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ミステリの携帯小説に含まれる記事が2060件見つかりました。

  • 龍と狼57

    彼は父方を日本人、母方をアメリカ人に持つハーフである。名前はケビン・スチュワート。世界の穀物市場を牛耳る、いわゆる五大メジャーの最上位、“スチュワート&ウルブス社(S&W社)”の創業家、スチュワート一族の若き後継者であり、各種多様に及ぶあまたのグループ企業を傘下に治めるS&W社の会長職を務める。彼の言動一つで、世界の穀物相場が大きく変動する程の影響力を持ち、一国の国家元首ですら、自国の穀物産業に
    武藤 岳 さん作 [378]
  • 龍と狼56

    柳田は、特に深い疑念という訳ではなかったが、何となく、今の執事とアイリーンのやり取りが不自然に映った。しかし、自分が“錆びた”と思い込んでしまった柳田には、杞憂でしかなかった。天井が高く、大理石の柱で造られた長い廊下を、初老の執事に先導されて、二人は大きく、奥行のある広い応接室に案内された。中世の城を彷彿させるような室内の真ん中に位置するソファーに、部屋の空気と全く調和しない、くたびれた濃紺のス
    武藤 岳 さん作 [330]
  • 龍と狼55

    柳田は、逆にアイアンを失ったアイリーンに哀悼の言葉をかけた。彼女は思った程、落ち込んではいなかった。アイアンとアイリーンの人となりを知りたくて、馴れ初めを聞いてみて、柳田は驚いた。彼女は元FBIの対テロ特殊捜査官だった。 アイアンが、コロンビアで負傷し、リタイアしてから間もない頃に、共通の知人の紹介で二人は出会ったそうだ。結婚後、彼女はFBIを退職して、柳田がアイアンに与えた“アルバイト”程度の
    武藤 岳 さん作 [313]
  • 龍と狼54

    それが、今回、アイアンの死によって、誰も彼をマークする人物がいなくなった為、自分自身で会う事を決意したのだった。アイリーンは、テロの警備体制の事を考慮して、柳田が到着する時間より、かなり前から到着ロビーで柳田を待っていた。アイリーンは、身長が180cmは軽く超えている長身で、体型もスリムで、モデルのような美貌だったが、諜報活動には不似合いな女性だった。歳は40歳代前半といったところで、柳田やアイ
    武藤 岳 さん作 [325]
  • 龍と狼53

    「ソン、もうやめて!お願いやから、人殺すの、もうやめて!」「ソルミ、後、もう一度だけだ。それで、全てが終わる。」「いやや!お兄ちゃんが死んで、ソンまで死んだら、私、どないしたらええんよ!」ソルミの涙ながらの訴えをソンスンは優しく受け流した。「ソルミ、必ず帰ってくる。だから、待っていてくれ」ソンスンと、チャンホは倉庫を出て、急いでタクシーを捕まえると、空港へと向かった。六.テロ直後の、物々しい警備
    武藤 岳 さん作 [345]
  • 龍と狼52

    「世界規模で、同時にテロを行える奴等は、ただのテロ集団ではない。非常に統制のとれた連中だ。しかも、我が国の国防大臣やEUの行政責任者を、狙い撃ちのような、爆弾テロを遂行した事を考えれば、国軍並の戦力と情報収集能力を持ち合わせていると考えなければならない。どんな手を打ってでも、奴等は襲って来るよ」さすがは、軍幹部出身者、元韓国三軍(陸・海・空)の連合作戦総本部長だ。 自分のような、実働部隊とは違う
    武藤 岳 さん作 [319]
  • 龍と狼51

    『無茶苦茶だ!』ソンスンは心の中で叫んだ!影も形も判らない連中を、どうやって棟方と一緒にさせるのか?「近日中に・・・」ソンスンが動転している間に、相手の話は続いた。「私は、近々、先日のサンフランシスコでのテロ事件の追悼セレモニーに出席する為に、アメリカへ渡る事になる。その式典には、日本の彼も、アメリカの国家元帥も、いや、世界の指導者達が出席する」ソンスンはハッとした。「と、言う事は?」「ニホンオ
    武藤 岳 さん作 [320]
  • 龍と狼50

    「君の要求だが、実に驚きの内容だった。率直に言って、君の要求は呑めない。」ソンスンの表情が固くなった。「たとえ、フリーランスの人間であろうと、一国の最高責任者の抹殺を容認する事は、テロを支持する某国と変わりがない。」「お待ちください。」ソンスンは意見を述べようとした。「だがね・・・」しかし、相手は先を続けた。「まず、一つ、君に確認しておきたい。彼をこの世から消しても、直ぐに第二、第三の彼が現れる
    武藤 岳 さん作 [382]
  • 龍と狼49

    チャンホの携帯電話が鳴った。チャンホは、さっきまでとは明らかに違う、緊張した口調で相手と話し始めた。しばらく話をした後で、チャンホがソンスンに携帯電話を差し出した。「君に代わってもらいたい。」ソンスンは、意外な申し出に、抜いたナイフを背中に戻し、チャンホから携帯電話を受け取った。「もしもし・・・」聞こえてきた声は、更に意外な声だった。「あっ!」ソンスンは、思わず驚きの声をあげた。「私が誰なのか、
    武藤 岳 さん作 [353]
  • 4の呼吸?−?

     教室の扉は開いている。   間に合った−−−   そして二人は廊下を走る勢いのまま教室に駆け込んだ。完全に息があがってしまっていた。その時だった。 「こらっ!」   その声にびっくりして教壇の方を見ると担任の佐藤 静子(しずこ)が立っていた。  しかも六年三組のクラスの皆は全員きちんと席に座っている。それが二人にとって嫌味にほかならなかった。 「あなたたち、今日は朝礼があるの知ってたでしょう。
    SABLA さん作 [438]

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