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ミステリの携帯小説に含まれる記事が2060件見つかりました。
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頭脳と頭脳(10)
プラザ万葉付近にようやく着いた。哲史は、妹から電話があり、話をすましてから後を追ってくると言っていた。あいつは若干シスコンだし、たまにしか妹と話せない。だから、どんな些細なことでも、妹を優先する。当然、俺のことよりも。みんなはバカにするかもしれないが、事情が事情だし、俺はいいと思っている。だから、行き先だけ告げてわかれた。時計の針は、三時半をさしている。急がないと。しかし、プラザ万葉の付近は、事
未熟 さん作 [580] -
DOLL〜薔薇は灰になる 8
藤堂の目に、懐かしさが…そして怒りが…最後には悲しみが宿った。それは走馬灯のように現れては消えていく。藤堂はため息とともに、自分の顔に走る醜い、地割れのような傷に触れた「マリアは…彼女は私の愛、そのものだった。彼女を自分のものにしたいと…愚かにも願ってしまったのだ。十年前、ここにくる前…私はある小さな村で療養していた。そこで、村に住むマリアに出会った…」無表情な美樹の許しを請うように、藤堂は見上
ゆうこ さん作 [494] -
Train 四駅目
停電になって、予備の電気でかろうじて明るい車内に戻った。まだ脳裏にあの怪物の姿が過ぎる。 「うっ……ぇ…」気持ち悪くなったので、ホームにあったトイレに駆け込んだ。便器に着くなり、便器の中に顔を突っ込む 水を流し、すっきりした後、隣のトイレに誰かが入っているのに気付く。俺は試しに叩いてみた コンコンッ コン… コン…力の無い返事だったまるで閉じ込められて出れなくなったみたいに。ドアはもちろん開かな
FANG さん作 [546] -
○屋 ?
『もしもし?』と不安げに携帯電話に出た真司は次の言葉を発する間もなく、東山可奈の声で『名前は言わないで!』と、いきなり言われた。 真司の思考はすっかり停止状態になっていた。『今から話す事を頭に入れください!』と命令調子で淡々と話す東山可奈の口調に真司はただ『はい』と答えるしかなかった。『大通り地下鉄駅の?出口を出てすぐ右手が△会社です。そこに向かって左手にベンチが有ります。そこで携帯の灰皿を使っ
セイハク さん作 [606] -
○屋 ?
真司は喫煙場所を探した。ホームの奥にそれが確認できた。早朝のせいか、慌ただしい光景には見えない。 喫煙場所に向かった、まだ覚めきれない目の中に自販機が跳び込んできた。『目覚めのコーヒー!』と一人ごとを呟きながら購入した。 喫煙場所に着くと早朝のせいなのか一人も中にはいない。独占気分でタバコに火を着けコーヒーを一口飲んだ、とその時「ジリリーン・ジリリーン・ジリリーン・・・」 『何の音だ!』わずか一
セイハク さん作 [610] -
その後……?
その沈黙は,どこか優しい沈黙だったと思う。「怖い…ですよね?」「怖い??」「私は殺人鬼です。」「見えないよ」くすッ…笑い声…微かに志帆の笑い声が部屋に響いた。「あなたが本当に?」「ええ…そうです。」信じてくれていない??私は見た…赤いナイフ,青い顔。――死―――\r「信じてくれないんですか??私のいった事。」「信じてるよ。」何かをさとしたような笑顔を志帆はみせた。「だって…紗英ちゃんが……た…は
クロウ さん作 [440] -
頭脳と頭脳(9)
また、それぞれの区に住宅がある。中央区、北区、東区、西区、南区の順に住宅が多く、家賃が高い。ちなみにここは南区で、墓地があるせいか、最も家賃が安い。地図を見ると、爆破されたプラザ万葉は中央区の真ん中にあった。そして、俺が知ってるプラザ万葉の情報を思い出す。たしか、万葉市最大のビルだった。屋上から見える風景は、万葉市を一望できるとか。昔は、それが売りでたくさんの人がプラザ万葉に行ったらしい。そんな
未熟 さん作 [565] -
その後……?
ズボンもロンTも私の体にぴったりだった。「紅茶とコ―ヒ―,どっちがいいかな???」「ん―,じゃあ紅茶で」まるで,若い女性2人のたわいない会話のようだ。でも実際は,殺人鬼とその知り合い…なわけだが。私は今のこの時間を大切にしたいと思っていた。「はい!紅茶ッ」「いいにおい…ありがとう…美味しそう」「普通だよ。」「いただきます。」「……………」何故か沈黙が流れていた。私は今言わなければいけないな…と思
クロウ さん作 [466] -
Train 三駅目
車両と車両を繋ぐドアに俺は入った。そこには革のカーテンでしか守られていない壁がある。俺は銃で穴を空け、こじ開けようとした。が、革はびくともしない 穴はおろか、傷さえ付けられない。まだだ……、諦めない!そう思った俺はエアコンを確認し、部品を外したら外に行けるのでは…?しかしそんなにこの物語は優しくはない。分厚い鉄みたいなものでびっしりと塞がれていた。 さらに希望を削がれ、俺は途方に暮れた。
FANG さん作 [499] -
Train 二駅目
ガー ――「次は赤―ゥ――です。」俺は携帯をいじりながら、一応リュックに入れていたボトルゼリーをすする。 これから何をすればいい? 「まもなく赤―」〜――」ドアは開かないし、いつまでたっても赤ナントカに着かない。「お乗り換えは”フタツ”――≡です」そうだ、ドアには緊急時に手動で開けられるレバーがあるはず。 緊急レバーの蓋を開けると、ガチャンッと音が下に聞こえる。何かが落ちたのだ。 「これは……?
FANG さん作 [543]