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ファンタジーの携帯小説に含まれる記事が7260件見つかりました。
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フェニックス 7
しばらく鍔競り合いの膠着状態が続いていたが、力を抜きフッと後ろにゼノスが倒れ、均衡が崩れる。急に手応えが無くなり前のめりにバランスを崩したクロウの腕を掴み自分に引きつけ、右足を腹部に当てながら後ろに投げ飛ばす。ドーン!よく育った大きな木の幹に背中から勢いよくぶつかり、「ガッ!」肺の中の空気を吐き出す。間髪を入れずゼノスが襲いかかる。大剣を持ち上げ防ぐが、続く激しい連撃が反撃を許さない。一瞬の間を
導夢 さん作 [455] -
らららバースディ?羊飼いの少年?
羊飼いの少年「ウウ」ウウはここ所二、三週間羊の乳だけをたよりにライフラインをつないでいた。羊はそこら辺に生えた干し草のようなものを食べて乳を出していた。だがここ数日はその乳も底をついたように出なくなった。ウウは羊を食べようと一度は試みたが、羊もウウと同じ骨と皮だけなので食う気などしなかった。「まずいのぅ、このままでは死んでしまうかもしれんのぅ」ウウは十八、九の見た目によらず老人のような喋り方なの
ぽんぽこ さん作 [316] -
光マツリ14
は…はは!嘘でしょ?そんな事あるわけないじゃん!』ツキはとても信じられなかった。だってそんな伝説の神の力だなんて。でもチィはすっかり信じ込んでいる。シゲの表情も本気だった。そしてもう一度 嘘だぁ… と呟いた。『伝説の力だこそ、ヒロは狙っているんだ。だが、そこでアイツに捕まってしまうと、何に利用されるか…』ツキもチィも想像してみた。ぞっとする。せっかく平和な日々を送っていたのに、メチャメチャに
かぁ さん作 [302] -
MORTAL〜カタストルシス〜幕間
この蒼く澄んだ、死にたくなる様な空に僕はそっと手を伸ばした。伸ばしたその手の先には、限りなく綺麗で、驚く程儚く、声が出ないほど残酷で、反吐が出る程平穏な、ただただ、どうしようもなく和えかなる虚空が広がっていた。『背伸びをすれば、きっと何にでも手は届くさ』そう信じて伸ばした手は何も掴めず、虚空は僕を嘲笑う。それで僕はふと気付く。これはきっと掴めないものなのだと。そう思い、自分を納得させようとする。
コナタ さん作 [487] -
Oracle:15-6:デクロス入国
第6ディメット暦187年14月03日〜均衡を保つ街 サリュトス〜「まったく、あんな事でここまで追ってくるとはな。」「『あんな事』とは何や『あんな事』とは。こっちは本気でついてきてるんやからな。」「で、『あんな事』って何なんだよ。」「よーくぞ聞いてくれました。 ある日、アタシが街を歩いとったらあそこのデカブツがぶつかってきたんや。それで謝罪が一言も無し、さすがのアタシもカッチーンと来たっちゅ
ガレック さん作 [358] -
光マツリ13
着いた先は隣町のイートタウン。この町は食べ物が主な場所だった。『すまないな。いきなりつれてきてしまってよ』シゲの家は、でっかいビルの一番上で、景色がすばらしくよかった。『あのさ…よかったら、どこまでオレの事情知ってるのか教えてくんないかな。』ツキは、“オッサンにすてられた”という事実を受け止めたくはなかった。でも今一番自分がすべきなのは、光マツリについて知る事だと思った。『わかってるよ。何度も言
かぁ さん作 [426] -
フェニックス 6
立ち上げた黒髪の短髪。大柄な体躯とそれに合わせたような大きさの剣を背負い、視線はゼノスに固定される。「ほぉ、微かに黒光りするその剣。世界に数えるほどしかないダマスカス鋼製の物か。傭兵家業をしてる者にとっては興味をそそられるな。どこで手に入れたんだ?」この状況で場違いな質問に「山の中に落ちてたんだよ」あからさまな嘘だ。「ハッハッハ!そうか。そうか。じゃあ、今度山登りでもしてみるか」それをサラリと受
導夢 さん作 [382] -
【ナイト・オン・ドラグーン】封印の紅、背徳の黒。19説
岩山だらけの渓谷地帯。その最深部にアインとレグナが暮らしていた場所があった。「久しいな。この場所も」レグナが降下する。「ぁあ、そうだな。昔と変わらない。」アインがレグナの背からの風景を見渡す。「帰ってきたんだな…」懐かしい光景が眼下に広がっている。幼い頃、レグナの背に乗って幾度となく見た景色。この少し先に水場があり、さらに先に進むと虫食いのように穴だらけの岩山がある。「あの頃…大きくなっ
ミルクボーイ さん作 [460] -
らららバースディ?羊飼いの青年編?
夜のセントラルどことなく似かよった人々の中を避けるように歩く男がいる。その歩みはまるで計算されたかのように美しく、歩いた軌跡には空気の流れが見えるといった感じである。ただし彼の身なりは汚かった。背は高くやせ細っていて、1月の末だというのに彼はボロ雑巾のようなシャツ1枚とスボンというジャンルに分けるには難しい布切れのようなものを腰にまとっていた。そしてあたまにはなぜかターバンを巻いている。ターバン
ぽんぽこ さん作 [454] -
へぶん?
ご飯を食べ終わった拓也と春香は、お店を出て近くにあるスーパーで買い物をした。夜のおかずを買っていた時、拓也が急に春香の手を強く握った。何かなと思って、息子を見ると一心不乱に一点を穴が開くほど凝視している。春香が何を見ているのか気になり、拓也が見ている方を見た。見ていたものは、ベンチに座っている少し体が悪そうな、青年だった。その青年も拓也を見返している。どちらも真剣である。息子に声をかけて、止めさ
夢見大 さん作 [353]