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ミステリの携帯小説に含まれる記事が2060件見つかりました。
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4の呼吸?ー?
夏休みが明けて二日目の朝。 小学六年生の渡辺 魁(かい)にとって、今はとてつもなくだるいのだろうか、大きく口をあけて眠気と闘っている。つまり欠伸だ。 そんな彼が眠気を覚ましたきっかけとなったのは、通学路の前方を通学鞄を背負って、速足で歩く、一人の少年の後ろ姿だった。「わぁーたぁーるーっ!」 魁がそう叫ぶと、進藤 渉(わたる)が振り向いた。 魁と渉は親友だった。「なんだ、魁じゃないか、びっくりす
SABLA さん作 [513] -
DECEIT [脱出] ?
段々と寒気を感じてくる時刻、今は太陽の光も見えてはいない。 爆音をあげながら走り続けていた車はとある錆び付いた鉄工所へとたどり着いた。 辺りは暗く、人の気配がない。 望が照明を点けようと壁沿いに歩いている間、謎の男Jと二人きりにさせられていた光は、とてつもない不安にかられていた。 ガクンという音と共に天井から眩しさが伝わってくる。 明かりが灯った電球は、段々とその存在感を増してゆく。 「何故こ
etc. さん作 [542] -
龍と狼48
「オオカミも、棟方も、どちらも祖国にとって害な奴等だろ?その始末を、あんた方は、手を汚さないで済むんだ。」チャンホは観念した素振りで、ソンスンに言った。「電話をさせてくれ」チャンホは携帯電話を取り出すと、すぐにアドレス帳を開いて電話を始めた。ソンスンは、このあまりにも突然な要求が、このまま、この場で危険分子として、ソルミと共にチャンホに抹殺され兼ねない危機感を感じ、タンクトップの背中に仕込んであ
武藤 岳 さん作 [367] -
龍と狼47
「二つ。俺が過去に犯した日本人殺害の罪を全て水に流し、国民としての権利を復帰させる事。」これも、チャンホは黙って首を縦に振った。「三つ・・・。俺に、日本の首相、棟方を殺らせろ。」黙って頷くだけだったチャンホは、あまりにも意外な要求に驚きを隠せなかった。「ちょっ、ちょっと待ってくれ!」チャンホは動揺した。「何か問題でもあるのか?オオカミ退治をする前に、棟方を殺らせろと言ったんだ!あんた方にとっても
武藤 岳 さん作 [352] -
龍と狼46
「奴等が日本人でもか?」チャンホが挑発した。ソンスンはムッとした表情になった。「あんた達、NISは、KCIAの頃から、破壊工作や暗殺はお手の物じゃないか!何故、わさわざ“プライベーター”の俺を使おうとする?トカゲのしっぽ切りか?」チャンホは、仕方ないといった表情になった。「ウンジュが教えてくれた情報によると、連中の拠点はアメリカだ。まだ、それ以上は何も判っていないが、我々としては、連中の幹部、又
武藤 岳 さん作 [338] -
龍と狼45
泣き崩れるソルミを、ソンスンはゆっくり抱え上げて、イスに座らせた。チャンホは、ソンスンの方を向いて、静かに話し続けた。「彼は昨日、亡くなる直前に、私に連絡をしてきてくれました。あなた方と一緒に、連中と格闘した直後から彼は狙われ、連中の尾行を察知した彼は、孤軍奮闘、連中を確保して、私に連絡をするに至りましたが、その直後に連中の自爆の犠牲になりました。」ソルミの泣き声が大きくなった。「しかし、彼はと
武藤 岳 さん作 [329] -
龍と狼44
“本店の人間”!?NIS(韓国国家情報院)の人間!?ウンジュが帰宅しない事や昨日のテロ事件と関係ない訳がない!ソンスンは拳銃をソルミに渡して、入口を狙って構えさせ、シャッターを静かに上げた。そこには、黒のスーツ、紺色地に水色の水玉模様のネクタイを着けた三十代前半の、凛々しい顔つきの男が立っていた。ソルミが銃を構えて、自分を狙っている事に気付くと、平然と近付き、左手で銃を覆い被した。「私には、その
武藤 岳 さん作 [312] -
龍と狼43
ソルミはそわそわしながら、あちこち移動してみたり、座ってみたりと、全く落ち着かなかった。逆に、ソンスンは、閉ざされたシャッターの手前で、不審者が現れたら、いつでも発砲できるように、拳銃を握って立ったままでいた。昼過ぎに差し掛かった頃、シャッターをノックする、来客者が現れた。ウンジュの生還を願うソルミは、一目散にシャッターに駆け寄ったが、用心棒役のソンスンに制止された。そのまま、シャッターの新聞受
武藤 岳 さん作 [326] -
龍と狼42
「お兄ちゃんっ!」ソルミは、叫びながら駆け出したが、すぐに迷彩服の自衛隊員に取り抑えられた。「ここは、封鎖地域です!速やかに・・・!」「うるさいっ!!!お兄ちゃんがいてんねんっ!あっちにいてんねん!どけっ!ボンクラっ!」ソルミと自衛隊員が押し問答をしていると、周辺の自衛隊員も応援にかけつけて来た。ソルミが先程の勢いで蹴りを繰り出すモーションに入ったのを見て、ソンスンがソルミを自衛隊員から引き離し
武藤 岳 さん作 [340] -
龍と狼41
ソンスンが、ウンジュの心配をした時、市場の向こう側から大きな爆発音がした。悲鳴や絶叫が飛び交い、周囲は逃げ惑う人達と、現場に向かおうとする警察や消防、自衛隊などで大混乱に陥っていた。「何故、現場封鎖をしないんだ?それだけ、指揮系統が混乱しているのか?」ソンスンの呟きは、現実だった。警察はまだ、この事態を事件・事故の両方の見方ができるという理由で、テロとは断定せず、爆心地を立ち入り禁止区域として、
武藤 岳 さん作 [330]