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恋愛の携帯小説に含まれる記事が22370件見つかりました。

  • 恋、二度(ふたたび) 17

    でもその話を聞いて、俺は一生懸命彼女に自分の気持ちを伝える術を考えた。卒業式の翌日はここを落ちると浪人しかないという、入学試験があるというのに。 夜半過ぎになって俺はようやく一つの方法を思いついた。 思いついた時、何故今までこんな簡単なことに気が付かなかったんだろうと、俺は一人で苦笑いをしてしまった。俺の出した答えは、手紙を書いて渡すことだった。 それから、明け方までかかって俺の気持ちを伝える
    よしゆき さん作 [140]
  • 恋、二度(ふたたび) 16

    彼女は、怯えるように俯いて立ち竦み、俺の傘を取り落としていた。俺がそのまま角を曲がろうとした時、おそらく俺にしか聞こえない声‐いま考えるとそれすら怪しいが‐で、 「ありがとう…」 と言う蚊が鳴くような声が聞こえた気がした。 その後俺は、物凄く嬉しい気持ちが一杯で、部室に向かった事を今でもはっきりと覚えている。 それ以来俺の中で、真愛への気持ちが変化していった。 でもそれ以来、俺は卒業まで片思い
    よしゆき さん作 [159]
  • 恋、二度(ふたたび) 15

    その後も俺は、彼女が仲の良い女友達とは、楽しそうに話しているのに、男子生徒とは一度も話しているのを見たことがなかった。 そして、今日と同じような梅雨の中休みのある日。その日は天気予報では降水確率20%以下だったので、かなりの生徒が傘を持たずに登校して来ていた日だった。しかし予報は外れ、昼過ぎからしとしとと雨が降り始めて、下校時刻になっても雨が止みそうになかった。 俺は掃除当番に当たっていたから
    よしゆき さん作 [143]
  • 恋、二度(ふたたび) 14

    俺は待っていてもらい悪いと思ったので、 「持つからこの上に置いてよ」 と声を掛けた。 それでも彼女からの返事は無かった。 俺はしょうがなく、男子の分だけ持って、職員室に向かった。 俺は一切返事をしない真愛が、非常に気になって仕方なかった。 時々気になって振り返ると、いつも顔を真っ赤にして俯きながらついてきていた。 俺達は英語教師に遅いと、厭味を言われながらもとにかくノートを渡して、職員室を出た
    よしゆき さん作 [141]
  • 恋、二度(ふたたび) 13

    小野真愛は当時から極端な恥ずかしがり屋で、男子生徒とは喋った事が無いだろうと噂されるほどだった。美少女というほどのことはないが、可憐という言葉が似合うような娘だった。 二年生の時、俺は真愛と同じクラスになった。それまでも学校の廊下などで見掛けており、俺好みの髪が長くて、華奢で小柄なタイプだったから、かなり気になっていた。ただ男子生徒とは一切口を聞かない、という噂は俺の耳にも入ってきていた。 そ
    よしゆき さん作 [143]
  • 恋、二度(ふたたび) 12

    新郎新婦を見ようと、会場にいる全員が入口の方に体を向けて、大きな拍手をしていた。新郎の悟志が、新婦の美樹さんと手を繋ぎながら入場してきた。 涼平も香緒里さんも大きな拍手をして、二人を迎えている。 でも、俺は幸せそうなふたりの事なんか眼中になかった。俺が見ていたのは、小野真愛ただひとりだった。 真愛も俺と同様、新郎新婦の方を見ずにずっと俯きながら小さく拍手をしていた。 その姿を見て俺は、彼女が高
    よしゆき さん作 [145]
  • 恋、二度(ふたたび) 11

    俺達のそばまで来た女性は、俺の顔を見て 「あっ」と呟くと、サッと顔を真っ紅に染めて俯いてしまった。 それを見て、香緒里さんは笑いながら、 「ごめんなさいね。真愛はいつもこうだから代りに自己紹介するね」 と助け船を出そうとした。 「ひょっとして君、小野とちゃうか?」 涼平が突然閃いたとでも言うように、俯いている彼女に声を掛けた。 「あれ涼平さん、真愛の事知ってるの?」 香緒里さんは突然の成行
    よしゆき さん作 [164]
  • 恋、二度(ふたたび) 10

    涼平は短時間のうちに、既に一人の女性と談笑していた。 「ほんま、涼平はこういう事は昔から早いんやから」 俺は半分呆れながら、近付いていった。 「夏希、遅かったやないか」 涼平は俺を見つけると、右手を挙げて手招きした。俺が近付くと 「彼が大友夏希。新郎と俺達は、学生時代からあほな事ばっかりやってた親友なんだ。」 「あほなことばっかりやってたのは、涼平だけやがな。」 「この裏切り者」 涼平は俺
    よしゆき さん作 [181]
  • 恋、二度(ふたたび) 9

    用を足してトイレから出てきた俺は、涼平を探して首を会場の方へと巡らした。 人並みより少しばかり背の高い俺は、背伸びをすると何とか会場全体を見渡すことができた。 会場のほぼ真ん中の方に涼平の姿を見つけると、俺は踵を降ろした。その時俺が軽い違和感を感じた瞬間、 「あっ…」 という聞こえるか聞こえないかというぐらいの、囁くような悲鳴があがった。 俺が当事者じゃなかったらきっと無視してしまうぐらいの声
    よしゆき さん作 [158]
  • 恋、二度(ふたたび) 8

    俺達は酔い醒ましを兼ねたアイスコーヒーを飲み、学生時代の馬鹿話をしながら会場の入口を見ていた。 開場時間が近付いてくると、華やかに着飾った招待客がかなり集まってきた。 時間を確認すると、そろそろ十分前になろうとしていたので、俺達は喫茶店を出て会場へと向かった。 入口で受付を済まして中に入ると、外からでは思いもしないほどの広さがあるフロアがあった。中ではすでに四、五十人ほどの男女が、ここかしこ
    よしゆき さん作 [167]

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