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ノンジャンルの携帯小説に含まれる記事が5567件見つかりました。

  • 白い部屋

     遠くから祭の太鼓が聞こえる。こんな日は、外来が賑わう予感がして、すこし臆病になる。 無医村に近い田舎の土地で、「何も起こらない」ことを淡く期待しつつ、眠れない夜を過ごす。睡眠導入剤は、たぶん、使わない方がいい。自宅の医院から持ち出した精神安定剤を規定量だけ飲み込んで、白く固いベッドに横になる。ひんやりして冷たいベッドは、体の芯まで凍った気分がして、めまいがする。 病院は白い。白は潔癖で、清純で
    椿 さん作 [206]
  • 旅の記憶(クラッチ 4 )

    ブルの店「DRUG」でバイクを見る聡とブル。聡、「ブルさんは何か乗ってんっすか?」ブル、「あぁ、あそこのZZR、最速よ(その当時)こんにちは!ってね。楽してんのよ」聡、「へー、 ハーレーとかに乗ってんのかと思ってましたよ」ブル、「もう少し年取ったら良いかもな」聡、「んー…なんか良いの無いですかね」ブル、「俺のおさがりになるが、これどうだ?」聡、「これって忍者?」ブル、「あぁ、色々手を入れたけど、
    ヒロ さん作 [329]
  • 旅の記憶(クラッチ 3 )

    なんとか二人、無事に免許を取得する。陽子は言ってた通り「CB」を買う。納車日、バイク屋へは聡のゼファーで陽子を乗せて行った。少し古ぼけた感じの店。名は「モーターサイクル DRAG」とある。この怪しい店の中から、また怪しそうな店員が出て来た。(この店員どこかで見た様な…?)ブル、「おっ!来たな、バイクはもう出来てるよ」と言って店の裏に案内された。陽子、「ブルさん、エンジン掛けていいの?」ブル「ああ
    ヒロ さん作 [356]
  • 狂った京王線

    全て狂っている。何がモラルだ!所詮、人間は動物だ!何が法律だ!とある平日の朝、出勤を装い明大前で京王線に乗り換え、新宿まで向かうまでの悲惨な出来事であった。私は3両目あたりに搭乗した。人がごった返す中、人との隙間に挟まれながらゆらゆらと発車していく。その車両の中で、何か一抹の不安を漂わせる空気が立ち込める。とりあえず、座席をめざして優先席側へ歩いた。その時であった。俺はまさしく目を疑った。目の前
    ジムモリソン さん作 [269]
  • 旅の記憶(クラッチ 2 )

    実習中の聡と陽子。陽子の方はというと、真面目に背筋を伸ばし「目一杯」という感じで、普通免許を持っている聡は、言われた事は難なくこなすのだが、陽子が気になるらしく、気合い十分、勉強十五分…まあ、若いのだから仕方がない。実習も終わり、二人は一緒に帰ることになった。陽子、「聡君って大型なんだね。バイクは何か乗ってるの?」聡、「うん、ゼファーなんだけどね」陽子、「ゼファー?!いいなぁ」聡、「よ、陽子さん
    ヒロ さん作 [375]
  • 旅の記憶(クラッチ 1 )

    聡は二十歳も過ぎ、人との「付き合い」というものを覚え、先輩や上司に、帰りの「一杯」を誘われるまでになっていた。そんな頃、勤めている工場に同年代の女性が入って来た。彼女は「陽子」と言い、髪は長く、笑顔が、陽射しの様に眩しく思えた。その明るさからか、工場では先輩方からは可愛がられ、楽しそうに仕事をしているのが聡には「羨ましい」のか、「嬉しい」のか…複雑でした。そう、聡は恋をしたのだ。しかしと言うか、
    ヒロ さん作 [397]
  • スカバンburn!! 12

    「けぇちゃん、次のライブいつなんー?」「…んーいつやったかなあ」「もうっけいたろーはあかんなあっ!タケちゃんわかるー?」「…来週やったと…思うーはーちゃん用意できた?」「もうちょっと!!!」「じゃあまたわかったら教えてなあー!けぇちゃんドラム頑張ってねー」「うん、頑張る」彼女達は光希の存在には全く気づいていないかのように去っていった「タケ帰ろー」波音は友人に手をふり教室をでてきた「みんな人気者や
    きゃしー さん作 [321]
  • 流狼−時の彷徨い人−No.13

    「旅立つお前に、元服の名を与えねばならんな」 景虎がそういうと、三郎は思い詰めた表情でこたえた。「願わくば、半次郎殿と同じ名を名乗りたいと考えております」 それはこの七年間、心に秘めていた想いだった。「我が友もあの世で喜んでおろう」 三郎の望みを容認した景虎は、三郎の中に義の心がしっかりと根付いていることを知り、嬉しく思っていた。「話しは変わるが、お前はしゃんばらなるものを知っておるか?」 別れ
    水無月密 さん作 [396]
  • 最近の心のうち

    中々逢えない… 逢いたくて逢えないんじゃくて… 逢いたい頻度が減ってきたから逢えない。 『どうして私なの?』の問いかけや… 『寂しいよ…』の問いかけには、答えてもらったことがない。 貴方が眠ると 涙がポトポト落ちる 気づかない。 寂しさと嫉妬に壊れそうになったこともあった。 貴方が私を手放さないのは私が大好きだってことを感じてるからだろう。 泣いて 手に入るならば…容易いけど 好きから 愛してる
    さん作 [392]
  • 流狼−時の彷徨い人−No.12

     城壁の上に立ち、これが見納めと眼下の風景を眺める三郎。 七年の歳月は、少年を精悍な若武者に成長させていた。「そこにおったのか、三郎」 景虎に気付いた三郎は、ひらり飛び下りてひざまずいた。「ご用ならば、私の方から出向きますのに」「やはり気は変わらぬのか?」 数え年で十六になった三郎は、元服を機に長尾家を出ることを決めていた。 それを知った景虎は翻意をうながしていたが、三郎の意思は硬く、旅立つ日を
    水無月密 さん作 [428]
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