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ホラーの携帯小説に含まれる記事が2664件見つかりました。
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リミット THREE 七
チャイムが三回鳴るまでに。ここから……逃げる。リノと翠は即席の武器を手に、顔を見合わせた。ガムテープで固定されたガラスの切っ先が、明かりに煌めく。…その明かりに、課せられたリミット。二時間。リノは走りやすいようスカートを腰で折り、短くした。いつもこれくらい短くした子達を寒そう、なんて見ていた頃が懐かしい。左の膝は腫れていたが、ちぎれても、この先動かなくなっても、走るつもりだった。もう翠に迷惑はか
ゆうこ さん作 [537] -
シャドウマスク
闇の仮面?《取材覚え書き/黒い仮面の幽霊について》●黒い仮面をつけた幽霊が出る。見たら呪われる〈10歳・男〉●バイク事故で死んだ男の幽霊。仮面をつけて傷だらけの顔を隠している〈16歳・女〉●顔と手が白く光る幽霊が出る。全身が真っ黒で気味の悪い仮面を被っている〈12歳・男〉●仮面をつけた幽霊。凄く速く走る。十字架を見ると逃げたしてしまう〈14歳・男〉●結婚式に知らない男が紛れ込んでいる。気が付かな
あいじ・あぎあ さん作 [633] -
処刑生徒会長第五話・23
《東京都Z区・第一中学校》会長室には事態の成り行きに一喜一憂する男が一人。生徒会長の太田カツヒロだ。雲一つない青空、開かれた窓からまんべんなく降り注ぐ日差しが鮮やかに装飾する赤絨毯の上を、しかし彼は深刻気にせわしなく歩き回るのみだった。檜材の木製ドアの前に立つ副会長・エウフセラ=ナールマンの185センチの長身は、その光景を多機能ゴーグル越しに無機質に眺めている。否。より正確には、観察していると言
まっかつ さん作 [541] -
リミット THREE 六
チャイムが鳴り響いたあと、蛍光灯は明るさを取り戻したかに見えた。が、翠は小さな声で呟いた。「違う」「…何が?」とリノ「明るさが。鳴る前の方が明るかった気がしないか?」はっとして、リノは天井を見上げた。確かに…さっきより光りが弱い。真っ白だった明かりは、青白いといえそうな輝きに落ちていた。リノの頭に、突然、天啓ともいえる閃きが走った…もしも…もし、この紙の意味する所が、私達の生き延びる為のヒントだ
ゆうこ さん作 [525] -
シャドウマスク
第零章黒い闇…闇が広がっている。月下の街を、何処までも続く虚無の暗黒が支配する。その闇を駆け抜ける足音があった。まだ若い女である。女は息を切らせ、その顔面に恐怖をこびりつけながら、何かから逃げていた。その何かは闇から闇へ、影から影を移動し女に迫る。まるで音も、気配も、生きていることすら感じさせない動きで女の後ろをついていく。不意に女が立ち止まった。そして何か聞き取れない言語を呟くと、その眼球が強
あいじ・あぎあ さん作 [504] -
狂乱 中編
2月18日あなたの眠った顔は美しかった。滑らかな肌、艶やかな髪……。あなたのその安らかな表情を見ていて気付いたんだ。あなたの時間を、安らぎを保つ方法を。ただし、準備がいる。待っていてくれ。今に私達は一つになるからね。2月19日遂に計画を実行に移す時が来た。鍵はある。後は簡単だ夜が待ち遠しい。2月20日どうしてあなたはそんなに美しい?流れ出す血の色もあなたをつき動かしていたこの心臓まで。そして優し
籬 規那 さん作 [416] -
心霊特番
『恐怖の霊界レポート!!あなたの知ったこっちゃない世界スペシャル』「………」俺はテレビ画面を見つめた。テレビのリモコンに手を伸ばしチャンネルを変えようとする。俺は生来怖がりだ…『リング』を視て腰をぬかし、『呪怨』で夜眠れなくなり、『ゴーストバスターズ』すら『ゴースト』の部分に反応して視れないぐらいだ。もし俺がこの番組を視たらどうなるか…俺は自分の安眠のためこの番組は視ない。そうさ、別に心霊特番を
あいじ・あるば さん作 [748] -
希望
もう何もかもに疲れたよボクがそう言った時、キミはこう言ったよね『あきらめないで、希望を持て』って...希望が無いからこんなこと言ってるんじゃないか。ボクがそう言い返すと、キミはまた言ったね『それは見つけていないからだ。見つけようとすれば、希望なんて簡単に見つかる』って...じゃあ、キミはどうなんだよ。いじめられて、希望も何もかも無くして、五年前にこの場所で首を吊って死んだキミは同じ境遇のボクに、
BgwP←/ さん作 [457] -
1話 はじまり
・・暗くて寒い。何も聞こえないような気がしたが、どこか遠くでそれが叫んでいるのが聞こえた。・・どうして、・・そうだ、俺が一回振り上げるごとに一つ忘れよう。忘れれば、きっと楽になれるから。・ ・彼のことも、全て。俺と彼の思い出の全てを、ここに、置いていこう。でも、それでも、彼の最期の言葉だけは、忘れられなかった。それは、微笑みながら彼が口走った、小さな願いごと。これは、その時は人間だった少年が痛み
*ティー* さん作 [397] -
リミット THREE 五
リノは立ち上がり、汚れた体操着姿の翠を振り返った。「考えよう」頭がショートするくらい様々な疑問が渦をまく。リノはもう一枚の白紙にペンで書き付けた。1 ここはどこか2 あの化け物はなにか3 何故入って来なかったのか4 紙に書かれた文字の意味は?「こんなとこね」翠は感心したように頷き腰を降ろした。「ここはどこ…か」「うん。だって、気付いてた?他に誰もいないし…外だって変でしょ?なんか現実じゃないみた
ゆうこ さん作 [624]