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ノンジャンルの携帯小説に含まれる記事が5567件見つかりました。
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サンニン
《カオル》受信BOXには大量のその名前が並んでいた。日にちはあの事件の日。 そうか。あの事件の日の夜、俺はカオルとメールをしたんだ。 現実逃避をし続けた記憶が徐々にその扉をあけだした。 心臓があの時のようにバクバクと鳴っていた。《俺のこと嫌いならそういってくれりゃよかったのに》いつもはふざけた絵文字で飾られるカオルのメールは、黒一色の地味なものだった。 次のメールを読む。《好きでもねえのに友達ヅ
兄さん さん作 [314] -
十字路とブルースと僕と俺
暑い暑い毎日だった。夏休みに遊びに行った田舎のおばあちゃんの家。そこには自然が腐るほどあって、空気は澄みすぎていて、そこに住む人たちは底抜けにやさしかった。当時のおれは、10才になったばかりのがきんちょだった。もう20年以上も前のことなのに、この夏のことは今でも鮮明に思い出せる。そして今の自分があるのも、この夏に体験した不思議な出来事のお陰に他ならない。おれの記憶が正しければ、あの時に起こった出
ティシュー さん作 [433] -
私
私は昭和の時代に産まれた。三才のある日、私は突然真っ暗な部屋に1人いた。パパの職業…ヤクザ。ママはあっちこっちに女を作って帰って来ないパパに愛想を尽かしてそう、まだ3つの私を一人、ヌケガラの家に置いていった。私はまだ三才…何が起こったのかわかるはずもない。ママは私を捨てて家を出て行った。パパはそんなのお構い無しで私をパパのお兄さんの家に預けた…。まだ三才の私…その日から私の心は凍りついてしまった
さゆり さん作 [196] -
腐りかけ?
「オハヨー…」「ウワァ〜先輩!ハヤッ!」「…あんまり夕べは眠れんくて…そのまんま。」(尚の死に顔きれいやったなぁ…苦しまなかったらよかったんだけど)「なら、いつもの倍にミルクたっぷり目のコーヒーいれまひょかぁ?」「あっ!!いいいいよ…今朝は紅茶自分でいれてかたから」「ハァ!?紅茶ぁ?先輩どうかしたんですか…??」(尚は砂糖タップリのミルクティが大好きだったんだよ…あたしなりのオトムライ)「たまに
Seoul さん作 [242] -
夜に咲く華〜その10〜
「紅ちゃん…」あやめは階段に立ち尽くす。人形の様におとなしくなった紅を連二郎はしばらく黙って見ていた。「吉原では綺麗ってだけでは客は着かない。お前、何か出来るのか?」紅は黙っていた。「いつも、旦那をどう喜ばしていたんだよ。俺にもやってみせろよ。ほらっ」連二郎は無理矢理紅の着物の胸元を広げた。「そんなもの知らないわ。あいつに抱かれたのは襲われたあの日だけ。それだけ」無表情に紅は答える。「ふーん」連
岬 登夜 さん作 [413] -
夜に咲く華〜その9〜
「とにかく健吾はいないのだから帰ってちょうだい。もうじき店を開ける時間だから」連二郎は笑った。「ところがそうもいかなくてね」懐から沢山の紙の束をだす。「お宅の逃げた旦那の借用書だ。全部払ってくれれば帰るよ」紅は借用書を見る。「こんなに…? だけと私には払う義務は無いわ。さっさと健吾を探して好きにすればいい。さあ、早く出ていって」「そうもいかなくてね」連二郎は一枚の紙をだす。「この、建物、土地の抵
岬 登夜 さん作 [369] -
夜に咲く華〜その8〜
紅と健吾の婚礼から四年が過ぎた。祖父母は店の全てを紅達夫婦に譲り、知り合いの田舎で隠居生活を始め、あやめの年期明けも間もなく、「紅華楼」にとって変化の年となる春。紅は二十歳になり評判の美人女将として店を切り盛りしていた。健吾との仲は結婚当初から上手く行かず、あの屈辱の日から一度もその身体を健吾に触れさせる事はなかった。「紅華楼」に全てを注ぎ健吾の事はないがしろにした。健吾は家を勘当同然に出され、
岬 登夜 さん作 [348] -
僕へ送る手紙 2
母親はいなく、父親の思い出もあまりない。ギャンブル、酒びたりの毎日で、どうしようもない父親だった。暴力も受けた。今だ、左腕に熱湯をかけられてできた火傷跡が残っている。ここに入って8年間、一度も父親の顔を見た記憶がない。ユウスケは3年ぶりに、家に戻ってきた。中に入ると、見慣れない小さな新人が何人かいた。全員で10人程いたが、ユウスケを怪物でも見てるかのような表情をしていた。「オレの部屋はどこだよ?
もうぎゅう さん作 [196] -
夜に咲く華〜その7〜
「なんて事だ…」可愛い孫が暴漢されたと知った清松はその場に座り込む。「心配するな。私がそいつに責任を取らせる」そういい泥酔状態の健吾を引きずりどこかに消えていった。「妙、泣いてないで湯を沸かしな。紅を風呂に入れないと」客を取り終えたあやめが泣いている妙に激を与える。「は…はい」妙はノロノロと立ち上がり風呂場に向かった。「紅ちゃん。立てるかい? 行くよ」あやめに支えられる様に紅は歩く。「ねぇ、あや
岬 登夜 さん作 [270] -
僕へ送る手紙
中2夏、オレはかなりイラついていた。特別な理由なんてない。ただ「ヤツ」が「ウザイ」からだ。ウサ晴らしに、適当に、その辺にいたイケてるハタチぐらいのOL風の女を犯してみた。罪悪感という偽善的なものは、まるで感じなかった。そこにいた奴が悪い。ただ、それだけだった。翌日、「連中」は朝っぱらから、寝ていた部屋にドカドカ入り込んできて、オレを捕まえに来た。事情を聞いた「ヤツ」は泣きながら「なんて事をしたの
もうぎゅう さん作 [216]