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バスターズ!・第二十九話「憎しみ」
空が夕焼けから闇に変わり、病室が暗くなっても、龍一は電気もつけずに、ただベッドの上で上半身を起こして硬直していた。時計は八時を差している。「・・・許さない・・・」龍一はポツリとつぶやいた。「あいつらを・・・!あの化け物を・・・!絶対に・・・許さない・・!!」悲しみの次に沸き上がったのは、強い『憎しみ』だった。「根絶やしにしてやる!!必ず!!」龍一は叫んだ。顔を歪め、唇を噛み締め、泣きながらふとん
博上 文 さん作 [576] -
バスターズ!・第二十八話「悲しみの慟哭」
母は龍一に何度も質問したが、龍一は何も答えなかった。そして半ばあきらめかけたとき、龍一はやっと口を開いた。「母さん・・・。」カラカラに乾いた口で言っているせいか、その声はどこか淋しく聞こえた。「・・・何?」「今日は帰ってくれないか?」答えるべき事に答えていないのに、龍一は明らかに理不尽なことを言った。「・・・わかったわ。母さん、今日は帰るから・・」理不尽であるにもかかわらず、母は快く承諾した。龍
博上 文 さん作 [580] -
バスターズ!・第二十七話「枯れた涙」
「シケた面してんなぁ。」(アキラ・・・)「誰かが困るってんなら、俺はやるぜ。」(アキラ・・・!)「安易でも、決断したんだ、俺。」「アキラ!!」龍一は叫びながら目を開けた。白い天井が見える。「りゅう!よかった・・・気が付いたのね・・・。」母の声がする。「う・・・」龍一は痛む右腕をかばいながら、上半身を起き上がらせた。「無理しないで・・・怪我してるのよ・・・。」母は龍一を気遣った。辺りを見回す。どう
博上 文 さん作 [587] -
バスターズ!・第二十六話「悲痛な叫び」
咲坂は後ろを振り向いた。両膝を地面につき、右腕を押さえ、うつむいた頭から血を流している龍一がそこにはたたずんでいた。「ハァ・・・ハァ・・・」息が荒い。それを見て、咲坂は言った。「生きていたか・・・なんとか間に合ったか。」「・・・ってねぇ・・・」頭をうつぶせたまま、かすれた声で何かを言っている。「間に合ってねぇ!!」大声で龍一は叫んだ。「アキラが・・・アキラが食われたんだ!!」龍一の目から涙がこぼ
博上 文 さん作 [573] -
隔離された人々?
楓が兵士達を睨み付けてる時、麻里達3人はようやく門の所に着いた。その頃にはもう彩香達3人は死んでいた…。「酷い…」麻里は息を切らしながら呟いた。 麻里達3人は此処に着く前、まだ走っていた頃に彩香達3人が殺される所を見ていた。「……」浩は彩香の死体をジッと見つめている。「なんでこんな酷い事をアイツ等は平気で出来るんだ?……」孝弘はそう言ったきりまったく喋らなくなった。「おや?貴方は楓さんの孫であ
ユリア さん作 [554] -
隔離された人々?
門から見て左の塀の上に人影が3つある……。「またか…」門の方に近い塀の上に座っている1人の老婆が呟いた。「今度は女子供3人じゃな…」老婆の左隣に座っている翁が老婆へ言った。「まだ若いのにねぇ。政義…相変わらずあの門の閉まる音は凄いねぇ」「そうじゃのう…聡子、あの門の音は何度聞いても嫌な音じゃな」聡子と呼ばれた老婆は政義の妻だ。「…不吉の音……」「本当だねぇ。門が閉まるのは誰かが門の外に出たか出よ
ユリア さん作 [546] -
バスターズ!・第二十五話「再会」
「うわああああぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁ!!」龍一は意味もなく奇声を張り上げた。「グルァァァァァァ!!」そしてそれを合図とするかのように龍一に化け物が襲い掛かろうとした、その時だった。「ふせろっ!!」不意に左から声がした。(!?)龍一は咄嗟にしゃがみこんだ。ガァン!ガァン!「グガッ!!」その直後に二発の銃声が鳴り響き、化け物の一匹が弾丸を食らって転げた。キキィ!闇からバイクに乗った咲坂が現れ、バイクを
博上 文 さん作 [576] -
バスターズ!・第二十四話「衝撃・・・」
不意に、生ぬるい液体が額を流れた。視界はぼやけ、目がうつろになる。龍一は頭にも傷を負っていた。(アキラ・・・アキラはどこだ・・・)うつろな目でアキラを探そうとするが、化け物達が並んで立ちふさがっているせいで、アキラがいた辺りが見えない。「くそっ・・・どきやがれ・・・!」龍一がそう言った、その時だった。「ゲフッ」トッ、コロコロ・・並んでいる右側の化け物が、ゲップの様なものと同時に何かを吐き出した。
博上 文 さん作 [581] -
バスターズ!・第二十三話「二倍の恐怖」
もう一つの白い巨体が浮かび上がり、恐怖は二倍となって現れた。「ヒュー・・ヒュー・・ヒュー・・」化け物が同時ににじり寄ってくる。「ちくしょお!てめえら近づくんじゃねえ!!」龍一はアキラの前に立ちふさがり、持っていた学生カバンの中身を手当たり次第に投げ始めた。しかし、そんなものでひるむはずもなく、さらに化け物は龍一達のもとへにじり寄って来た。「くっそぉぉぉ!!」投げるものも無くなり万策つきた龍一は、
博上 文 さん作 [581] -
隔離された人々?(続)
兵士は2人の同意の声を聞くと、母の身体を操り、銃の引き金を引かせた。一発目は彩香の額に…二発目は母の額に…。「何でだ!?門の外へ出ようと誘ったのは俺なのに…」剛はその場にしゃがみ込んだ。「お前達にとっての苦痛はそのお嬢さんを自分の手に掛ける事と悲しむ姿を見る事だろ?」「まさかてめえそれが目的か!」「当たり前だ。俺達はお前達国民の嫌がる事をするのが任務だ」「何!?そんな任務ある訳ないだろ!」「残念
ユリア さん作 [518]