解できるかどうか……。「ルリと組んでたパートナーの話、覚えてる?」「?」裕一は顔を上げる。キン
ユウ さん作 [388] -
異能者23
「!!」 「そのとき私達、双子の姉妹は孤児院に入ったの。」 桜はすこし下を向いていた。 「でも私達はすぐに身元引取人が見つかったから幸せよね。」 「そのお姉ちゃんは?」 「今は何をしているかは知らない。」 少し重い沈黙が流れた。 「ねえ、写真とか持ってるなら見せてくれない。」 「いいよ。」 桜はかばんからペンダントを取り出した。 準はそれを受け取り開いた。 そこには小さ
ヒッキー さん作 [409] -
異能者22
「・・・」 「・・・」 (なんでそこは覚えているかなぁ) 準はこの場しのぎの嘘を考えた。 「えーと、お母さんなんだ。お母さんの名前が雪なんだ。」 これはもちろん嘘である。 「そうなんだ。よかった。」 (よかった?) 「どうしてよかったなの?」 「私のお姉ちゃんも雪って名前なの。」 (えっ!) 「お姉ちゃんって?」 「・・・私、両親が小さいときに死んじゃたの。」
ヒッキー さん作 [423] -
漆黒の翼 49
雪原の中をその貨物列車は疾走していた。貨物の部分にはタンクの様なモノが設置されている。運転席には、血まみれの制服を着た人間の運転士が黙って電車を操縦している。床にはおびただしい量の血。普通なら出血死するであろう量の血が流れたのにも関わらず、運転士は無表情で操縦し続けている。この電車の行き先は富良里*山奥の街や村には魔力遮断装置と呼ばれるモノが必ず設置されている。魔力につられてやって来る魔獣から街
龍角 さん作 [162] -
想像の看守 ?―?
裕一はやがて、半開きのまま停止した自動ドアの前に立った。するりと体を滑り込ませると、薄暗い廊下を足早に進む。すぐにホールに出て、素早く辺りを見回す。そしてそこには――誰もいなかった。「…………」あっ、と口を開けて、裕一は固まった。沈黙が冷ややかにホールを包む。誰もいない。誰も……。不意に虚しさに襲われた。まるで、約束を裏切られたかのような……。(……何でこんなにがっかりしてんだよ、俺……)ふらふ
ユウ さん作 [388] -
夢の想い(15)
「(心で聞いてみよって言われてもなぁ…どうやるんだろ?)」「(探サナクテモ僕達ハイツモ傍ニイルヨ)」「(イルヨ)」「(その声は…いつもの夢の声?)」「(ウン。早ク逃ゲテ。)」「(えっ?なんで?戦うんでしょ?お父さんの仇討たないと)」「(ワカッテル。デモ僕達ハマダ戦エナインダ)」「(どうして…?)」「(僕達ハ君ヲ守ルタメニ力ヲ蓄エテイタンダ。ソノ力ガ強スギテコノ前ハ君ヲ狐ノ姿マデ戻シテシマッタ…。
けん さん作 [501]