トップページ >> ファンタジーの一覧
ファンタジーの携帯小説に含まれる記事が7260件見つかりました。
-
ヤス#94
ヤス#94「アイノツブテさ…母さんが流した涙から出てきたんだ。「そう…そうだったの…純粋さんも特別だったのね…」「おばさん、これ、一つ持ってて…御守りだ」「そんな大切なもの…預かれないわ」「いや…僕の心がそう言ってる…いつも身に着けておくんだよ。これがおばさんを守ってくれるからね。このまま、平和な日が続けばいいのだけど…」「わ、分かったわ…肌身はなさず持ってるわ…やっちゃん、私はどうすれば?」「
チャーリー さん作 [297] -
ヤス#93
ヤス#93「泰治は知っているの?」「ううん。あの子には何も話していないわ…でも、その時が来れば泰治もやっちゃんの力になってくれると思うの。ああ見えても度胸は据わっている子よ」「うん…それは分かるよ。でも…」「でも…?でも…何?」「命を落とすかもしれないよ。そんな目にはあわせたく無い」「言ったでしょう?純子さんから全てを聞いた時…思ったの。定めなんだって…私と泰治の定め」ヤスの鼻先に甘く熱い吐息が
チャーリー さん作 [325] -
カラスの天狩り 5 『妖艶な少年』
『あんたが、女だったら良かったのに』彼は不満げに呟いた。はぁ、と疲れたような調子でため息をつく。抑揚のついた澄んだ声色。そして艶があって、冷たさを混じえた大人びた感じがして。僕は、怖さを覚えた。−−それはまさしく、あのカラスの声と酷似していた。−−でもまさか…カラスが人になれるわけない。それに、いつの間にそこに立ってたんだろう…?疑問が疑問を呼び、段々僕は混乱してきた。誰?と、口を開いて尋ねてみ
くろあげは さん作 [574] -
特別??
「あ、ボタンを押し終わったら“閉”を3秒間押しっぱなにしにしてね」と、言い足して壁に寄り掛かった。私は相変らず隅っこで小さくなって立っている。少し慣れたけど、まだ緊張している。エレベーターが上がったのか下がったのか分からないけど、しばらくしてドアが開いた。私が顔を上げると、白一色の大きなホールに人がたくさんいた。ホールには二階に上がる為の広くて大きい階段があった。さらに、一階と二階の壁一面にいく
カビ さん作 [204] -
特別??
一階部分が駐車場になっていて、車がたくさん駐車してある。半分以上がタクシーだ。「さぁ降りて」結城さんが車を降りながら言った。その言葉にしたがって、私も車を降りた。辺りを見渡しながら結城さんはを捜していたら、「こっちこっち」駐車場の一番奥にある非常階段と書かれたドアの前で手を振っていた。一番奥と言っても、すぐ目の前にある。私がドアに近づいたら結城さんが、「階段って書いてあるけど本当はこれ、エレベー
カビ さん作 [189] -
クロスリング
いつからいたんだろう。この女の子は。夕暮れで赤く染まってはいるが、髪は金髪のようだ。日本人ではないんだろうか。「…おれに、なにかよう?」「きてほしいの。一緒に」「どこに?」「…遠いところ」迷子…なんだろうか。カタコトではないから、外国人ではなさそうだ。しかし迷子にしては妙だ。いやに落ち着いている。「迷子?君」「ちがう…。あなたを案内する為にきたの」なにを言ってるんだろう、この子は。どうやら、迷子
ぱーる さん作 [214] -
クロスリング
学校帰り。いつも通る小さな公園がある。人がいるとこなんかロクに見た事がない。この季節、帰宅部のおれが通る時間は夕暮れで赤く染まっている。人がいない事と相まって、より寂しく見える。いつもは気にも止めないが、ふと今日は気になった。どうせ暇だしな…。自分に言い訳して公園に入っていく。公園はただ静かだった。風の音が大きな音に聞こえるほど、静寂に包まれている。公園の中の二つのブランコ。最近誰かが使った事は
ぱーる さん作 [219] -
カラスの天狩り 4 『期待』※流血表現アリ
頭に浮かぶのは、疑問と絶望と恐怖。何かを裏切られたような気がして、僕はカラスと、気を許してしまった自分と、なにもかも全てを憎んだ。同時に、僕は自分が情けなくなった。何を期待していたんだ?優しそうに見えたのは、きっとニセモノなんだ。僕を安心させるための、芝居なんだ。カラスなんだよ…しかも人語を喋る、普通じゃない…そう…−−−死神の遣いなんだ…。こいつは‘死神の遣い,僕の命を盗りに来た…。絶対 そう
くろあげは さん作 [420] -
夕暮れの日に〜争いの国〜その13
「うわぁぁぁあ」悲鳴を上げる、目の前の男。振り向きざま、黒い銃口が光った。ーーーしまった。右腕の肩から、鮮血が溢れだす。これではもう刀は握れない。左手で腰の銃を引き抜くが、激痛と出血で標準が定まらない。でっかの漫画みたく、上手くはいかないみたいだ。「絶対絶命ってやつだなぁおい。」俺に銃を向けながら、男が言い放った。ごめんねラト。僕はここまでみたいだ。諦めきれなかった。でも体が思うように動かない。
グレイブ さん作 [187] -
ヤス#92
ヤス#92泰子がヤスを覗き込んだ。ヤスは目を閉じて何やら口ずさんでいた。「やっちゃん…それ、何の歌?」「知りません。母が良く口ずさんでいたから覚えちゃって」「…ねえ…やっちゃん。純子さんの代わりになれないかしら?」「ありがとう。おばさん、少し考えさせて下さい」「ええ。そうしてね」泰子はヤスの顔を見下ろした。ヤスが両手を上げて泰子の髪に触れると泰子の顔が降りてきた。「ねぇ…やっちゃん」「何?泰子お
チャーリー さん作 [344]