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ノンジャンルの携帯小説に含まれる記事が5567件見つかりました。
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腐りかけ?
トクンと鼓動が高まり、顔が火照って目線が泳いだ 「…村野さん、アナタ勘違いシテル。アナタが想うような女じゃあないよ‥アタシは」尚は、ヤァ!と両手を広げて「カッコさんはね‥ナミダモロクテ、ナサケブカクテ、セイギカンガツヨクテ、事実を曲げない、嘘の苦手な…哀しみを知ってる人だ」 「……」「僕がカッコさんを全部包んであげるから…突っ張っていなくていいから。」「アタシは、嘘つきだし不道徳な行いだ
Seoul さん作 [235] -
年下の彼 ? 樹海
理子は、凄まじい恐怖のため、思わず両の目を固く閉じた。すると、底無しの真っ暗闇の穴に、まっ逆さまに転落していくようだ。「一体、私はどうなってしまったの!?」到底、目を閉じたままではいられず、恐る恐る、再び周りの様子を伺うと、今度は部屋中がぐるぐると、立っていられない程の猛スピードで、周り始めた。と同時に、頭が割れんばかりの耳鳴りと頭痛が襲ってくる。這うようにして、やっと携帯を取り上げ、震えてなか
マリリン さん作 [318] -
灰色の虹
ごく何気ない夕焼けだった。毎日繰り返す、見飽きた茜色。僕はこの時刻が余り好きでない。手元の文庫本が読みにくくなる。「お、レインボー・スカイだね」いつの間にかそこに居た友人は、空を見て、面白そうにそう云った。僕はちょっと顔を上げて見る。ブルー・イエロー・オレンジ。ピンクもある。光のスペクトルの描く、グラデーション。「確かに色々混じっているようだが、虹とは違うだろう」僕の指摘に、彼はほんの僅かに戸惑
ケィ。 さん作 [455] -
腐りかけ?
屋上から視る下界はあたしをちっぽけな存在にする(今日こそ飛べるかもしれない)「カッコ!いたいた!もう、また此処!」美和が息を切らせて笑ってる。「で、なに?急用ならお断り」「急用ってかさ。こないだからアンタに話してた合コン!今夜だよ‥行くよね?」「………」「アンタのために誘ってるんでしょうが!魂ぬけた生活何年してんだか。いい加減、忘れたら?」まったく、お節介な自称《親友》だわ…あんたこそ、四十路を
Seoul さん作 [396] -
スポットライト
ギター弾いて バンドで歌ってる俺。 自分で言うのも何だが 少し売れてる。 キャーキャー言われて仕方ない。 でも 人気ある俺は ボクじゃない。 ボクは俺とか言わないし。 キャーキャー言われてる俺。 キャーキャー言われて困るボク。 俺とボクの境界線にはスポットライトがあるだけなんだ。 今晩もボクは俺になる。
アイトソープ さん作 [287] -
悪い夢
俺は仲間と銀行強盗の計画をたてた。 お金を手にして、たくさん遊ぼう。表向きにはそう言っておいた。 何日もかけて俺たちは準備をした。ネットでナイフと銃も手に入れた。 そして緊張の当日。マスクをかぶった俺たちは、銃を片手に銀行へ突っ込んだ。パンパンッまずは威嚇射撃。「その場から動くな!下手な動き見せた奴はぶっ殺す!」仲間の一人が叫ぶ。「カウンターの奴らはまかせろ!」四人の仲間はカウンターの見張り
OHレンジ さん作 [362] -
摩天楼 その22
雨はなおも降り続けている。生まれた嫌悪感はリリィを憂鬱にさせた。水を吸って制服が肌にまとわりついて気持悪い。まだ濡れているが、長居してはならないと思い、バッグを持って外に出ようとした。「待ってよ」マーチは咄嗟にリリィの手を掴んだ。リリィは手を振りほどこうとしたが、彼の引っ張る力に勝てなかった。こんな華奢な腕なのに。「ほかに…何か?」泣きそうな声で睨んだ。「ほんとは…さ…」マーチの声は震えているよ
river さん作 [407] -
摩天楼 その22
リリィはゆっくりとマーチの方を見た。リリィの目に入ったのは大きめのシャツを着た、色の白い、華奢で短髪の青年だった。一瞬誰だかわからなかった。リリィは笑わなかった。雨水の滴る髪を拭く。濡れた制服の袖から肌が透けて見えた。滴を拭くリリィをマーチはじっと見つめて言った。「街をひっくり返しに行くんだ、めちゃめちゃに」リリィはマーチに視線を向けずにタオルを動かす。マーチは窓の向こうに目をやるが、雨で見えな
river さん作 [374] -
摩天楼 その21
マーチは雷雨の中走っていた。家は廃車置き場の向こうだった。嫌でも前を通らなければならない。レインコートを着ているにも関わらず頬から雨粒が滴る。近くに雷が落ちた。けたたましい音が鳴り響き、一瞬だけ真昼のように明るくなった。「うわっ」さすがにマーチは驚いて、逃げるように走る。雷もまた追いかけるようにひとつ落ちる。あまりにおっかないので廃車に逃げ込んだ。後部座席に急いで入ると、マーチはぼとぼとに濡れた
river さん作 [384] -
摩天楼 その20
より激しさを増した雨がリリィに打ち付ける。制服はびしょ濡れになった。暗い空から幾筋の稲妻が走る。リリィは雷に撃たれてしまいたかった。バッグを取りに廃車置き場に向かう途中、こんなことを思ったにも関わらずリリィは雷に度々怯んだ。すぐ出て行ってしまえばよかったそうすればこんなことには。どうして一番届いて欲しい人の耳には届かないのピアニストの居なくなった酒場は徐々に賑やかさを取り戻す。ただ、強い雨と稲光
river さん作 [355]