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ノンジャンルの携帯小説に含まれる記事が5567件見つかりました。

  • 僕らは 第十三話

    それから数週間が経った。僕らは毎日屋上で語り合い、廊下でも人目など気にすることなく語り合うようになった。しかし僕は、やはり凌駕以外の人間とは関わる気になれなかった。それは凌駕も同じのようで、凌駕は嫌味を言う教師連中以外からは話し掛けられることもなかった。しかし、そんなことはどうでも良いくらい、二人で過ごす時間は楽しいものだった。ある休日の夕方、僕は散歩に出掛けた。冬なので、夕方とはいえ既に辺りは
    unknown soloist. さん作 [279]
  • 僕らは 第十二話

    「なんかさぁ…多分なんだけど、相手の一部を停止させられるっぽい。」「じゃあ、あのときは…」「あぁ、お前の声帯を止めたんだ。」僕は、またしても開いた口が塞がらなくなった。凌駕の能力が、僕の理解の範疇を越えていることは明らかだったが、僕の好奇心は沸騰寸前だった。「どうやって停止させるの?」「止めてぇ部分に集中して、念じるんだ。」僕はしばらく凌駕を質問攻めにした。僕らは話に夢中になりすぎて、とっくに昼
    unknown soloist. さん作 [314]
  • 僕らは 第十一話

    「あいつは優等生だった。どんな奴にも優しかった。オレみたいなんにも平気で話し掛けてさ、しかも意外と話が合っちまって…オレらはすぐダチになった。」凌駕は一度言葉を切り、少しうつ向いた。「先公は、あいつがオレの味方をするようになったことを問題視した。んで、あいつにオレと関わるなって説得しやがった。」「そんな…!」僕は驚愕した。凌駕は良い奴だ。短い付き合いだが、僕は強く確信出来る。それなのに、見た目だ
    unknown soloist. さん作 [284]
  • 僕らは 第十話

    隅っこに置かれたベンチに座り、朝コンビニで買ったおにぎりを食べようとしたとき、背後から僕を捉えた声が、おにぎりの寿命を延ばした。「お、やっぱり貴仁じゃん。」振り返ると、凌駕が笑顔で僕に手を振りながら近付いて来るところだった。僕は何も言わなかった。まだ、今朝思いきり無視を喰らったことが引っ掛かっていた。「悪かったな、無視したりして。」どうやら僕は、考えが顔に出てしまっていたらしい。少し恥ずかしく思
    unknown soloist. さん作 [307]
  • 僕らは 第九話

    一週間後、僕は高揚した気持ちで登校した。凌駕はどこだろう、もう来ているのだろうかと考えながら、2年生の教室がある3階へと急いだ。階段を昇りきったとき、僕は立ち止まって廊下を見渡した。しかし、どこにも凌駕の姿はなかった。まだ来ていないのか、と諦めて教室に入ろうとしたとき、後ろから誰かが通り過ぎていった。「凌駕!」間違いない。あのモデルのようなスタイル、無造作に立った金髪、後ろから見ても分かる。凌駕
    unknown soloist. さん作 [281]
  • 僕らは 第八話

    甲斐は何事もなかったかのように靴を履き替えながら言った。「オレ、凌駕。お前は?」「貴仁。」他人とこんな風に話すのは、とても久し振りだった。しかも、自分とは正反対な奴と話すなんて…。まだ空は相変わらず、灰色の雲に包まれていた。気付いたら、ある荒れた公園に来ていた。「オレ、よくここで時間潰してんだ。」そう言って、凌駕は錆び付いたブランコに腰掛けた。「誰も来ねぇからさ、この公園。落ち着くんだ。こんなナ
    unknown soloist. さん作 [296]
  • 僕らは 第七話

    「あんたさ、こいつが何で遅刻したか知ってるか?」甲斐は顎で僕を指した。僕は訳が分からなかったので、黙って成り行きを見守った。「あぁ?何でだ?」「オレが今朝、こいつに絡んで金を取ったからだよ。」「何!?」「あんたは気の毒な被害者に散々説教喰らわせてたんだ。」ようやく僕は、甲斐が僕をかばおうとしていることを悟った。急いで否定しようとしたが、言葉が何故か喉の奥で詰まってしまった。僕が自分の喉と格闘して
    unknown soloist. さん作 [303]
  • 僕らは 第六話

    「おう、来たか。まぁ座れや。」僕は一瞬、躊躇した。最も生徒たちに恐れられている鬼教師、榊原が偉そうに座っていた。しかし、こうなった以上早く済ませて帰りたかったので、僕は榊原の向かいの黒い二人用ソファに腰掛けた。「おい甲斐、お前もさっさと座れ。」その榊原の言葉で、僕は初めて窓の傍に立っている男子生徒に気付いた。彼は振り返ると、少しの間榊原を睨みつけ、僕の隣にどさっと座った。背が高く、手足が長い。顔
    unknown soloist. さん作 [294]
  • 案内人 5 「存在」

    見送る者の悲しさ、去り行く者の悲しさ、互いの想いが交差する。時々こんな事が有る、不意に体から心が勝手に抜け出し、一人歩きをしてしまう事「幽体離脱」だ。その男は悩んでいた、仕事に悩み生きることに悩み、今日をどうするか?明日をどうするか?そして、愛する家族の事。自分と言う存在は、本当に必要なのか?そんな事を自分に問い掛ける。そんな時、私は彼の問いに答える、「全ての答えは、あなたが人間界に産まれた事、
    白い烏 さん作 [325]
  • 僕らは 第五話

    突然鳴り響いたアラームに、僕は現実に引き戻された。繰り返し鳴る機能を止め忘れていたようだ。時計を見ると、急いで家を出なければ学校に間に合わない時間だった。僕は慌ててクロワッサンを口に放り込み、家を飛び出した。遅刻をした生徒は放課後に長い説教を喰らうキャンペーンが実施されていたので、僕は絶対に遅刻をしたくなかった。家を出ると、冬独特の針で肌を刺すような空気がまとわりついてきた。僕は手袋をし忘れたこ
    unknown soloist. さん作 [371]
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