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ミステリの携帯小説に含まれる記事が2060件見つかりました。
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DOLL〜薔薇は灰になる〜7
瞳から零れた血の涙を藤堂の気付く前に拭きとるのは不可能だった。それは陶製の肌に染み込み拭いても拭いても薄い痕を残した。この事実を知った藤堂の動揺は凄まじかった。体中を震わせ、人形から逃げるように自室に篭ってしまったのだ。これにはメイド達も首を傾げた。激しい叱責を覚悟していた竹内でさえ、二、三のメイド達と囁き交わした程だった。屋敷内においてただ一人…乙部美樹だけは主のその反応を冷静に見つめていた。
ゆうこ さん作 [537] -
頭脳と頭脳(8)
「まあ事件がわかっても意味ないっすよ。それよりも、『空の上の星』と『少女』について考えないと。」たしかにそうだ。そうなんだが、なぜ覆面は爆破事件の犯人のようにふるまったのか?みえか?いや違う。それならあんなことを言って、見破らせたりはしないだろう。なにか意味があるはずなんだ。だが、やはりそれはわからない。なら、哲史の言うとおり、こっちを先に解くべきか。こっちにはタイムリミットがあるのだから。「空
未熟 さん作 [670] -
○屋 ?
『たしか、夜行の切符が無くて「おおぞら」にしたはずだよな?』 そう思いながら小用をたした。手を洗いながら『あいつだ!やっぱり見張ってる!』そう思い込む真司だった。 確かに偶然にしては偶然過ぎる気もするが、全く偶然である。その男とはこの後、会うことはないのでお伝えしておきます。だが不安が真司の妄想を掻き立て止まない。 その男の姿を探しながら自分の席へもどった。 『見張ってる!当たりまえだよな!逃
セイハク さん作 [651] -
○屋 ?
バックを上段のベッドへ放り込むと真司はハシゴを上り、酒とツマミの入った袋を隅に置き布団を寝られるようにした。『狭いなぁ』と不満を感じながら、足を延ばし列車の壁にもたれた。 ワンカップを開け「本当に何をするんだ?」一人旅の心細さと金額に対する不安、さらにそこにある限られた空間が今までより不安を掻き立てた。 夜汽車は発車した。カターンカタカターンと音が加速していく、同時にその振動が真司の不安をさら
セイハク さん作 [629] -
孤独感(2)
焦り孤独焦り孤独焦り孤独焦り孤独頭の中で二つのワードが駆け巡る。友達とお揃いで買ったキャラクターの筆入れから、彼氏とお揃いで買ったシャーペンを出す。そういえば、私はいつも‘友達’とか‘彼氏’とか‘先輩’っていう存在が無ければ孤独だった。まさに今がその孤独である。私はシャーペンで腕を思いっきり刺した。でも、すこし赤くなるばかりで、私の求めてる物は出てきてくれなかった。「 !」私は振り返った。そ
朝胡 さん作 [441] -
孤独感
朝起きたら皆が居なかった私はリビングの真ん中で立ちすくんでいた。声は聞こえる。まるでどこから出ているのか考えさせられるような甲高い女子の声、犬怒鳴る大人の声。かなり騒々しい、なのに。私を置いて皆は居なくなっていた。私は渋々家の外に出てみた。外には誰も居ないようだ。「 」私は振り返る。そこには誰も居ない。いつもなら朝ちらほらと中学生が歩いているはずだが、今日は誰ひとり居ない。とりあえず学校にだ
朝胡 さん作 [466] -
その後……?
静かに…時間は流れていった。でも確実に私の最後に近づいている…。バタバタ…「紗英ちゃん!はいッ!!これを着てね。」淡い紫のロンTを志帆は持ってきた。「ありがとう…」いつのまにか,私の目からは,涙が溢れていた。「いいの!いいの!これくらい。あと,ズボンも持ってくるね!!」「うん。ありがとう」―笑顔―\r自然に出てきていた。素直に嬉しかった。
クロウ さん作 [387] -
Train
ガタン−−− ゴォガタゴトン−−−最近出来た複々都心線の電車に揺られ、外にある景色を眺める……。暗いトンネルを抜け、青で彩られた世界に続き、また暗いトンネルに入るそんなループを繰り返す不思議な路線を走る電車に乗る俺は、何処に向かう? そんなの 知らないよね俺は古池信太(コイケシンタ)。 東京に住んでいて、少し有名な大学に通う、スポーツが好きな普通な人。普通……なのかな…?まあいい、とりあえず今
FANG さん作 [596] -
DOLL〜薔薇は灰になる〜6
その日から、美樹は働き始めた。なんといっても、屋敷の広さには驚かされる…掃除は月に一度、業者がやってきて隅々まで綺麗にしていく。が、もちろんメイド達もやらなくてはいけない。なかでも大変な作業なのが、屋敷内外合わせて14名もの人形達の着付け。豪華なドレスや、華奢な作りのワンピース、時には美しい西陣織の着物など多岐にわたるが…これが非常に骨が折れた。それでも美樹には苦痛には感じない。マリアに触れるの
ゆうこ さん作 [525] -
頭脳と頭脳(7)
「そうだ。あいつは爆破事件なんて一言も言ってない。」哲史の顔が悔しそうに歪む。「だまさせられてた。」「ああ。ある場所で大々的な事件がおこり、その場所で事件をおこしたといえば・・・・・・」「その事件をしたとしか思わない。はったりや、虚勢をするうえでの典型ですね。」そう、思考を固定する。詐欺などの基本。「しかし、花火をたくさんの人に見てもらったって言ってましたよ。」そこか。それはさっきのニュースが証
未熟 さん作 [620]