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子供のセカイ。184
青い空間は、歪に掘られたトンネルのような構造になっていた。急に細くなって身を屈めねばならなくなったり、かと思えば城の広間のように広くなったりを繰り返した。しかし一本道なのは変わらない。どこもかしこも同じような色なので、奥行きが掴みづらかったが、なんとか壁に衝突することなく進んでいった。進みながらジーナは、否応なしに浮かんでくる、かつて同じ領域にいた知り合いの姿を、なんとか頭の隅から追い払おうとし
アンヌ さん作 [382] -
子供のセカイ。183
「……さぁ、行ってこい!」ルキは王子の手から猫の紐をはたき落とすと、ジーナと王子の背中を強く押した。彼からすればちょっと力を込めた程度にすぎなかったが、二人にはすごい衝撃だった。二人の体は前に吹っ飛び、あっという間に青く揺らめく扉の内側へと吸い込まれた。猫はニャオン、と一声鳴くと、主人である王子を追って自ら扉の中に飛び込んだ。彼らの姿が消えた途端、ユジユとサクは取っ手を手放し、ドシン、という重音
アンヌ さん作 [398] -
クリスタルクラッシュ6―?
クリスタルを自らの武器に帯びて戦うその部隊は各国から「悪魔の部隊」と恐れられた。―そんな訳無いじゃない。リリアは何を考えているのだ、といった表情で首を横に振ってこれ以上の調査を取り止めたのである。「彼女は…」「え?」「メディナさんはあなたにクリスタルの話をした事があるの?」「クリスタル…いや、全然。そもそもメディナさんがフール族だったという事でさえ聞いてなかったんだからさ。ましてやクリスタルの事
いっと さん作 [406] -
二人の姫と空の英雄11
クリスタルは「何?」グレイスが「ダークスノー城を復活させることだ。」クリスタルが「ダークスノー城?たしか空の七賢者が封印したんだっけ?でも、どうして私に言うの?」グレイスは「それは、氷の国の姫、風の国の姫、ルラフェン魔法族の姫、竜族の血。それがあれば復活させることが出来る。ルラフェン魔法族の姫は、たしか…リコといったな。」クリスタルが「リコてっカイン達の仲間のあの魔法使い?まぁ良いわどちらにしろ
ひびりん さん作 [519] -
魂の名の裏切り
結局、断られ一人ですることになった 「本当に弱虫な奴だな〜。後ですごいと思わせてやる」 だけど、ちょっと不安だった そんな事考えていた時あることに気がついた 「どうやって頼むんだろ?」 「お兄さん、何か願い事あるの?」 「ウワッ、ビックリした!」 そこに突然現れたのは小学生ぐらいの女の子だった 普通の服装だけど、首に鈴のついた首輪をしている 肩には鳩ぐらいの鳥が乗っていた どことなく、不思議な
ひまわり さん作 [354] -
クリスタルクラッシュ6―?
ところがどの文献にも決まって書かれているのは「装飾品をはめる為の穴」だけ。それはわかっている。問題は「どんな装飾品をはめる穴なのか」だ。さらに調べていくと、エナンはある事に気がついた。ルビーやサファイアなどの装飾品をはめる事はどの国のどの民族も行っているが、ただ一つ、装飾品を一切はめないとされている民族があった。フール族である。「おかしい」エナンはメディナがザックにプレゼントした剣に装飾品をはめ
いっと さん作 [374] -
世紀末戦記 9
キーオーは叔父さんを止めよう声を出した。だが声は叔父さんには聞こえなかった。キーオーは声を出していた。彼が口から言葉を出した瞬間に、爆音が響いたのだ。その音は雷ではなかった。そして一時の間雨が降り止んだ。再び雨が降り始めた時、叔父さんが振り向いた。「まずい!!」キーオーは何がなんだか分からなかった。叔父さんがバックから剣を取り出したのが分かった。優しい叔父さんの目が変わったのが分かった。雨の強さ
カザン さん作 [310] -
World Error?
『目覚めの衝撃』酷い頭痛で目が覚めた。気付くとそこは見知らぬ路地裏だった。「私……どうしてこんな所に?」頭痛のせいか、思い出そうとしても痛みがそれを邪魔する。一般的にこんな路地裏に女が倒れているのはどう考えても普通ではない。「お前もか」不意に、背後から凛々しい女の人の声が聞こえた。「だ、誰?」薄暗い路地裏の闇から姿を表したのは、黒いロングヘアーの女の人だった。僅かに当たる電灯の明かりで光を放つ真
エラー さん作 [323] -
クリスタルクラッシュ6―?
「お疲れみたいね」リリアは夕食の後テーブルに突っ伏したザックを気の毒そうに見つめながら、声をかけた。「まあね…。でも、頑張っていくつもりだよ。メディナさんの課した訓練だからね」ザックは小さく笑って、ゆっくり頭をと上げた。「あの剣は彼女からもらったものなのよね?」リリアはザックの傍らに立てかけてある剣を指差した。「うん。手入れは毎日欠かさずやっているよ」「…そう…」「…どうしたの?」ザックは返事を
いっと さん作 [399] -
世紀末戦記 8
明くる日の朝早く、キーオーは叔父さんに呼び出された。空は晴れていたが、西の空の積乱雲が嵐の到来を予言していた。キーオーと叔父さんは村の外れにある林の中までやってきた。叔父さんはフードとマントを付け身支度をしていたので、キーオーはてっきり旅連れってくれるのかと思い身支度をしていた。だが、叔父さんは林の中で止まりバックから青い宝石を取り出した。キーオーはその美しさに心奪われた。そして深海のように青く
カザン さん作 [316]