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恋愛の携帯小説に含まれる記事が22370件見つかりました。
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魔女の食卓 9
「あっ、はい」「ちょっとぶしつけな話なんだけど、今日会社の帰りに、君の家に寄っちゃまずいかな」「私の家に?」 「ああ、子供じみた事を言うようだけど、どうしてもあのクッキーを、今日欲しいんだ。もし君さえ迷惑でなかったら…」「そんな迷惑だなんて、私は別に構いませんけど、でも私の家はちょっと遠くて」「いや、無理を頼むんだから車で送るよ、君の家まで。なんだかあのクッキーにすっかり魅了されちゃったみたいで
矢口 沙緒 さん作 [403] -
夜の果て
また、だ。もっと強くても大丈夫なのにあなたは、優しい人。いいや、首を締める手を加減するあなたが愛しいのかも知れない。交わる毎に「首を絞めて」といつからか、望み出した情欲に溺れる私。それを聞いて嬉しそうなあなたの顔。私を独占し満足するあなたの顔。それを見れば余計に「壊して」ほしくなる。朝など来ねば、良いと。願い、深い夜に、結ぶ。あなたの腕の世界、あなたの耳に口付け、あなたの香りの中、あなたの声を聞
寿限-夢幻 さん作 [361] -
魔女の食卓 8
もちろん『はい』と答えると彼は信じていた。彼の前では女性はみんなそうだった。彼が何かを頼めば、必ず『はい』と答えた。それも嬉々として。みんな彼の期待に喜んで応えようとした。だから自分がこう頼めば、あのクッキーは必ず明日には手に入る。そう決めつけていた。しかし、川島美千子はまた困った顔をした。「実は私、明日から三日間休暇を取ってるんです」「休暇?」「ええ、有給休暇。といっても、別にどこにも行く所が
矢口 沙緒 さん作 [408] -
魔女の食卓 7
翌日、午後三時。デスクで書類に目を通している石崎武志のそばに、手にトレーを持った川島美千子が近付いてきた。「あの、石崎部長。コーヒーが入りました。」「ありがとう、そこに置いといてくれ」石崎武志は書類から顔を上げずに答えた。「それから、ひとつですけど、よろしかったらクッキーも…」「ああ、いただくよ」そう答えながらも、彼の目は書類から離れなかった。川島美千子はデスクに置いたコーヒーカップの横に四角い
矢口 沙緒 さん作 [401] -
魔女の食卓 6
山口「そうよ、わがままで、タチが悪くって、意地悪で、ひねくれてて、陰険で、素直さがなくって、頑固で、思いやりがなくって…ええと、それから…」 朝倉「ヒガミって怖いわねぇ。こんな所で根拠のない悪口言ったって、しょうがないじゃない」山口「だって、こんな事でも言ってなくっちゃ、落ち込みから立ち直れないもん」朝倉「ねぇ、体調が悪くないのに、病院の待合室に行く人がいるの知ってる?」戸倉「いったいなんの話よ
矢口 沙緒 さん作 [392] -
魔女の食卓 5
「ああ、麗子か。どうしたんだ今頃」「ちょっと支店長と打ち合わせがあったのよ。これからまた本社に帰るんだけど、でも今日は仕事が早く終わりそうなの」「そうか。よし、僕も今日は早めに切り上げるか」「ほんと、じゃ食事に行きましょうよ。いいレストラン見つけたのよ」「フレンチか?イタリアンか?」 「フレンチよ。『ペリニィヨン』っていう銀座の小さなお店なんだけど、私、気にいってるのよ。特にデザートの『木苺とア
矢口 沙緒 さん作 [412] -
魔女の食卓 4
山口「大西麗子って、あの有名な…」朝倉「そうそう、あの大西麗子よ。ケンブリッジ大学卒、語学力抜群、頭脳明晰、行動力とスタミナは、その辺の男なんか問題じゃないそうよ。彼女のアドバイスのおかげで、海外との大きな取り引きがいくつもまとまったんだって。社長が言ったらしいじゃない、秘書は二人も三人もいらないって。彼女が一人いれば全てがうまくいくって」戸倉「確かに中身も凄いけどさぁ、外壁だって並大抵じゃない
矢口 沙緒 さん作 [405] -
幸せをきみに -届け、この歌- 6
「それよりうち、これからどうしよう」あたしのだるそうな言い方に翔ちゃんも唸る。「そうやなあ…」あたしは考えこむ。こんなことで立ち止まってるわけにはいかへん。なんだか少しでもはやく、夢叶えへんとあいつに本当に会えなくなる気がして。「そうや!翔ちゃん、ドラム叩いたことあるんやんな!?中学の文化祭で和とバンドやってたやん!」あたしの頭に今はもうぼやけかけた懐かしい光景が浮かぶ。「ああ…でもほんまあんと
きゃしー さん作 [327] -
雑草
幼なじみのあいつは言った、『女子が四つ葉探す理由がわからない』幼なじみの亮。いつも捻くれた事ばかり言う。『そりゃあ願いがあるからよ』『でも考えろよ。四つ葉って言ったって雑草だぜ?なんで雑草をわざわざ探してお願いしなきゃならねーんだよ』まぁ ・・確かに雑草だが『それは・・女の子だからかな』『・・理由になってねーじゃん(汗)』『・・そだね』 沈黙が続く。二人は幼稚園頃から一緒に居た。その頃から亮は
森鏡 さん作 [252] -
魔女の食卓 3
『スープ料理』 魔法のクッキー 女はみんな 魔女である なぜなら 誰でもひとつは 魔法を 使えるからだ*社員食堂でOLの山 口、戸倉、朝倉が話 している*山口「ねぇねぇ、今度本社から転勤になった石崎部長ってステキよねぇ。まだ若いんでしょ」戸倉「三十一よ。それで部長だもんねぇ。イケメンだし、背は高いし、頭はいいし、性格も穏やかだし、その上ド・ク・シ・ン!独身なのよねぇ。至れり尽くせ
矢口 沙緒 さん作 [421]