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ノンジャンルの携帯小説に含まれる記事が5567件見つかりました。

  • 僕らは 第二十三話

    「凌駕は…昔、彼女を亡くしたんだ。」“殺された”とは言わなかった。言えなかった。「そう…だったんだ。私、全然知らなかった…」「凌駕はそういうこと、誰かに話したりしない奴だからね。」裕実は遠くを見ながら微笑んだ。「私が甲斐くんを好きになったのは、中三のときなの。」いきなりだったので僕は驚いたが、黙って話を聞くことにした。「その頃の甲斐くん、何だか近寄りにくい雰囲気で…いつも一人だった。皆は甲斐くん
    unknown soloist. さん作 [274]
  • 僕らは 第二十二話

    ある昼休み、僕はいつものように屋上への階段を昇っていた。突然、屋上の扉が開き、裕実が駆け降りてきた。僕は慌てて避け、裕実は僕の脇を通り過ぎて行ってしまった。僕には裕実が泣いていたように見えた。屋上には、凌駕がぽつりと立っていた。どうやら、裕実を泣かせたのは凌駕のようだ。「凌駕、何があったの?」すると凌駕はしゃがみ込み、うつ向いて口早に事の経緯を話した。裕実が凌駕に想いを伝え、凌駕は裕実を振った。
    unknown soloist. さん作 [281]
  • 僕らは 第二十一話

    僕には分かる。凌駕は、この世界で僕以外に自分の味方をしてくれる人間がいることを試したかったのだ。「まぁ良い。お前、烏丸高校のモンだな?お前を連れていく!」他校生は、榊原に引きずられて出ていった。凌駕はすぐに僕の喉を解除した。「悪かったな。」すると、少年がおずおずと凌駕に話し掛けた。「あの…助けてくれて、ありがとうございました。」最後の方は聞こえなかったが、恐らくこう言った。凌駕は少年の頭に手を置
    unknown soloist. さん作 [274]
  • 僕らは 第二十話

    「甲斐、とうとうお前は年下だけじゃなく、他校の生徒にまで手を出したか。あぁ?」凌駕は黙っていた。僕は急いで真実を伝えようとしたが、声が出なかった。凌駕が僕の喉を停止させたのだ。何故そんなことをするのか、僕には分からなかった。榊原が凌駕に、ねちねちと嫌味をぶつけ始めたが、凌駕は何かを待っているように、じっと目を閉じている。そのとき、女子生徒の一人が口を挟んだ。「先生!甲斐くんは、この男の子を助けた
    unknown soloist. さん作 [286]
  • 僕らは 第十九話

    「そろそろ休憩しない?」僕は普段、こんなに歩かないので、足が疲れてしまった。騒がしくない場所が良かったので、二人で体育館の裏に向かった。しかし、そこでは一年生らしき少年が、他校生に殴られているところだった。僕はどうして良いか分からず立ちすくんでいると、凌駕が飛び出した。凌駕は一瞬の内に他校生を殴り倒した。僕は背後に気配を感じ、振り返ると、三人の女子生徒が立っていた。彼女たちは、目の前で繰り広げら
    unknown soloist. さん作 [311]
  • 僕らは 第十八話

    僕の通う冥律学園は、他の高校とは異なる点が多々ある。例えば、一限目の前に全校生徒で掃除をする。これは、清々しい気持ちで授業を開始するためだと聞いた。あと、プールの反対側には浴場がある。部活動を終えた生徒たちが使うのだ。そして、極めつけは学園祭だ。学園祭は、12月24日と25日の二日間、クリスマスパーティのごとく行う。しかも、開始から終了までは帰宅してはならない。つまり、徹夜で参加するのだ。出し物
    unknown soloist. さん作 [287]
  • 僕らは 第十七話

    「でも、お前のことは信じられるんだ。何でだろうな?」僕は何も答えなかった。自分が世界一不幸だと思い込んでいたことが情けなかった。「もし、オレのせいで貴仁が死んだら…オレも死ぬ。」僕は立ち上がり、凌駕の肩を掴んだ。あまりに突然掴んだので、凌駕は驚いて目を見開いた。僕は、また泣いた。凌駕は、あまりに優しすぎるが故に、誰よりも傷付いてきたのだ。「僕が死んだら、凌駕は僕の分まで生きてよ。凌駕が死んだら、
    unknown soloist. さん作 [269]
  • 僕らは 第十六話

    凌駕の母は、凌駕を産むと同時に死んだ。凌駕の父は、妻が死んだのは凌駕のせいだと責め、凌駕を虐待し始めた。凌駕の姉は、見て見ぬふりをした。凌駕は幼稚園に入り、多少は虐待から逃れられるようになった。しかしある日、遠足の途中で園児の集団に、トラックが突っ込んだ。凌駕以外は全員死に、凌駕だけが生き残った。凌駕は、自分に関わった人間は皆、死んでしまうのだと思い、他人と関わるのをやめた。そして小学生のある日
    unknown soloist. さん作 [298]
  • 僕らは 第十五話

    僕は躊躇いながらも、あの忌まわしい事件のことを話し始めた。凌駕は僕が話している間、ずっと黙って聞いてくれた。一部始終を話し終わると、凌駕は、僕の腹の傷を見せてくれと言った。凌駕は僕の傷痕に触れ、まるで自分の傷のように辛そうな顔をした。「次は凌駕の番だよ。」凌駕は少し驚いたようだった。恐らく、僕の荷物だけ持って帰ろうと考えていたのだろう。「凌駕の荷物も半分、僕に分けてよ。僕ら、友達なんだから。」僕
    unknown soloist. さん作 [281]
  • 僕らは 第十四話

    「だって、凌駕が僕の耳を止めるからだろ?」僕が反論すると、凌駕は、今度は大声で笑った。しかし、その笑い声ですら、僕には悲しみを押し殺した声に聞こえてならなかった。「何かあった?」僕が訊くと、凌駕は笑うのをやめ、小さく溜め息をついた。「別に、何もねぇよ…今はな。」「今は?じゃあ、いつか何かあったんだ?」「まぁ、色々な。お前だってそうなんじゃねぇの?」「え?」「お前って、何しててもずっと、辛そうだか
    unknown soloist. さん作 [286]
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