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ファンタジーの携帯小説に含まれる記事が7260件見つかりました。
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ヤス#91
ヤス#91「ちょ、ちょっと待ってね。タ、タバコを吸っても良いかしら…」「うん…どうぞ。良ければ、これを」ヤスはポケットからセブンスターとライターを取り出して泰子に渡した。「やっちゃん。タバコを吸うの?」「うん…普通に吸うよ。ハハ、母さんも吸っていたし」「知らなかったわ…そうね、もう大人だものね。ねぇ…やっちゃん。ちょっとお散歩しない?色々と聞きたいことも有るし」「うん。いいよ。でも、泰治はどうし
チャーリー さん作 [318] -
ヤス#90
ヤス#90「ハハハ。一人で暮らすとこれくらい覚えますよ」「やっちゃん…」純子はヤスの肩を抱いた。いや、正確に言えば、泰子が寄りかかったという感じだ。ヤスの方が遥かに背が高い。十八歳のヤスは一八十センチを超える。「おばさん。やさしいしてくれて、ありがとう…でも、包丁を握っているから危ないよ…」「あ…ごめんなさい…やっちゃん。良く頑張ってきたわね。純子さんも、きっと喜んでいるわよ。頑張って画家を目指
チャーリー さん作 [303] -
ヤス#89
ヤス#89「これっ!泰治。もうっ!やっちゃんも真面目に考えてね」「はい…おばさん」バスで三十分行ったところに高峰という町がある。バス停から十分ほど歩くと川村家についた。夕食時にはまだ時間があった。「私は夕食の準備をするわね」「あ、おばさん。俺、手伝うよ」「ふふっ。ありがとう。でも、良いのよ。泰治とゴロゴロしていなさい」「いいから。手伝わせてよ」「そう?じゃあ、ジャガイモの皮を剥いてもらおうかしら
チャーリー さん作 [402] -
紅い女神〜紅い国?〜
「どうしたの?」あまりに真剣な眼差しを向けられ、ウリューゼアは問い掛けた。「一つだけご忠告を…」神官長は改まった口調で続けた。「その宝剣で傷つけたものはすべてが無に帰すでしょう。それは我らを守ると同時にすべてを消滅させるものでもあるのです。どうか、お忘れになりませんよう……」神官長の言いように、どこか緊張をはらんでいたが、ウリューゼアはいつものように微笑を浮かべた。「何回も聞かされているよ。私自
おねえ さん作 [197] -
カラスの天狩り 3 『どうして』
−−『大丈夫。あげるから、貰うだけ』その言葉の意味が解らず、僕は首を傾げた。カラスが顔を近づけてきて、僕は一瞬、言い知れぬ危機感を感じて反射的に後ろにのけ反った。いくら‘普通じゃない,カラスでも、その容姿は僕が恐れるカラスそのもの。くちばしで突かれるのを思わず想像してしまう。『…だから、怖がらなくていいって…対価交換をするだけ…』−−−対価…交換??僕が怖がっていることを悟したのか、カラスは首を
くろあげは さん作 [419] -
ナイト・オン・ドラグーン【117】話「偽りの神」
それはまだ、何も知らなかった頃の話。白く染まる空模様には小さく、触れると冷たいものが降り注ぐ。深く積もっている白い粉のせいで靴底が歩く度、鈍い音を立てていった。両手を広げ、紅い瞳の少女は辺り一面の白銀の世界に目を輝かせながら、軽やかに舞った。そして。先へ、先へと歩んでゆく父親の背中を目指し駆けてゆく。「…ねぇ、雪だよ。」白い息を吐きながら、追い付いた父の横を並んで歩く。「はしゃぐのは程々にしてお
みるく さん作 [224] -
へぶん?
春香は、溜め息混じりにこう言った。「また逃げられてしもた。神谷君は、拓也に何の用があるんやろ。気になるわ」拓也は、そんな母を心配そうに見ている。「僕は、神谷のお兄ちゃんに二回も助けられてんやんな。そやから、僕はきっと大事な人なんかもしれへんな?」春香は、微笑んで息子を抱きしめた。「そうやで、あんたはうちの大事な人やねんで。神谷君が、何を言うて来たかて、拓也は変わらずうちの大事な人やで」拓也は、う
夢見大 さん作 [387] -
カラスの天狩り 2 『カラス…?』
普通…なら、カラスは言葉を喋らないはずだ。でも限に今、このカラスは喋った。綺麗な澄んだ声で…。しかも奇妙な言葉だ。それが、僕がこのカラスに対して持っていた、恐怖心を和らげた。これはカラスじゃない、と僕は何故か確信した。だからだろうか?僕は問い掛けをしてしまった。自分を殺すのか、と。『へぇえ…、こんな状況なのに、俺の言葉ムシして、疑問を持たないでさぁ、しかも、逆に質問?』ウケるー、と言って、カラス
くろあげは さん作 [530] -
カラスの天狩り 1 『きっかけ』
−−−カラスが、恐ろしかった。−−−漆黒の躯に、大きな翼。鋭い眼光を放ち、硬いくちばしと、肉をも引き裂く爪を持つ 鴉(カラス)。 一羽大空を舞う、孤高の存在かと思えば、時に不気味なほどの、黒い塊の群れと化す。 人間なんか気に留めず、自由にに遊歩するかと思えば、時に牙を向けて、人に襲い掛かる。気まぐれそうな、でも、凶暴性を持った存在。そしてそれは、畏怖の対象だった。酷い云われようだけど、陰気な鳴き
くろあげは さん作 [664] -
ナイト・オン・ドラグーン【116】話「使命」
”…再生の地にて最後の剣突き刺ささらんことを”無機質な告げは終わると同時に水晶の光も消えた。「…これがすべてなのだ、小僧。」「う、うそだろ…?そんなっ世界を救う方法が本当にこんなことなのか!?」「受けいれろ、小僧。下等な人間どもなど放っておけばよいのだ。」明らかに冷酷なレグナの口調にアインは…「レグナ!!」一喝するが、聞くそぶりもみせずに行くぞ。と羽ばたき出す。そして飛び始めたと思った瞬間、既に
みるく さん作 [221]