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ノンジャンルの携帯小説に含まれる記事が5567件見つかりました。
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夜に咲く華〜その11〜
紅は二人の顔を見て笑った。「大丈夫かい?」あやめが駆け寄り紅の身体に手をかける。「ええ」そう答えて着物を着付け直す。紅は二人にいきさつを話す。「実際、もうダメだと思ったの。でも、あいつに…、その…、触られいるうちに、何て言うか…、身体が身体中が熱くなって、何か火が付いたように。頭の芯が白くなってきて、いろんな物が見えた。今までの事が。で、気付いたのよ。権利書を分けて相続してたこと。まだ希望はある
岬 登夜 さん作 [270] -
虫6
結局私は刑事の期待した答えとは大幅にズレた言葉ばかりを発した。「自分が、虫だと思ったんです」「殺して彼も、虫だと思ったんです」忌まわしい生き物を見ていた事に急に気付いた様に刑事ははっとして、直ぐ部屋を出て行った。暫くして数人の警官達に囲まれる形で、私は留置場へと促された。取り調べは予定より早めに終了した。明日は急遽、精神鑑定を行うらしい。あの時彼が車の窓から外を見ていた様に、私はぼんやりとしたま
もね さん作 [393] -
虫5
外は霧雨だった。急に心臓が高鳴り、ふわりとした感覚になった。私は自分が自分である感覚さえ、一瞬見失った。射る様に睨む彼の腹に、手に持った傘を突き刺した。「何すんだこのやろう」息んだ様な声で彼は怒鳴った。私の手首を驚く程強く掴み、自分の体から引き剥がした。私は後部座席に突き飛ばされた。物凄い勢いで彼は私に馬乗りになり、髪を鷲掴みにして数発殴った後、首を絞め始めた。その手は恐ろしい程力強く、温かかっ
もね さん作 [353] -
虫4
彼は手を伸ばし、吸っていた煙草を灰皿に押し付けた。「なぜ?」彼は怪訝そうな表情のまま横目でこちらの様子を窺っている。その先の言葉は無かった。本来なら、俺達上手くいってただろ?とか、他に男ができたのか?とか続く筈だろう。しかし彼との間には、お互いに何も問い掛ける理由が無かった。強いて付けるなら、「なぜ俺の玩具を辞めるなんて言い出すんだ?俺に許可もなく」だろう。その先の続かない空虚な言葉は、何の意味
もね さん作 [389] -
虫3
「ああ、もう終わる」彼は私の腹に熱い物を落とすと、その体温とは正反対の冷たさで即座に煙草を吸い始めた。私は膝を抱えたまま震えていた。その時から彼と遊びに行く事はなくなった。ただ体を合わせる為だけに私は札幌へ向かっていた。そのうち彼は私を送るのさえ面倒になり、途中で車を下ろす様になった。知らない街の雨の中、私は数キロの距離を、碁盤の目の様になった道を頼りにホテルまで帰った。私は上手くいっていなかっ
もね さん作 [386] -
虫2
鉄塔の下だ。藪に覆われかけた山道の一方は山中へと続き、もう一方は高圧電線の巨大な鉄塔の下の、開けた土地へとつながっていた。彼は旅先で知り合った大学生だった。彼の事を愛していた訳ではない。ただ寂しい私の気持ちを温もりで埋めてくれる様な気がした。私を女として見てくれる。それだけで嬉しかった。彼女がいる事は後から知ったが、好きな女性がいると早いうちから聞いていた。つまり私は最初から好きな女にすら自分が
もね さん作 [373] -
虫
「なぜ?」という言葉にカッとなったんです。私がそう答えると、予想通りの答えが返って来なかったからか刑事はイライラした様子で書類を机に叩きつけた。「そんな理由で殺されたんじゃ彼氏さんだって浮かばれないだろうさ」「いえ、彼とは恋人同士ではありません」「でも関係はあったんだろ!」「彼には彼女がいましたし、お互い割り切った関係でした。愛情は…ありませんでした」「世の中にはさ、彼女が沢山いる男なんて掃いて
もね さん作 [334] -
言える 2
ある日、突然実家から郵便が届いた。 中には同窓会の案内と、母からの手紙が入っていた。 母からの手紙には・・『この前、準君が家に来て、同窓会の案内を置いていってくれました。 前回不参加だったので、今回は是非参加してほしいとの事です。 一緒に同窓会の案内入れておきますね。』 と書かれていた。 準とは幼なじみで、1番の親友だ。 そう言えば、随分みんなに会ってないな〜。 ひさしぶりに帰りたいけど、きっ
ないん さん作 [236] -
戻れない日々
だぃたぃのダメな事してきた…。いつかいつか真面目に…私が描く良い女になれるまではいつになるのかな…。16歳〜今24歳売りを知り…夜の仕事…薬物を知り…クサ…覚醒剤…いろんなもの…いろんな人…いろんな裏を知り過ぎたら…なかなかキレイに表へ戻る事はできなくなった…。興味とかそんな始まりからこんな寂しい悲しい女になってしまって…どぅしたら戻れるの…戻る事が出来たと思ってもまた魔物に邪魔をされいつしか戻
楓 さん作 [587] -
僕へ送る手紙 3
野宿を覚悟はしていたが、意外とすぐ近くに住み込みの仕事が決まった。15歳という年齢を偽ったが、もともと若々しくないユウスケは疑われる様子はなかった。自分自信も自覚はしている。仕事内容は、道路とかの穴を掘る建築業である。とにかく何でもいい、何とかなるだろ、と、軽く考えていたが、仕事はかなりきつかった。元ヤクザだと、くだらない過去の自分を自慢する親方、高校生の彼女を妊娠させたと自慢気に言いふるまう2
もうぎゅう さん作 [208]