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ミステリの携帯小説に含まれる記事が2060件見つかりました。
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箱のなか17
「それで面白いこと考えたの。最初みたいにとり憑かれたあたしが闇雲にあんたと雅也を殺すって言うのじゃなく…雅也にも一役かって貰おうってね。あいつ、嬉しそうに持って来てた猫と犬の血をかけて、悲鳴あげて…後で死ぬってことも知らずに、笑えるでしょ。シャツ切り裂いてガラスを立てて。その方がより、面白いじゃない?」香月は涙が伝うのを感じていた。「あたしを殺して亮があんたを許すと、どうして思えるの?」アズサは
ゆうこ さん作 [537] -
箱のなか16
香月とアズサの目線が絡む。「あんたが仕組んでいた…と考えれば、全部につじつまがあう。あんたが持ってきたネタ…あんたが鉄線のない部分を見つけた…そしてあんたは二階にあたし達を導いて、あらかじめ決めていた部屋にくると躊躇なく入り込んだ。あんたにとって、予定外だったのは…亮を誘ったことだったんじゃないの…?」アズサが笑った。「亮はいてもいなくても良かった。でもどっちにしろ雅也は…」香月は頷いた。「殺す
ゆうこ さん作 [531] -
箱のなか15
香月は走っていた。暗闇もガラスも怖くない…何かに追われるように走っていた。階段を見つけ、駆け上がる。その時、甲高い悲鳴が聞こえた。アズサ…?アズサが、叫びながら走っていた。「アズサ!ここにいるよ…早く…」チカッと電灯が輝き、その光は迷うことなく香月に向かってくる。その姿を見て、香月は驚いた。着替えたはずなのに、亮の服はまた血で汚れていたのだ。「アズサ…あんた…」アズサは息を切らしながら首を振る。
ゆうこ さん作 [525] -
箱のなか14
亮はアズサに気を配ってはいたものの、一人きりで香月が一階に向かって行ったのが心配でたまらない。雅也があの状態でどこかに消えたのも、生きていてホッとしたと言うよりは…どこか違和感を感じずにはいられなかった。そんな考えが頭を過ぎった瞬間、ガツンと何かが後頭部を直撃した。……あ……アズ……? 亮が振り向いた時、一瞬電灯が背後の人間を照らしたが、それが誰だったのか確認することなく亮は意識をなくした…。一
ゆうこ さん作 [529] -
箱のなか13
「アズサ!」亮とアズサが二人、声を揃える。「大丈夫よ、何かあったら電話する。携帯持ってるし…って、持ってないや…手提げ、そういえば無くなってる…」アズサは初めて気付き唇を噛んだ。亮も愕然とする。「俺も…最初、コックリさんやった部屋に鞄ごと置いてきちまった!あの時みんなの鞄、ベッドの端に置いたんだよな」アズサはアッと声をあげた。「そうだった…私が無意識で置いたからみんなつられちゃって…。わたしまる
ゆうこ さん作 [561] -
箱のなか12
どうしたらいいの? アズサの言葉に、香月は頭を巡らせ考えた。コンビニで四人が一緒にいるところを見られているし、防犯カメラにも映っている…。考えたい!もっと、落ち着いて。でも隣にさっきまで笑っていた雅也が死体になって、今アズサが…1番大事な友達が「殺人者」としてここにいる。どうして?なんでこんなことに…。アズサも同じ思いなのか悲痛な顔で座り込んでいる。「わたし、自首する」「馬鹿いうな!雅也ま
ゆうこ さん作 [554] -
Room The Truth (弐)
あらすじRoom19で岩に潰される明 残るは崩壊する洞窟と共に死を迎えるはずだった。ドカン!と音をたて、岩が崩れ落ちて来る 「ハラショー……これでいいんだよ。」ハラショーがこっちを見て叫んでる 「明あぁーっ!!!」足に激痛が走る 岩に潰された。 「ちっ…、呆気ねぇな…俺の人生…。」「くっ…!実験体……032…!」今頃澤谷が目覚めたらしい。手には俺のナイフを持っていた。 「死ね!」 ナイフで
FANG さん作 [486] -
〇屋 ?
221〇屋「これだ!なんか簡単な看板だな。」真司はドアを開け大きめの声で「タムラシンジです!」緊張気味に中に入った。次の瞬間、目を疑った。普通のワンルームマンションに机が二つ向き合ってあるだけだ。「どうぞ中へ」聞き覚えのある声だった「ハァ」「そこの机どうぞ」「ハ!ハィ」『わりと綺麗な涼しい顔だな電話よりずーっとイメージいいや』 「私は東山可奈!よろしくお願いします」「早速説明します。報酬は七百
セイハク さん作 [726] -
〇屋 ?
失業保険も底をついた真司にとって決断を急がせることになったのは事実だった。財布を見て真司はため息をついた。そして「やっぱりさっきの所行ってみるかな。四時までちょっと早いから職安覗いてな」と思い直したのだった。とにかく部屋をでた真司は、いまだ解せなく気掛かりで不安だった。職安も覗くことは覗いたが代わり映えのない募集にさらに気落ちした。○屋というらしいその住所は職安から車で5分はかからない所になって
セイハク さん作 [732] -
〇屋?
「何で?まるでもう働くみたい、いや社員じ」「プープープー」「切れてる」変だと思いながら携帯電話眺めた。ふと時刻を見たら二時十一分。「どうして俺の名前を、いやチラシが どうして俺の所だけ?」不愉快で不思議な気分に行くか行くまいか躊躇していた。と、その時「ダンダンダン」ドアを強く叩く音がした。そのタイミングの悪さに心臓が止まりそうな位驚いた。「ダンダンダンダン!田村さーん」 誰だ!何なんだ?不安と不
セイハク さん作 [730]