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恋愛の携帯小説に含まれる記事が22370件見つかりました。
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藍色の時間 9
どうやら、自分が思っていたよりも事は大きいようだ。俺は書類記入を済ませ、受付で聞いた病室に向かった。ドアをノックする。「どうぞ」藍の声だ。俺はドアを開けた。「一真…?」ベッドに藍の姿があった。頭に包帯を巻き、顔にもガーゼなどが見られた。藍は、俺の顔を見ると、すぐに顔を背けた。「どうして、ここが…」「なんで、言わなかったんだよ」俺は少しばかりの怒りを込めて言った。「なんで言ってくれなかったんだよ。
PO・M さん作 [191] -
藍色の時間 8
中から出てきた学生らしい男が、俺に声をかけた。「阿藤さんに用ですか?」阿藤というのは、藍の夫の性だ。「阿藤さんとこは誰もいないですよ」「えっと…どこかに行ってるのでしょうか」本当は、藍がどこかを聞きたかったが、後の事を考えると藍の名前は出せなかった。「奥さんが救急車で病院に運ばれちゃったみたいですよ。旦那はその付き添いみたいで」「病院に…? なぜ?」思わず敬語を忘れた。「頭を打ったみたいで。ドメ
PO・M さん作 [215] -
藍色の時間 7
何かが……何かがまだ、終わらずに浮いたままの気がする。地に着いていない。何かが見えないままだ。だから、俺はいまだに藍を忘れられないのか。藍ともう一度一緒にいたい、と思ったのは本当だった。結婚している…藍はそう言ったけど。まだ、終わる気になれなかった。俺は高校の同級生などに片っ端から電話して、藍が結婚して居を構えている住所を聞き、その場所へ向かった。自分の行動に意味があるのか。そんな疑念も、やはり
PO・M さん作 [200] -
藍色の時間 6
ふつふつと、込み上げるものがあった。それは、以前に過ごした時間があるからかもしれない。だが、その藍から感じる空気を感じた時に抱いた感情は、その感情は紛れもない事実だった。藍と…もう一度会いたい。そんな気持ちが俺の中で芽生えていた。「今日は楽しかった」藍が言った。「よかった。今の一真にまた会えて」「藍…あのさ…」藍が席を立つ気だと感じて、俺は間髪入れずに言葉を繋げた。「また…会えないかな」藍は、俺
PO・M さん作 [206] -
藍色の時間 5
それから、堰を切ったように俺は、藍と会わなくなってからの事を話した。デザインの勉強で行き詰まった時の事、大学の友人の事、なかなか上手くいかない就職活動の事、それから……彼女と別れた事。俺は喋ってから、思わず手で口を押さえた。「悪い…なんで、こんな話したかな」藍は、特に表情を変えなかった。「ううん、別に。何も気にしないで。これまでの一真の事、聞けて良かった」藍が、言った。藍は…どう、思ったのだろう
PO・M さん作 [198] -
藍色の時間 4
「なんか…なんでか会わなくなっちゃったよね、私たち」そう言って、藍は席に着いた。藍とは高校の頃、同じデザインの授業を受けていて、知り合った。なにげなく受けてみたデザインの授業だったが、いざやってみると、はまってしまった。それは藍も同じだった。いつの間にか、俺と藍は意識的に通じるものを感じて、同じ時を過ごすようになっていた。まだ子供と大人の境目の…今思えば、かわいらしい純粋な幸福を感じている時だっ
PO・M さん作 [199] -
藍色の時間 3
当日、俺は街の喫茶店で藍を待っていた。俺は何をしているんだろう。彼女と別れたばかりなのに。それで電話が来ただけで、俺は以前のモトカノと合う約束をしている。俺は寂しいだけなのか。側で自分を癒してくれる誰かがいればいいだけなのか。それとも、これは逃避か。何事も上手くいかない現状からの逃避なのか。だが、いずれにしろ、俺は今の自分から抜け出したい、という気持ちはあった。網に捕らわれて、どうにも動けない、
PO・M さん作 [200] -
藍色の時間 2
突然の藍からの電話に俺は驚きを隠せなかったが、どこか懐かしさも感じていた。何か、自分の周りが全て上手くいっていない気がする。そんな落ち込んだ時でもあったので、以前の知り合いと昔の事について語りたい、そういう気持ちもどこかにあった。だが、藍はあまり長電話をする気はないようだ。早々に、用件だけを切り出してきた。「一真、平日とか空いてる?」「平日…? まぁ…来週の水曜は何も入ってないけど…」「じゃあ、
PO・M さん作 [207] -
藍色の時間 1
就職活動の最中、彼女と別れた。真夏の日差しがとても強い日だった。なかなか内定が決まらない事からの焦りが苛立ちを生んだのかもしれない。些細な、本当につまらないくらいの些細な事が原因だった。しかし、彼女に頭を下げて謝ろう、という気にはならなかった。意地を張っている、などとは違って、「どうにでもなれ」といった、自暴自棄な気分だった。このまま終わってしまっても、それは仕方ない。きっと、それも色々上手くい
PO・M さん作 [231] -
片思い。。
大好きです。言葉だけぢゃ表されナィほど…。あたしは君に、君は誰に?あたしぢゃナィのは分かってるのに浮かれちゃうぢゃん。いつか振り向いてくれるんぢゃないかって思っちゃうよ。君が誰を好きでもイイなんて嘘だよ。ホントは振り向いて欲しくてしかたないんだよ。たまに諦めたくなっちゃうんだよ?でも君はあたしの心の中にずっと消えない傷のように残ってるよ諦めたら最後全部終わっちゃうぢゃんだから絶対努力して頑張るん
あゆみ さん作 [176]