携帯小説!(PC版)

トップページ >> ノンジャンルの一覧

ノンジャンルの携帯小説に含まれる記事が5567件見つかりました。

  • 摩天楼 その35

    摩天楼は消えた。赤い空が広がるだけ。何事もなかったかのように今日は終わるのだ。ライトが彩る。崩されたはずの摩天楼は光を纏う。街は静かになった。暗い影があるだけ。土埃にまみれた廃車置き場にピアノがひとつ。鍵盤はいくつか欠落している。彼女はピアノを背にして座りこんでいた。眠っているのか死んでいるのか。ただ手の中にはローズピンクの宝石が、黄昏に輝いている。街は静かに消えていった。
    river さん作 [436]
  • 摩天楼 その34

    そして突然高笑いを始めたのだ。宝石はコロコロ色を変えていく。街は見たことのない有り様だった。大炎上という言葉がお似合いだ。ひたすら笑い続けた。暫くするとタビトは笑うのをやめて黙りこんでしまった。目に光はない。(君は)(弾くだけでいい)(僕のために)(僕のために)心の中にメープルシロップが流れこんできた。黒い摩天楼は役目を終えてゆっくりと街に倒れる。青い川に飲まれる。(溺れる…)リリィは慌てるが、
    river さん作 [399]
  • 空から1000万(4)

    俺にとってそれは初恋だった…。部活なんて集団行動ダメな俺に向かないし…あの娘は確か陸上部だったっけ…。「かわいいな…」って思ってた…。三年の時、一度だけ、おんなしクラスになったかな…授業中、ティーチャーに当てられてもギャグってた俺…みんなが笑う中、あの娘も笑ってた…。昔が懐かしいな…無性にあの娘と話をしたくなりガードレールを飛び越えあの娘の元へ駆け出していた…。俺は思わずデカイ声で「愛美ちゃんだ
    キユデヒ さん作 [727]
  • 摩天楼 その33

    指先から伝わる冷たさ。何も言わない。ふと見ると、ほんの僅かな隙の開いた口の端に、何かがきらりと光った。宝石のような。(つっかえてる)恐る恐る指で口をこじ開けた。思った通り、メープルシロップが喉につっかえているようだ。しかしさっきみた光はこれではない。メープルシロップの中から石を取り出した。それはローズピンクの宝石だった。メープルシロップを拭ってやると、宝石はエメラルドグリーンに変わった。(これが
    river さん作 [423]
  • 摩天楼 その32

    不思議と涙は出なかった。動かないタビトは人形のようであった。それどころか自業自得だと思えてきた。(あんなばかなこと考えるから)(あんたは馬鹿だ)(なんとか言ったらどうなのよ)屍はメープルシロップのような体にゆっくりと引き摺り込まれていく。リリィは握った手を離さなかった。動かないはずの手に力が入った。力といってもかよわいものである。指を彼女の指に絡ませた。リリィも一緒に飲まれる。(ねぇったら)(あ
    river さん作 [475]
  • エレガント12

    夏子が帰宅した時には母は就寝していた。 テーブルにはラップされたカツ丼とあさりの味噌汁と紙が置かれてる。〈体調が悪いので先に寝ます。ご飯あたためて食べてね…ごめんね。〉と書かれていた。無音のなかひとり寂しくご飯を食べる事は慣れているがやはり寂しい。 智明に愛する女性がいる事を知ってから心に穴があいたような夏子はそんな気持ちだった。 いずれはこんな事もくるだろうとわかってはいたが…本当に自分は孤独
    海城なな さん作 [190]
  • ライムライズ?

     田園風景が広がるのどかな田舎町工事が途中で、やりっ放しのような工事現場脇のプレハブ小屋入口の上には錆び付いた鉄製のとって付けた様な看板。良く見ると、ペンキで手書きの下手くそな文字。《誠一探偵事務所》プレハブの入口前には一人の若い女。手に持っているメモ紙とその錆び付いた下手くそな看板を交互にみている。《間違いないわ!..》確認するとその女は入口脇にチャイムを探すが無い。仕方なく女は、「すみませ〜
    さん作 [532]
  • 空から1000万(3)

    取りあえず俺はこの金を一万円だけ使ってみる事にした。「さて、何買うか?」思いついたのはいつも、眠そうな顔した学生かフリーターか知らんが働いてる。あのコンビニでパックのお茶と弁当を買う事にした。いつもの感じで手に取りレジに向かった。ドキドキした心臓の音がだれかに聞こえはしないか…。店員に一万円札を渡した。特別、何もなく普段通りに買えた!「よし!」心で呟いた…。店員を背にドアへ向かうと「お客さん!す
    キユデヒ さん作 [768]
  • 摩天楼

    知らん顔して街から出て行けばよかったのに。「…だって…」はっきり理由を口にすることができなかった。「マーチならここにはいないよ」リリィはうつ向いたままだ。ヒオは空に伸びる巨大な影に目をやった。影に向かって走っても近づかない。どれだけの時間が経っただろうか。ピアニストだった時間が遠い昔のよう。「ねぇ、あたしもつれてって」灰色の曇った空にどす黒い摩天楼街のビルとは比にならない。透き通るような美しさ。
    river さん作 [459]
  • 摩天楼 その30

    死ぬつもりはなかった。この中にタビトが紛れているかもしれない。重い。圧迫感。リリィは目を凝らしてタビトを探した。 ぼんやりと目に映る。誰かの手、誰のものかは分からないけどその手を掴んで力いっぱい引っ張った。少女の力ではびくともしないが、火事場の糞力というものか。怪獣は苦しみもがく。リリィは腕と一緒に外に放り出された。「あぁっ」思いきり尻餅をついた。その瞬間、怪獣の体がどっと雪崩のように崩れてドロ
    river さん作 [384]
サーバ維持用カンパお願いします。
WebMoney ぷちカンパ

Twitterで管理人をフォローする

利用規約 - サイトマップ - 運営団体
© TagajoTown 管理人のメールアドレス