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ロストクロニクル 最終章5
「なんだ、てめぇ」大男が不機嫌そうに肩を鳴らした。「私はパール、パール・エミール。あなたは?」パールは余裕の笑みを浮かべていた。「俺はドレー・タイタロクス。ルパスの兵の総大将だ」ドレーは汚い歯を見せ、にやりと笑った。パールもさすがに総大将という肩書きに一瞬たじろいだ。「面倒臭ぇ、覚悟しろよクソガキ!」ドレーは不機嫌な顔でパールに向かってきた。「馬鹿、正面から向かってきても無駄よ!」パールは素早く
五十嵐時 さん作 [455] -
クリスタルクラッシュ8―?
その瞬間、またしても閃光が彼を襲った。「ちっ!」ボロスは起こそうとした体を右方向に転がして、間一髪でそれをかわした。「ボロス、早く草村へ!」草村から現れたスレイは弓を引き絞って矢を射た。矢は兵士の脇を掠める。その僅かな間にボロスは立ち上がると、草村へと飛び込んだ。「クリスタルクラッシュを創設しているとは…」スレイは顔を隠したマスクの裏で唇を噛むと、クリスタルを懐から取り出した。「何っ!?」兵士た
いっと さん作 [453] -
猫物語37〜猫さん久しぶり( ゜ー^)>゛
子猫のためを思ってか、それとも鼠捕りを笛に頼ることばかりこだわっている稚拙さをただ叱咤したかっただけなのか、捨て台詞を残して逃げてゆく怪盗ねこひげを為す術なく見送った子猫は呆然として呟きました。 「自分自身にできることを…?」 子猫にとっては鼠を呼び集める笛を借りることが今の自分にできることだと思っているのに、怪盗ねこひげからはそうは見えないらしいことに、子猫はいささかならずショックを受けてい
α さん作 [327] -
クリスタルクラッシュ8―?
ザックとダリルは頷いて、リリアと共に草村から林の奥へと足音を立てずに退避していった。―兵士たちが来たら計画開始までに必ず彼らの頭の上を見て下さい。そうエナンから言われていたので、メディナは身を伏せながら兵士たちの頭の上を見た。頭の上から剣が出ているのを確認して、彼女は一つ小さく頷いた。―いい判断だわ。彼女は剣の柄から手を離すと、ゆっくりと後ろに退いた。―クリスタルクラッシュ…か。メディナは唇を噛
いっと さん作 [451] -
パンケーキにお住まいの野ねずみさん7−秋刀魚さん2
あんまり秋刀魚さんが感情的なので野ねずみ父さんもタジタジとしながら、なだめようとします。 「ま、まあまあ、秋刀魚さん、落ち着いて…。 誰でも自分以外の都合や事情の深刻さにはなかなか気づけないものです」 「分からないからって、他者を傷付けて平気でいても良いって先生は思っていらっしゃるんですか?!」 秋刀魚さんはキッと顔を上げると野ねずみ父さんを恨めしげに睨みつけましたが、平坦で真ん丸な目なのであ
α さん作 [326] -
パンケーキにお住まいの野ねずみさん6−今日は秋刀魚
続いての相談者は秋刀魚さんです。金魚鉢に入ってご入室です。秋刀魚さんは魚なので元々魚眼のため今更凸レンズ状のガラス越しに野ねずみ父さんを見ても特に怖がる様子はありません。 「先生、今日は先生に聞いていただきたいことがあって来ました。」 店頭では見られないほど、どんよりした面持ちで切り出した秋刀魚さんに野ねずみ父さんは応えます。 「はい、そのために私はこちらに勤めさせていただいているのですから、
α さん作 [309] -
クリスタルクラッシュ8―?
盾を持った男がこちらに迫ってくるのを見て、兵士たちは一瞬、たじろいだ。そんな中、黄色いマントを着けた三人の兵士がゆっくりと剣を抜いた。―剣であの大きな盾は防げないぞ。エナンは後方からその様子を見つめながら、冷静に分析した。「あの男は誰?味方なの?」隣にいるミーナが小声でエナンに尋ねた。「いや、違う。恐らく…」彼が首を横に振った瞬間、前方で何かが光った。そしてその次には小さな爆発が発生し、木々を激
いっと さん作 [421] -
パラレルファンタジア 第三章(2)弱い心1
学校が今日から始まった。僕が通っている高校は、男女共学であまり治安もいいとは言えない所だ。自宅からは、徒歩で約10分と割と近い場所にある。周囲は森に囲まれており、学校の裏には深い森が広がっている。僕の右手の小指に収められた指輪は、極力学校では隠すようにした。女性がはめるような指輪を身につけていると知れたら、変な風に思われるだろう。アイリとの会話は念話のみにすることにした。授業をすべて終えて、僕は
黒井 さん作 [296] -
ロストクロニクル 最終章4
タクトはウェイトの言葉を聞いて呆れた表情をしてみせた。「・・・なるほど、この戦争でルパスが何をしたいのかわかったぞ。つまり、この城を破壊し、地下にいる怪物を手に入れたい訳だ」「かもな、でもどうだっていい。ルパスこそ俺の求めていた理想郷さ。あそこは最高だ」「人殺しを平然とする国が理想郷だと!ふざけるな!戦争を起こす国に理想はない!」ウェイトの表情は一変し、冷たい視線をタクトに向けた。「・・・やっぱ
五十嵐時 さん作 [367] -
ロストクロニクル 最終章3
タクトはなんとかウェイトの斬撃を剣で受け止めた。「おお、反応できたか。少しは成長したんだな」「黙れ、どうしてこんな事をするんだ!どうしてパラスを裏切るんだ!」二人の剣が擦れ合い、お互い一歩も退かない状態となった。「だから、言っただろう?俺はこの国に失望したのさ」「なぜだ」「なぜ、だと?簡単なことさ、パラスに不死鳥はいないからさ」ウェイトがにやりと笑う。「どうしてわかるんだ」尚も二人の鍔迫り合いは
五十嵐時 さん作 [374]