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ノンジャンルの携帯小説に含まれる記事が5567件見つかりました。
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武士になりたくて
ある真夏の暑い日、村から十里ほど離れた場所で戦が始まった。小競り合いは何回かあったが、今回はかなり大きな戦で朝から始まった戦は昼頃になると烈しさを増し村の近くまで迫って来た。村の人々はあるいは荷車に家財道具を載せ逃げる者、あるいは遠くの親戚を頼りに逃げる者、皆思い思いに逃げて行く。中には村に残る者がいたが僅かに残っているだけだった。そこに戦と聞き朝から目を輝かす一人の少年がいた。名を虎之助という
けい さん作 [227] -
朝野と夢野──本来の自分──2
もう寝たのか。縞々(しましま)のベッドに潜り込んだ途端にぴくりとも動かない。しばらく様子を見ているとたまにまぶたの裏で目がゴロリと動く。寝たらしい。きっとその眠りのうちで、端から端までの悪いことはかなぐり捨てて、良いことばかりを見ているのだろう。朝野くんが眠るとぼくの意識ははっきりとしてくる。ぼくは、にやけ顔で寝入る朝野くんを横目に、毎日自らに課している仕事に励もう。その仕事は朝野くんの仕事の
京野一芽 さん作 [398] -
朝野と夢野──本来の自分──1
夢野とおれは、性格の面では正反対な人間らしい。あいつは憶病で泣き虫でへたれだけども、おれっていうと何かとその反対を行くからな。だけどもそれぞれの性格の起源なんてものを遡(さかのぼ)ってみると、そもそもは同じところにたどり着くのだ。いまこうして誇張でなくて、日本とブラジルくらいまでその道が隔たっているということは、おれが考えるに、環境の違いがそのまま性格に反映されたんじゃないかと思う。 ぼくらは
京野一芽 さん作 [358] -
遺書−私と彼女という現象−
−第十三話− 『A』は、狂気じみた眼で微笑み言う。「愛してるからこそ、尚更憎い。死体は彼に見つけさせたいが、それ以外は何も渡さない。」『A』は、狂気じみた眼なのに、正気なのか狂気なのか判断できない。「愛しても唯一にはしてもらえず、裏切られ続けて、子供も殺した上に、精神病なんだもの。」「私は………?」「生きていたいんだよね、勿論しってるわよ。」「じゃ、じゃあ…!」 フフと『A』は小悪魔の様に笑い、
あきは さん作 [312] -
はだし
こないだまであたしはランドセル使ってた。10年以上前の話。子供の頃、『はよ大人になりたい』って本気で思っとった。大人になった今、生活せんといけんから、仕事して、我慢もたくさんして、好きな事もまともに出来んで、忙しい毎日をただひたすらこなして、金にも貪欲になって、大好きだった、はだしで歩く事も出来んなった。好きな事我慢して理不尽な事すら『そんなもんじゃろ』って思う、悲しい人間になっただけな気がしと
ハル さん作 [486] -
もやし
世界一の脇役。たった15円だけど必要なんだよ。あなたは必要だ。何人もあなたに救われてるんだよ。あなたは主役だよ。
裕 さん作 [204] -
遺書−私と彼女という現象−
−第十二話− 『A』は、狂気じみた眼で微笑み言った。「愛してるからこそ、尚更憎いし、ただですますつもりはない、死体は彼に見つけさせたいが、それ以外は何も渡さない。」と『A』は正気なのか狂気なのか、穏やかに微笑んだ。「仕方ないの、愛し続けても唯一にはしてもらえず、裏切られ続けて、子供ももてないうえに、精神まで病んでしまったんだもの。」「で、でも、やっぱり自殺なんてよくないよ。別れちゃえばいいんだよ
あきは さん作 [341] -
いつか私を嫌いになる君へ
桜散る4月下旬。娘と二人の生活が始まった。離婚したのだ。引っ越し資金も知人に借り仕事も決まってない状態だが気分は清々しかった。引っ越して1日目、娘は笑顔で 言った。「新しいおうち嬉しいな。ずっとままと一緒にいられるね」その言葉を聞いて涙が出そうになった。何故なら離婚する前育児放棄していたのだ。離婚する前、前夫は仕事も何度も変え借金も多々あり、その上本人はばれてないと思っていたらしいが浮気もあった
桜 さん作 [279] -
風
冷たい風が、僕の心を貫いた。ゆらゆら揺らぐ、ぼくの心を貫いた。さっきまでなんともなかったのに、今はどーしたの?やっぱ弱かったみたいだ、俺の心。壊れないものなんてないさ、と自分を慰めてる。そんな自分に気付き、自分のことが嫌になる。真っ暗な明日を乗り切る勇気があるだろうか?勇気があるかないかは関係ない。社会に出れば、無理矢理にでも突き飛ばれる。そんな明日の一筋の光りを、いつものどっかでみつけなくちゃ
516 さん作 [218] -
最後の審判
「こんな、塩水を、俺の顔に塗りたくりやがって。 お前の眼にもすり込んでやる〜!!」寛は、絶叫して、聖水の器を理亜に投げ付けた。それは、その夜の地獄の幕開けであった。理亜は、その日、後田神父からもらった聖水を、祭壇に飾り、夫である寛への祈りために、今まさに、彼に、聖水で十字をきったところだった。理亜は、夫への全くの愛情からした自分の行為が、何故、寛を激怒させたのか、理解できず茫然としていた。
マリリン さん作 [487]