トップページ >> ノンジャンルの一覧
ノンジャンルの携帯小説に含まれる記事が5567件見つかりました。
-
花冠7
まだ新しい道路ができる前までは、皆あの森を抜ける道を通って隣の町まで行っていた。故に、森で暮らす一家とはほとんどの町人が顔見知りだったのである。人が好きで、よく疲れた旅人などが通りかかると無償で宿を貸し、手厚くもてなしていたという。十年ほど前、一人娘が隣町に嫁に行くことが決まり、娘は毎日家の前に咲く花をせっせと摘んでは、花冠とブーケを作っていた。通りかかった人が声をかけると、恋人のことやその家族
一月 さん作 [220] -
花冠6
旅人は町へ戻るとすぐ、街角にある年季の入った洒落た珈琲店に入った。カウンターに座り、お絞りを持ってきた店員にウィンナーコーヒーを注文する。すると、カウンターの中にいたマスターが旅人に気付き、声をかけてきた。「おや、あんた昨日の旅人さんじゃないか。まだこの町にいたのかい?」町外れのあの道を教えてくれたのは、このマスターである。旅人は昨日もこの店を訪れていた。「いえ、一旦はあの道を通ったんですが、ど
一月 さん作 [308] -
心の葛藤[2]
片思いって…楽しい時と寂しい時と悲しい時と切ない時が重なり合って微妙な気持ちになるよね。99%切なくても1%の幸せがあるから片思いって見切りが付けられないんだよね。大好きで大好きでスゴク大好きな人に会える幸せ話す幸せ。そんな些細な幸せの為に膨大な切なさや悲しみを抱えて……『彼はダメだよ。もう忘れなさい』って脳みそが指令を出してくれないんだよね。でも、忘れなきゃ……前を向かなくちゃ……
アミ さん作 [213] -
心の葛藤
相思相愛って凄いよね。この人好きだなぁって思ってる相手が自分を好きになってくれるなんて結構スゴイ事だと思うんだよね。すごく好きな人と別れたいとか会わない方が良いと判断した時って…どうする?嫌いな所をたくさん思い出してみたり、別れた方がいい理由を100コ考えてみたり……嫌いになる努力を惜しまずにしてみたりするけど結局はずっと、その人の事を考えてるから忘れられないんだよね。どうして好きになっちゃっ
アミ さん作 [230] -
花冠6
4人で囲んだテーブルは、一晩のうちに数年分の時を重ねて、灰色に変色していた。煉瓦やその破片が散らばる中、昨日と同じ場所にそれは置かれていた。旅人がそっと手に取ると、すっかり枯れはてた花冠はカサリと音を立てて、崩れ去った。旅人は朽ちかけた椅子に座り、変わり果てた景色を眺めながら、しばらくの間考え込んでいた。だが、どんなに考えても夢とは思えない。かといってこの状況の説明もできない。それからまたしばら
一月 さん作 [195] -
花冠5
翌朝、耳元で草がさわさわと風にそよぐ音で目が覚めた。うっすらと目を開けると、透き通る青空が広がっていた。寝る前は確かに天井だったはずだ。勢い良く体を起こし、辺りを見回して旅人は愕然とした。旅人が泊まった家は、一晩の内に崩れ落ちて廃墟と化していた。屋根が崩れ落ちて、ぽっかりと穴の開いた天井から青空がのぞいている。傾いた家の重圧でガラスが砕け散っている窓からは、庭の白い花畑が見える。床も所々朽ちて抜
一月 さん作 [192] -
花冠4
旅人の話は尽きることなく、この地を離れたことがない少女にとっては、どれも夢物語のようだった。瞳を輝かせてさも嬉しそうに楽しそうに話を聞く少女を見て、旅人もまた時間を忘れて話続けた。そうしている間に日は西に傾き始め、母親が町から帰ってきた。少女に似て可憐で、優しげな女性だった。日が暮れかけていることを知り、慌てて旅人が立ち上がると、母子から泊まっていくように勧められた。「いや、それは申し訳ないので
一月 さん作 [204] -
大切な友人
僕には兄弟同然に連れ添っていた親友がいた…その子とは小さい時からの知り合いでいつも遊んでいた。そんなある日その子から携帯を買ったから…と僕に連絡先を渡してくれた。その事に気を取られていた僕は車に気付かなかった…すると、友達は目の前で曳かれてしまった…僕は助けられていたはずの友達を失ったショックは何よりも大きかった。その時から人生がつまらなくなってしまった…そんなある日に僕の携帯がなった。僕は
SUZAKU さん作 [448] -
僕が生きようとする理由
僕は失いたくないものが沢山ある。友達や家族、彼女からは離れたくない…なのに僕は広い花畑にいる。何処を見渡しても同じ景色が続いている…何故、此処にいるかは思い出せないが大切な何かを守るために此処に来ている気がする。ふと、耳に聞こえた声が泣き声だった…「私の不注意で彼が私を守るためにこうなっちゃた…」と自分を責めているのが聞こえた。それは違う!と思ったが声は届かない…今の僕にはこの花畑から抜け出す道
SUZAKU さん作 [533] -
年下の彼 ? 同棲
「同棲しない?」突然、思い付いたように理子の口からその言葉が洩れた。 「俺は、きちんと結婚してから、君と暮らしたいんだ」 年下なのに、哲也は意外と古風な考えを持つ男だった。「どうして結婚の制度が、この社会にはあるんだろう?」とぼんやり理子は考える。 男女が、一緒に暮らしても、そこに子供が誕生しなければ結婚という形態を、とる必要がないのではないか?正式に婚姻の形をとっていない場合、生まれてきた子供
マリリン さん作 [497]