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ミステリの携帯小説に含まれる記事が2060件見つかりました。

 
  • 愛病 9

    意識が朦朧とする中、目を開くと太一が横で寝ていた。ベッドではなく床で、1人と1匹が寝ている。太一の身体からは、赤いものが流れ出ていた。それは、私が倒れているところまで流れ、白い毛を赤く染めていった。私は太一に愛された。幸せだった。カーテンの隙間から暖かな光が漏れていた。春の暖かな光のようだ。太一がいつも通りに起こしてくれることを祈って、私は再び目を閉じた。「ミサキ、おはよう。」『ミャー。』って。*
    さん作 [618]
  • 愛病 8

    驚いて振りかえると、彼は私を見下ろして言った。暗くて顔が見えなかった。「お前、昼間にあいつとじゃれてただろ。さっきお前の身体に黒い毛がついていた‥‥。2匹の猫が最近よくアパートの前で、じゃれあってるのを見るって大家が言ってたぞ‥。ネックレスはどうせそのとき落としたんだろ?なぁ、そうだろ?ミサキ‥‥?」太一の顔が月明かりで見えた。寂しそうな、ものすごく悲しい顔をしていた。こんな顔の太一を初めて見た。
    さん作 [618]
  • 愛病 7

    ある日、黒猫とじゃれあって部屋に戻った。しばらくすると太一が帰ってきた。「ただいまー。」『おかえり、太一。』私は、太一に抱きついた。太一は、笑って私を抱き締めてくれた。私の大好きな太一の笑顔だった。しかしその笑顔はすぐに曇った。太一は私の首元に目をやった。「俺があげたネックレスは?」『え‥?』私の首にはネックレスがついていなかった。「落としたの?」太一は、そう言うと部屋を探し始めた。私も一緒に探し
    さん作 [614]
  • 愛病 6

    部屋に戻ってからも太一は不機嫌だった。スーツを着たままベッドに横になっていた。『ねぇ、怒ってる…よね。ごめん。』私がそう言って太一に近づくと、「もう、黒猫とは遊ぶなよ。鳴かれても飼えないもんは、飼えないんだ。」と、彼は体を起こして言った。『ごめん、』彼は、少し笑って私を抱き締めた。「夜ご飯にしようか。」『うん、』太一は優しかった。好きだと、改めて感じた。その日の夜は静かだった。どこかに行っちゃった
    さん作 [615]
  • 愛病 5

    あれから何日か経ったある夜のこと。外から猫の鳴き声が聞こえた。「ニャー、ニャー、」鳴きやむようすがなかったため、しかたなく身体を起こした。横で寝ている太一を起こさないようにそっとベッドから降りた。ベランダに出て下を見るとあの黒猫だった。ついてきちゃったんだ‥。黒猫は私に気付いたようで、こちらを見ながら鳴いていた。「ニャー、ニャー、」私は部屋に戻ったが鳴き止まなかった。それから黒猫は毎晩来るようにな
    さん作 [598]
  • 愛病 4

    寒いなぁ‥‥。冬の夜はひどく身体に堪えた。月明かりの当たるベンチに座り夜空を眺めた。星が綺麗だった。どのくらい時間が経ったのだろう。辺りがうっすら明るくなってきた。寒さも限界だった。そろそろ帰ろう。ベンチから離れ歩きだそうとした時、「ニャー‥。」後ろから猫の声が聞こえた。振りかえると真っ黒の猫がこちらを見ていた。私が歩み寄ると、黒猫は逃げることなく私に擦り寄ってきた。野良猫なのか、身体が汚れていた
    さん作 [583]
  • 愛病 3

    その日の夕方、電話が鳴った。ちょうど2人で近くの公園まで散歩に行って帰ってきたところだった。太一が電話に出ると、すぐに楽しそうな会話を始めた。そしてその日の夜、太一の家は賑やかになった。電話をかけてきた太一の友達を含め、3人が家に来た。太一と私の住むマンションは駅の近くにあり、集まりやすい訳か太一の家での飲み会は急遽決まったようだった。みんな酒を飲みはじめ、異様なテンションとなった。私は飲めないか
    さん作 [600]
  • 愛病 2

    それは綺麗に真っ赤なリボンがかけられた白い箱だった。『なに、?』キョトンと目を丸くしていると彼はまた、クスっと笑った。彼はその箱を私の目の前に持ってきた。そしてリボンをスルッと解いて箱を開けてくれた。「これをミサキに‥‥つけて貰いたくて頑張ったんだよ。」箱の中には、まるでサイダーの中に入ったビー玉のような、青い綺麗な宝石がついたネックレスが入っていた。ものすごく綺麗で私は見とれてしまった。『き、綺
    さん作 [625]
  • 愛病 1

    私達はいつから一緒に暮らしているのだろう。私は生まれ落ちた時から、貴方と一緒にいる気がしてならない。「ミサキ、おはよう。」太一は、いつも通りにそう言って私を起こした。外は明るかった。私が、うーんと伸びをしているのを太一は横で見ていた。彼は微笑み、私の頭をそっと撫でた。『おはよう。太一。』彼は、ベッドからおり洗面所へと消えた。私もベッドからおり、カーテンを少し開けた。季節は冬。床が冷たかった。ゆっく
    さん作 [592]
  • 気まぐれな神様

    不良の少年、小太りの中年の男、長髪の少女の3人が神様に捕まり、箱の中に入れられた。 その箱は、一辺が10メートルで上の面が無い立方体だ。 上には、ものすごく大きい神様が箱を覗きこんでいる。 神様と言っても、人が嫌いで人を救わない悪魔のような存在だ。 神様は口を開いた「愚かな動物の人間共よ、この箱の三人のうち一人だけ生き残った者は特別に元の生活に帰してやろう、ワシは人は嫌いだが約束は守る」 不良の少
    サムシングさん作 [939]
 
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