トップページ >> 恋愛の一覧
恋愛の携帯小説に含まれる記事が22370件見つかりました。
-
sound of you 38
「どこ行く?」お姉ちゃんと戸惑っていると、スタッフらしき人がきて、「マサの彼女っしょ?特等席まだ空いてるからおいで。」と言った。お姉ちゃんはガッツポーズした。スタッフに付いていくと、ロフトっぽい所に案内された。「ここなら揉みくちゃにされる心配ない。」そう言いながらお姉ちゃんはコートを脱いでいる。……ステージからは遠くなっちゃったな。私は少し落ち込みながらお姉ちゃんと同じようにコートを脱ぐ。しばら
フラン子 さん作 [350] -
sound of you 37
寒いので紺のピーコートに花柄のストールを巻いている。コート下は黒のワンピースに黒いタイツ、足首にファーの付いたショートブーツを履いている。「年越しイベントはみんな気合い入れてくるから、おしゃれしなさいって言ったの。」パーティーに行くみたいな華やかな格好をしたお姉ちゃんが助手席に乗り込む。「じゃ、出発しまーす」将樹さんがアクセルを踏んだ。繁華街へ到着し、私たちを車から下ろすと将樹さんは「友達んちに
フラン子 さん作 [336] -
sound of you 36
12月31日の夜。「菜々子!早く!将樹もう来てる。」お姉ちゃんが携帯を耳にあてたまま部屋に入ってきた。「ちょっ…待って!あと、ネックレスと、…えと、携帯と、……ぐわッ!!」…ドスンッ!!コケた。冬休みに入ってから一度だけ綾川くんのパソコンにメールした。『綾川くんが出る年越しイベント行くよ。』メールの返事は数日待っても来なかったので落ち込んでいたら、昨日の夜、携帯の着信が鳴った。リビングでボーっと
フラン子 さん作 [328] -
sound of you 35
「……あ、あの!」話しかけながら、久しぶりに話してることに気づき顔が熱くなってくる。「年越しイベント私も行きたい」って言いたいだけなのに、なかなか言葉が出てこない。「菜々子ー!帰ろうー!」梨沙子がカバンを持ってこちらにきた。「ん?何話してたの?」梨沙子は私が綾川くんのほうを向いていたことに疑問を感じた。「な、何も!帰ろ!」結局何も言わずに冬休みに入ってしまった。* * * * * * * * *
フラン子 さん作 [370] -
sound of you 34
その日からメールするのをやめた。もともと毎日顔を合わせているのだから、お互いの正体がバレたら恥ずかしくてできなかった。だからと言って、昼間学校でも話すことはほとんどなかった。今まで接点のなかった私たちがいきなり話しだすと周りが不思議がり、DJがバレることに繋がりかねない。たまに目が合うと、こっそりお辞儀し合う程度だ。たまに私の机にCDが忍び込ませてあり、メモ紙が挟んであったりする。そんな小さな接
フラン子 さん作 [305] -
sound of you 33
「ハハッ、いきなり何?」ミツルが私を見て笑った。目尻が少し下がり、口の端が片方だけ上がる。『私はこの笑顔が好きだ』そのとき、はっきり私の心はそう言った。私はますます恥ずかしくなり、持っていた眼鏡を慌ててミツルの顔にかける。もとの綾川くんに戻った。でも私の心臓の早さはもとに戻らない。「…っ、びっくりした。」と綾川くんは眼鏡を耳にかけなおしている。「あは、ごめん!」再び歩きだす私たち。なぜか沈黙が続
フラン子 さん作 [333] -
sound of you 32
「えーと…、大した理由じゃないけど…。」私は重大な秘密を明かされるような気になり目を輝かせた。「………朝弱いから」「へ?」「夜遅くまでパソコンで曲いじりしてるから朝ギリギリまで寝てておしゃれに気を使う時間がない。」「それだけ?」「うん。コンタクト付ける時間すらない。」拍子抜け…。「あ、は…はははは」私は期待し過ぎた自分がおかしくて笑った。綾川くんもニカッと笑った。あぁ、やっぱり眼鏡外して笑ってる
フラン子 さん作 [315] -
sound of you 31
私は恥ずかしくなり足元を見る。「気づいてたの?」私が聞くと、綾川くんは「うん。」と答えた。私は顔が熱くなった。恥ずかしすぎる…。「えーと、もしかして私のことバカにしてた?」私が聞くと、綾川くんはハハッと笑い「違うよ」と言った。「自虐的な感じになるけど、俺がダサいから学校じゃ関わってるところ他の人に見られたくないのかなーとか思って…。」そんなことを言われて、どう反応していいか分からなくなった。確か
フラン子 さん作 [310] -
sound of you 30
「本当にごめんなさい!」私はもう一度謝った。綾川くんがこちらに向かって歩いてくる。「槇原さん?俺…別に怒ってないよ?」私は綾川くんの表情を確かめようとするけど、眼鏡をかけてて分からない。「へ?」間の抜けた声が出た。「俺、ユキさんは槇原さんじゃないかなって思ってた。でも、俺普段はこんなダサい格好だから、『DJのミツルは俺だ』とか言っても信じてもらえないんじゃないかとか、むしろ引かれるかもとか、いろ
フラン子 さん作 [308] -
sound of you 29
いくら考えてもわからない。でもユキってバレたことは確実だ。もう怖いものなんてなくなったじゃないか。私は綾川くんが拾ってくれたペンケースを急いでカバンに入れ、教室の電気を消して廊下に飛び出す。廊下は真っ暗だ。でもさっきのような恐怖感はなかった。ただひたすら走った。パタパタパタパタ廊下を走る自分の足音が校舎内に響く。もう綾川くんが何を考えてるかなんていい。とにかく充(ミツル)と話したい。パ
フラン子 さん作 [325]