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ノンジャンルの携帯小説に含まれる記事が5567件見つかりました。

  • 夜に咲く華〜華の編10〜

    連絡をもらい太一が酒場に足を踏み入れた時には圭吾はすでに泥酔状態でカウンターに俯していた。「圭吾、どうしたんだ?飲めない酒など飲んで」圭吾は薄目を開けて太一をみた。「太一か。今日、検査の結果が出てね。永くはないと言われたよ。悔いの残らぬ様にとさ」しどろもどろながら太一にそう伝えるとグラスの酒をあおる。「もうよせ。身体を壊してしまう」太一の言葉に圭吾は大声で笑った。「壊れる?もう壊れているんだ。何
    岬 登夜 さん作 [255]
  • 惰情

    渦を巻いている昔ながらの蚊取り線香を眺めているうちに、いつの間にか自分が眠っていてしまっていたことに彼は気が付いた。 渦は焼け落ちていた。灰塵と帰した「元」蚊取り線香は見るからに空しくて、そこにあるだけで部屋の温度が二、三度下がったのでないかと思われるほどだった。 彼はぼんやりを止め、立ち上がると、風に棚引いていたカーテンを脇に寄せた。日は暮れ始め、町は赤く染まろうとしていた。と、すぐ目
    さん作 [220]
  • 私の触角

    窓を開けると、そこは雨のにおいが漂う空間であった。その瞬間に、部屋の中がじっとりと粘り気のある空気につつまれた。寝起きの気だるさのなか、仕方なく重く湿った空気を吸い込む、決してエネルギッシュではない私の肺胞。私の中を湿り気で満たした空気は、私の体内にとどまることを嫌がって、白い息となって屋外に放り出される。2008年、冬。雪子と名付けられた私は23歳を迎えた。
    しずか さん作 [223]
  • 夜に咲く華〜華の編9〜

    家に帰り着くと圭吾は倒れるように座り込んだ。母親が心配そうに駆け寄る。「大丈夫だよ。久々に出掛けたんで少し疲れただけだよ」壁につかまりながら二階にあがる。ベットに横になりながら圭吾は自分の身体を呪った。安静にしているしかない役立たずのこの身体。少し無理すればこの様だ。脳裏に華の健康的な笑顔が浮かぶ。せめてもう少し丈夫なら華さんと恋をして結婚も子供も夢ではないのに。こんな身体の夫、苦労させるだけだ
    岬 登夜 さん作 [275]
  • 新炭酸飲料水「イカヅチ」

    この! 全身を貫かれる感じ!ああ、湧いてくる、湧いてくるのだぁ。この感覚はどこで、どこで出会った? そうだ。僕の初恋の味だ。僕は転校生で、クラスのいじめっ子に早速トイレに呼びつけられた。因縁をつけられ悲しんでいるところへ現れたのが、その初恋の女の子だったんだ。 ああ、吸い込まれる。吸い込まれるぞう! 女の子は次々と男たちを倒していく。 僕はトイレに流された。
    さん作 [223]
  • メッセージ

    「ありがとう」 たったそれだけがどうしても最後までいえなかった。 暖かい春の日にあなたと私は突然さよならしなければいけなくなった。 怒っていますか? 私が最後まで自分勝手だったことを。 私が最後まで弱虫だったことを。 でも、あなたならきっとすべてを受け止めて許してくれたと信じています。 あなたはやさしい人だから。こんな私をずっとずっと支えてくれた人だから。 「ありがとう」 今
    JIN さん作 [232]
  • 見失ったもの

    おかあさん、お母さん。言いたいことがいっぱいあるの。言ってほしいことがいっぱいあるの。私、卵焼き上手くなったよ。朝もちゃんと起きれるようになったよ。箸の持ち方も覚えたよ。泣かなくなったよ。 私がひとりにならないように、いつも傍に居てくれたのに。笑って抱きしめてくれたのに。私が見たい笑顔は、聞きたい声は、何処にも無い。それが信じられなくて、夢を見てるんだと思った。 お願いだから、早く夢から覚めて
    しろ さん作 [201]
  • 自分

    波瀾万丈という言葉があるが、私の人生は全く逆で、これと言って大きな出来事はなかった。私自身が保守的な人間で、問題が起きそうな時や、この先問題が起きそうだと思われる時は、必ず身を引いたり、避けて通っていた。何かに巻き込まれる事も嫌で、前もってそれを潰しておく事もしていた。男なら喧嘩の一つぐらいしているものだ!………一度もない。何でも計算で動き、少しでも嫌な事があると人に当たり、何とか自分の領域に持
    仮面ライダー電王 さん作 [495]
  • サーカスの象

    捕まえられたてのサーカスの象は、逃げ出さないように足に鎖を巻かれる。象は逃げ出そうと必死に暴れる。でも足に巻かれている鎖は切れない。そして、数ヶ月もすると象は逃げ出そうとしなくなる。象は、自分には足に巻かれている鎖を切る事は、絶対に出来ないと思ってしまっている。するとサーカスの人は象の足に鎖ではなくて、ただのロープを巻くようになる。象にとってこれはチャンスだが、象は足に巻かれている鎖を切る事は出
    カレーライス好き さん作 [312]
  • 人になりたい?

    電光掲示板の時計が20時を報せて夕闇に帰宅催告をしている帰りたい……私もあの頃に 帰りたい小さなアパートまだあるんだろうかフフッこんなもつれる足が辿り着けるはずもなくもやがかかった頭の中にそんな昔の記憶を整理する力など有り得なかった笑うしなかい。一人クススと噴き出すように笑ったその細めた目先に街路樹脇の小さな白いベンチを見つけるとよろよろとつかまるように腰掛けた背中を丸め深い息をついてからそのぶ
    みよん さん作 [253]
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