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ファンタジーの携帯小説に含まれる記事が7260件見つかりました。
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夢負人?
迷惑そうに煙草に火をつけ悠斗を見る夢路。「困るんだよねぇ、営業時間守らず来る客って」「もう一時回ってますよ」壁に掛かっている時計を見ると針は一時半を指していた。頭を抱え何やら独り言を言い出した。「あれ程飲み過ぎないようにしてたのに……二杯でいいだろ、俺」自分に言い聞かせる夢路を哀れに思うも、悠斗にはそれどころではなかった。「依頼しにきたんです」「依頼?あー……明日にしてくれる?飲み過ぎて頭痛いか
朝顔 さん作 [350] -
Raven Curse 《序章―3》
照明の白い光に包まれた室内で、僕はボーッと窓外の景色を眺めていた。幾重にも連なる重厚な雲が、天空を灰色に染め上げている。それは地上に影をもたらし、おおよそ朝に似つかわしくない陰鬱な空気を醸し出している。朝から嫌な天気だな…。窓から目を反らすと、対面に座る父が目に入る。父は新聞に目を通していた。その瞳は虚ろで、どこか沈んでいる。「では次のニュースです。深夜2時頃、○○の民家で妻が夫に刃物で刺され、
シラ さん作 [171] -
色盗人(いろぬすびと)クロオ ?―完結―
色盗人クロオが去っていく、漆黒の闇を振りまきながら。色盗人クロオが去っていく、全ての光と色を奪い取りながら。彼を初めて見た者は、恐怖のあまり気を失いかける。しかし、彼を二度目に見る者は、彼の変化に気づくのだった。彼らは見た。クロオのまとっている暗黒の闇が以前より小さくなっているのを彼の感情の無い真っ黒な目に僅かに恐怖が宿っているのを彼の大鎌のような右腕がもはや以前のように隆々とした力に満ち溢れて
ハル さん作 [141] -
色盗人(いろぬすびと)クロオ ?
それは恐怖に引きつってはいたが、確かに愛くるしい笑顔だった。シラトリは微笑を浮かべたまま、クロオに向かって両手をいっぱいに広げた。まるで久しぶりに帰ってきた恋人を抱き締める様に・・・。驚きの余り一歩後ろに下がったクロオは確かに見た。シラトリの目に光る涙を。彼女は泣いていた。・・・泣きながら笑っていた。目前にせまる死に叫びだしたくなるほど恐怖を感じながら気も狂わんばかりの絶望の縁に立たされながら、
ハル さん作 [124] -
レイル&サイラス『路傍の宝玉』1
…口惜しや…何と口惜しいことでしょう。わらわの大切な王子は、国主にはなれぬとおおせでございますか。わらわが正室でないばかりに…歳は我が王子のほうが上だというのに、正嫡殿が跡目を継がれるとおっしゃいますか。 あのようなおかたは国王にふさわしくございません。我が王子こそ国主になられる器を備えてらっしゃるはずなのに…。 ああ、玉のように愛らしきわらわの王子よ。そなたの幸せのためにわらわは鬼女となり果
堺むてっぽう さん作 [139] -
カーディナル8
長い廊下を走り抜けギリアム達はようやく牢獄の出口に辿り着いた。(カイエン...。生きているだろうか?)ギリアムはカイエンの身を案じていた。「ハンゾウがいないぞ」カーレルが気がついた。「ハンゾウのことだから一人で逃げたのかもしれないわね」クレアがいった。 ハンゾウは不思議な男だった。全身黒づくめの装束で頭巾をかぶり誰も顔を見たことがなかった。なにを考えているのか分からない不気味な存在であった。侵入
ぬし さん作 [135] -
夢負人?
悠斗が住む隣町にそのビルはあった。住所は五階立ての丁度真ん中になっている。階段を上り三階まで行くと、狭い廊下にその表札はあった。夢路探偵事務所。貰った名刺とは多少名前が違うが、夢路なんていう苗字そうあるものじゃない。住所も場所も合ってる事から間違いないと判断し、扉を軽く叩いた。待つ事一分。人が出てくるどころか物音すらしない。休憩で外出しているのだろうか。営業時間を確認するが居てもおかしくはなかっ
朝顔 さん作 [347] -
フタツ星
まだ私が幼い子供だった頃。 私の母は私を抱き締めながら、星を眺めていた。「風ちゃん」私は大好きな母の顔を見上げながら「どうちたの?」返事をしたのをまだ覚えている。 あの時母が言った事が本当になるなんて思ってもなかった。
蒼 さん作 [121] -
カーディナル7
再びベルマリン牢獄へと戻された五人は処刑の日を迎えた。「これより教皇暗殺に加担した異端者五名の処刑を行う」縄で拘束された五名が執行室に移された。モゼフや他の異端諮問委員たちは鉄格子の向こうからこちらを見ていた。グルルル...。執行室の奥から不気味な唸り声が響いた。まるで竜ような姿をした魔獣がこちらに気づきヨダレをポタポタと流していた。いや、それは竜などと言う高貴な生き物ではない。竜のようだが豚の
ぬし さん作 [155] -
流星の歌
その少女は、海を見て1つの事を思った。???:カナリア、少し、休んだら、のんびり、海を見ているより、何か、食べたら?カナリア:ナナお姉さん、私 は、この歌を読んで、欲しいの。ナナ:彼方が書いた歌を ??ナナは、カナリアが、書いた歌を読んだ。願いに思い、静かに、響く、鐘の音。その、意味は、・・・・・ナナ:あれ?続きは?カナリア:まだ、書いてない。しかし、この歌は、やがて、光と闇の旋律を生むことにな
兎 さん作 [281]