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ファンタジーの携帯小説に含まれる記事が7260件見つかりました。
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〜僕と公園〜すりーの前に
ピクナーは公園の木の枝の上に寝そべっていた。 ちょい言い過ぎたかな。 隆太の強張った顔を思い出す。 どうしてあの時あんな辛い事を言ってしまったのだろう。どうして一緒に考えてやらなかったんだろう。隆太は大切な人なのに。あんな顔を見たのは初めてだった。今までたとえ驚いた時でもいつも穏やかな顔しかしなかった。7年間見てきたというのに……。 俺は何にも分かってないじゃないか。 隆太が初めてピクナーを見
ゆきンこ さん作 [385] -
ヤス#127
ヤス#127【恭子と香織】のれんが下ろされ、1日が終わった。ヤスは風呂からあがると自室に戻り、美術雑誌を見ていた。すると、ドアが遠慮がちにノックされた。「開いてますよ。健さんですか?」ドアがそろりと開いた。「き、恭子さん!それに香織さんまで。ヤバイっすよ。女将さんに怒られますよ」「だから、こっそり来たのよ。はい、ビールの差し入れよ」「これって、お店の冷蔵庫からでしょう?」「ピンポーン。バレた?」
チャーリー さん作 [325] -
ヤス#126
ヤス#126「そんな…詫びなんて…いいですよ。申し訳ありませんでしたと言って下さい。謝っていたと…」「ハッハッハ。そんな事を言ったらアイツの血管が切れてしまうぞ。まあ、ヤスなら屁のようなものだろうがな」「じゃあ、お咎めはないのですね」「当たり前だよ。でも、驚いたぞ。香月の板前だったとはな。香月、なかなかの若者を手に入れたな」「ああ。腕も良くてね。ヤス、竹内さんに刺盛を作ってくれ」「はい、大将」香
チャーリー さん作 [340] -
ヤス#125
ヤス#125ヤスは仕込みを終えると板場に入った。店はのれんを出したばかりだ。客はカウンターの中央に一人いるだけだった。一見してカタギでは無さそうな五十代半ばの男性だった。ただ、大将の香月と親しそうに話している。その男性がヤスを見据えた。また、何やら大将と話している。ヤスは会釈だけして包丁を研いだ。「ヤス。ちょっと来い」「はい…大将。…何か?」「お前、先日、泰子さんと中洲に行ったか?」「はい…行き
チャーリー さん作 [365] -
〜僕と公園〜つー
公園がなくなると聞いてから、隆太は頭が痛くなるほど考えた。 市役所から公園を守るにはどうしたらいいんだろう。 人生でこんなに頭を使った事はあるだろうか、と思う程本気で考えた。地道なものでもいい。隆太は面倒臭がりだけれど、この際どんなに面倒でもやりとげてみせる。そう固く決意をする程、公園が好きだった。「あなた、隆太が考え事をしてるみたい」「ほう、珍しいな。好きな女の子でもできたんじゃないか?年頃
ゆきンこ さん作 [404] -
〜僕と公園〜
隆太はいつも公園のブランコに座っていた。この公園は三歳の時から今、中一になるまで毎日欠かさず散歩に来ていた公園だ。 今日も座っていた。いつもと変わらない公園。滑り台があって、砂場があって……ただ、今は台風が近づいていたから、木々が激しくざわめいていた。「風が強くなってきたわ。帰りましょう、キョウくん」 母親が小さな子供の手を引いている。隆太は動く気にもならず、そこに座りっぱなしだった。「え〜、
ゆきンこ さん作 [457] -
ある泥棒
ある泥棒が空き巣に入ったが、何も盗る物がないばかりか、飢えた幼児が泣いていたので、持っていたおにぎりを食わせてやり、千円札を一枚置いていった。 指紋から足がついて、三日後に逮捕された。 しかし、心意気を刑事にホメられ、生まれて初めて人にホメられた感激にうち震え、以後、汗水たらして真面目に働き、余った金の半分は寄付するようになった。 二十年後には大邸宅に住むまでになった。 そこに泥棒が入った。見
金田七耕助 さん作 [559] -
theWORLD〜旅立ち〜
「魔界…って俺を馬鹿にしてるのか?」 太一は、男の子に言い放った。 男の子は、床に手を置きなにかをつぶやいた。すると、床に黒い大きいな穴ができた。しかも、少しずつ大きくなっているようだ。「魔界とは…。」男の子は、なにかを語ろうとしたが、やめたようだ。 「とにかく、貴方は魔界へ行かなければいけないのです。この穴の先が魔界へ繋がっています。まずは、ナル国王に会うと良いでしょう。」 突然のことに
ハイスピードフロッグ さん作 [232] -
〜僕なりに〜
智也は自分なりに頑張っていた。学校でのイジメに堪えて、中学受験のために勉強もきちんとしていた。なのに、なのに…。「あんた、まだ泣いてんの?いい加減にしいや」 辛くて部屋で泣いていたら、母や父に怒鳴られた。自分を分かってくれる人はいないんか、と思った。この状況から救い出してくれる人はおらんねんや、と心を塞いだ。 日々暗くなってゆく智也を両親は咎めた。「あんた暗いで。しっかりしいや、ほんま」 智也
ゆきンこ さん作 [495] -
桃から生まれた桃二郎2
桃二郎はおじいさんの買い物袋に入っていたまんじゅうを腰のカバンに入れた。そして、ゆうゆうと家を出ておじいさんの自転車に乗って、山の方に向かった。桃二郎が口笛吹き吹きペダルをこいでいると、道の脇から犬がでてきた。そこで桃二郎、「これやるから、俺に着いてきな。」と、さっきのまんじゅうを取り出して、犬に与えた。すると、犬はたちまちしっぽを振って、桃二郎のあとに従うようになった。桃二郎が山の中へ入ると
だんぼ さん作 [198]