トップページ >> 恋愛の一覧
恋愛の携帯小説に含まれる記事が22370件見つかりました。
-
恋、二度(ふたたび) 51
ビールとチューハイが届くと、まず俺は小さくピースサインを出した。その途端涼平と香緒里さんが、肩を抱き合って、 「よっしゃぁ、よぉやった!」 と我が事の様に、喜んでくれた。 拓海も、 「早よ、グラス持たんかい」 とみんなを促して、 「ほないくで。せ〜の、コングッチュレーション!」 と音頭をとっていた。 俺と真愛はグラスを合わせて微笑むと自分の酒を口に含んだ。 喉が渇いていたのと、嬉しさで今
よしゆき さん作 [144] -
恋、二度(ふたたび) 50
真愛と二人で店に戻ると、みんなはかなり出来上がっていた。一時間近くも、公園にいたのだから当たり前の話しで、俺が真愛をエスコートして帰ってくると、大きな声で歓声をあげた。 俺でも驚くような声だったので、真愛はもっとびっくりして身体を硬直させた。 「大丈夫だって、緊張せんでええよ。みんな仲間やんか」 俺がそう言うと、香緒里さんも、 「そうよ、何時も通りにしてたらいいんよ。はよ座り乾杯しなおすで」
よしゆき さん作 [136] -
恋、二度(ふたたび) 49
「…一つだけ…やく…そく…して…」 真愛はそう言いながら立ち上がった。 「な、なんや…約束って」 俺は何を言われるのか見当がつかなかったので、少し焦ったが聞いてみると至極もっともな事だった。 「わたしの事…真愛と呼んで…」 「あぁもちろんや。じゃあ真愛も、俺のことを夏希と呼んでや」 「うん…夏希くん…ありがとう…」 真愛はそう言って、俺の懐に倒れ込んで来た。心臓の音が聞こえてくるぐらい、足を
よしゆき さん作 [170] -
恋、二度(ふたたび) 48
「嬉し…かった…よ…あの…手紙も…傘…も」 嗚咽を洩らしながら、囁くように真愛が話しはじめたのは、しばらくたってからだった。俺は顔をあげて真愛の次の言葉を待った。 「でも…どう…したら…良いのか…わからな…かった…でも…あなたの…こと…が…」 またしばらくかかった。 「でも…今日…会えて…うれし…かった…おとこ…は…怖い…け…ど…あな…たは…わたしを…。…嫌いじゃ…ないよ…大友くん…の…こと…
よしゆき さん作 [138] -
恋、二度(ふたたび) 47
「卒業式の日に渡した手紙の内容…覚えてるかな…あの時の気持ちは八年たっても変わってない…むしろ今の方があの時より…」 俺も泣きたくなってきたが、ぐっと堪えて、 「俺には…俺には、小野が必要なんや。俺のそばにいつも小野がいて欲しい…小野は男が嫌いなん知ってるよ。俺が小野の嫌いな男なんも知ってる…でも俺だけは小野の嫌いな男になりたくないんや…むしろ小野が唯一好きになってくれる男になりたいんや…俺は
よしゆき さん作 [142] -
恋、二度(ふたたび) 46
その頃俺は、香緒里さんと交代して、真愛と二人っきりで店の外に出ていた。 近くの公園まで歩いていき、彼女をベンチに座らせた。 真愛は泣くのはやめていたが、さっきまでとは違い、昔の彼女に戻ってしまったように思えた。 俺は何から言えばいいのかを思案しながら、しばらく何も言えないでいた。そしてついに意を決して話し始めた。 「俺と初めて日直をした日やけど覚えているかな…あの日が俺の小野に対する原点なんや
よしゆき さん作 [110] -
恋、二度(ふたたび) 45
「でも二人の気持ちは間違いなく同じやで。後は奥手の二人がどこまで歩み寄れるかだけやろ」 それまで話しに参加してなかった拓海がそう言うと、ビールを飲み干した。 「まぁ結局はそういうこっちゃ。俺達は少し強引に、背中押してやっただけやから」 涼平もビールを飲み干すと、店員を呼んでふたたび生中を二杯追加注文した。 「真愛が羨ましいわ。あんな優しい心で一途に想われているなんて…」 夏希と交代して帰って
よしゆき さん作 [120] -
恋、二度(ふたたび) 44
「ここで逃げたら男とちゃうで、ダメ元やないか告白してこい」それまで黙っていた悟志も言った。 「多分真愛もあなたが好きだよ。じゃないとあなたの陰に隠れたり、逃げずに話したりしないよ。それにもう三年になるかなぁ、一度だけラブレターをもらったっていう話しになって、『それ以来…』って呟いてその後は一切喋ろうとしなかったことがあったのよ。あの時、私と香緒里で散々問い詰めたけど、結局何も喋ろうとしなかった
よしゆき さん作 [134] -
恋、二度(ふたたび) 43
「夏希どうするねん。あれやったら応援してやってもええんやで、って言ったやろ」 涼平が今までの成行きをみて聞いてきた。 「まだ気持ちが…」 俺が躊躇していると、 「何言うとんねん。お前、八年以上悩んできたんやろが。なにをいまさら…あのラブレターはなんやってん。ずっと前から知ってたんやで」 涼平は、俺の真愛への思いをとっくに気付いていた。 「確かに…ずっと小野の事が好きやった。その気持ちは今でもか
よしゆき さん作 [129] -
恋、二度(ふたたび) 42
俺達の話を聞いていた香緒里さんが、二次会でのことを掻い摘まんで説明したら 「なんだ夏希さんも涼平さんも真愛と同じ高校やったんや。そんな偶然あるんやね」 と美樹さんは感心していた。 「それだけやないんよ。あんなに男嫌いの真愛やのに、夏希さんだけには、なんかよく喋ってるんよ」 香緒里さんは、ここに来てからの俺達の様子も報告していた。 それを聞いて美樹さんは、 「夏希さん、真愛のことよろしくお願いし
よしゆき さん作 [116]