携帯小説!(PC版)

トップページ >> ノンジャンルの一覧

ノンジャンルの携帯小説に含まれる記事が5567件見つかりました。

  • 涙の絆 9

    純は、ここが普通の病院ではないことには、この保護室に入った時から分かっていた。ただ自分が精神病院に入るとは、ましてこんな独房のような場所に入るなんて思ってもみなかった。一体自分に何が起きてしまったのか考えても、考えても何も思い当たる節はなかった。ただこの病院に連れて来られる前に、いくつか不思議な体験をしたことだけは覚えていた。例えば、電話に出たとき「なんや」とか「われ、こら」といった、いかにも
    キャロルの秘密 さん作 [869]
  • 風邪 4

    クソッ!…俺はイラついていた。消毒クセー病院の待合室…。畜生ォ!…なんでこんな混んでんだよ。病院なんかに来たのはガキの時以来だった。もう十年は来てねーと思う。別に病院が嫌いってワケじゃねー。たまたま病院に来るほどの病気になってなかっただけだ。そりゃーたまには風邪ぐらい引いてたけど、今までは不思議とすぐに治ってた。だけど今回はそうもいかなかった。熱は下がんねーし…下痢は毎日続くし…咳は日に日に酷く
    ティシュー さん作 [322]
  • 僕らは 最終話

    数ヶ月後、凌駕と裕実は付き合い始めた。凌駕の周りの人間が死ぬことはなくなり、凌駕はいつも笑っていた。毎週、順也の墓に行っては、他愛のないことを話して笑った。もちろん、順也が喋るわけはないが、僕らには順也の声が聞こえる気がした。僕らは同じ大学に進み、凌駕は髪を茶色にした。理由を訊いても答えなかったが、僕にはなんとなく分かる気がした。久々に立ち寄ったあの公園で、どちらがブランコをより高く漕げるかを競
    unknown soloist. さん作 [359]
  • 僕らは 第三十話

    ようやく笑いが治まった頃には、空は夕焼けと夜空のコラボレーションを奏でていて、とても美しい空だった。「ねぇ、凌駕。僕は思うんだけど…」僕は空を眺めながら言った。「何だよ?」「人生に三度、モテ期が来るんだとしたら…幸福と不幸の回数も決まってるんじゃないのかなぁ?」凌駕は、僕の言ったことに不思議そうな顔をした。「僕らには、人生で起こりうる不幸が一気に起こってるだけなんだよ。きっと、この辛い期間を乗り
    unknown soloist. さん作 [301]
  • 僕らは 第二十九話

    僕らは翌日、学校を休み、公園に向かった。ブランコに並んで腰掛けてみたものの、僕はどうして良いか分からず、黙っていた。すると、凌駕がぽつりと言った。「お前も、オレに関わらねぇ方が良いんじゃねぇの?」僕は凌駕に、僕が凌駕よりも己の命を選ぶ人間だと思われている気がして、悲しくて堪らなかった。「僕は…あの夜死んでたはずだった。」そう、父さんが一家心中を図った、あの忌まわしい夜に。しかし僕は生き残った。そ
    unknown soloist. さん作 [298]
  • 僕らは 第二十八話

    「あいつ、馬鹿だよな。オレはヒーローなんかじゃねぇ…タチの悪い死神なんだ…」凌駕の拳から血が飛び散った。僕が凌駕の手首を掴んで木を殴るのをやめさせると、凌駕はしゃがみ込んだ。「オレのせいで誰かが死ぬぐらいなら…もう…死にてぇよ…!」僕は、その悲痛な叫びに答えることが出来ず、ただ茫然と凌駕の背中を見つめていた。この美しい空は、一体誰の幸せを映し出しているのだろう?僕らはこんなにも、暗闇の中にいるの
    unknown soloist. さん作 [299]
  • 僕らは 第二十七話

    一時間程経っただろうか、“手術中”と書かれたランプが消え、医者が出て来た。僕らは立ち上がり、その医者に駆け寄った。「非常に申し上げにくいのですが…順也くんは…亡くなりました。」僕は、この医者は何をふざけているのだろうと思った。しかし、運び出された順也の遺体を見た瞬間、真実を受け入れざるを得なかった。順也は死んだ。信じられなかった。信じたくなかった。凌駕が突然、走り去ってしまったので、僕は急いで後
    unknown soloist. さん作 [304]
  • 僕らは 第二十六話

    「あなたたち…もしかして、“貴仁くん”と“凌駕くん”?」「あ、はい。」「順也がいつもあなたたちのことを話していますよ。」ようやく凌駕は頭を上げた。順也の母親は微笑み、続けた。「あの子は、友達を作るのが下手で…学校ではずっと一人ぼっちだったの。家でも自分からはあまり話してくれなくて。でも、あなたたちと出会ってから、順也は変わったわ。」僕らは顔を見合わせた。僕らが、順也に影響を与えていたなんて…。「
    unknown soloist. さん作 [293]
  • 僕らは 第二十五話

    「人生には三度、モテ期があるんだってよ。」帰り道、急に凌駕が言い出した。裕実の一件の影響だろうか。そのとき、脂べっとりの太った秋葉系の男とすれ違った。「有り得ないよ。」凌駕はともかく、今の男にモテ期は来ないだろう。交差点を通りがかったとき、妙な人だかりを発見した。轢き逃げよ、と主婦らしきおばさんが話しているのが聞こえた。スーツを着た男が、携帯で救急車を要請している。僕らは、道路の真ん中に倒れてい
    unknown soloist. さん作 [289]
  • 僕らは 第二十四話

    「凌駕は多分、裕実ちゃんのこと嫌いじゃないと思うよ。好きかどうかまでは分からないけど。」「ほんと…?」「うん、絶対だよ。」僕には自信があった。凌駕は、好きじゃない相手には謝ったりしない奴だ。「だから、凌駕のことを嫌いにならないであげてほしい。」「…うん。きっと私は、死ぬまで甲斐くんのことが好きだよ。」裕実は微笑んだ。僕は、“恋する女性は美しい”というのは本当なんだなと思った。次の日、裕実は凌駕に
    unknown soloist. さん作 [283]
サーバ維持用カンパお願いします。
WebMoney ぷちカンパ

Twitterで管理人をフォローする

利用規約 - サイトマップ - 運営団体
© TagajoTown 管理人のメールアドレス